タイの高層ビル倒壊、政府機関が声明「仕様書に従って工事」 構造簡略化報道は「不正確」
ミャンマー中部を震源とする28日の地震の影響で、隣国タイの首都バンコクで建設中に倒壊した高層ビルを巡って、タイの会計検査院は30日、声明を公表した。「被災者支援を全力で提供できるよう準備を進めている」とした上で、建設に当たっては「仕様書に従った工事運営を重視していた」との見解を示した。
倒壊したビルは会計検査院の新庁舎として使われる予定で、地上33階建てのオフィス棟と5階建ての駐車場を建設する計画。
2018年に設計され、20年2月に25億6000万バーツ(約113億円)の建設費が閣議で承認された。タイの大手建設会社と中国の国営企業の現地法人の合弁企業が施工していた。
一方、一部で建物の構造を簡略化したなどという報道があったといい、声明は「不正確な情報だ」と否定した。建築を巡っては、デザイナーが指定した内容に準拠し「一切の変更はない」と強調した。
被害者支援と事故の原因究明には迅速に取り組むとし、「負傷者および行方不明者は多大な損失をもたらした悲劇で、死亡者および負傷者の家族に深い哀悼の意を表す」としている。
【衝撃】タイ・バンコクで高層ビル倒壊 ミャンマーでマグニチュード7.7の地震
【ミャンマー大地震】死者144人 タイでも建物倒壊「長周期地震動」か、専門家は…
日本時間28日午後3時すぎ、ミャンマー北部を震源とする地震が発生。地震の規模を示すマグニチュードは7.7で、ロイター通信によると、地震でこれまでに少なくとも144人が死亡、732人がけが。複数の建物が倒壊するなどの被害が出ているということです。
また、ミャンマーの震源地から1000キロ以上離れたタイの首都、バンコクでも高層ビルが倒壊。当局によると、当時ビルは建設中で、この倒壊で少なくとも5人が死亡、117人が行方不明になっているということです。