羽田発函館行きJAL機 規定未満の燃料で新千歳に緊急着陸 原因はパイロットの燃料誤認 運輸安全委が報告書
2023年、羽田発函館行きの日本航空機が目的地を函館空港から新千歳空港に変更した際に、残りの燃料が規定より少なくなり緊急着陸した重大インシデントについて、国土交通省の運輸安全員会は事故調査報告書を公表し「搭載されていた燃料について、パイロットらの誤解があった」と指摘しました。
報告書によりますと、東京・羽田発函館行き日本航空585便(乗客乗員258人、B767ー300型機)は23年7月12日午前、視界不良のため函館空港に2回着陸を試みましたが断念し、新千歳空港へ代替着陸を決定しました。
日本航空の社内規定では、新千歳空港に目的地を変更した際、滑走路に向かうルートは飛行距離が最も短くなる「南側」から滑走路に進入をすることを定めていて、搭載する燃料も、このルートで着陸することを前提とした量が積まれていました。
しかしパイロットらは、この規定を失念し、飛行機にはより多い燃料を消費する「北側」からの着陸に十分な量が積まれていると誤解していたということです。
その後、着陸時に残さなければいけない燃料が飛行中に規定を下回ることが分かり、緊急事態を宣言、管制官に優先着陸を要請しました。
運輸安全員会は再発防止策として、代替着陸に備えた燃料の搭載量とパイロットの認識に食い違いが生じないよう日本航空社内で周知する必要があると指摘しました。
日本航空は、これを受けて社内規定を見直し、目的地を変更する際、最悪の事態を想定し、飛行距離が最も長くなる滑走路への着陸を前提に燃料を計算し、搭載するようにしたということです。
燃料足りず…新千歳空港に緊急着陸のJAL機 燃料の積載量を機長らが誤認識 国の運輸安全委が結論
2023年函館行きの日航機が、新千歳空港に緊急着陸した重大インシデントで、国の運輸安全委員会は機長らが燃料の積載量を誤って認識していたことが原因だったと結論づけました。
2023年7月羽田発、函館行きの日本航空585便は、函館空港で2度着陸を試みるも、視界不良のため目的地を新千歳空港に変更しました。
その途中で残りの燃料が規定を下回ったため、新千歳空港に緊急着陸しました。
けが人はいませんでした。
運輸安全委員会は、27日公表した調査報告書で、新千歳空港までの燃料が飛行距離の短いルートで算定されていたにもかかわらず、機長らは遠回りのルートで着陸できると誤って認識していたことが原因だと指摘しました。
委員会は、燃料の算定方法を乗務員へ再度周知することが必要だとしています。