テスラの自動運転タクシー「サイバーキャブ」…イヤな予感しかない
昨年秋、Tesla(テスラ)が発表したロボタクシー「サイバーキャブ」。
車内にはハンドルもペダルもない完全自動運転のタクシーです。この夏、テキサス州オースティンにて第1弾をローンチ予定となっています。これに対しかなり懐疑的な意見を持っているのは、自動運転のWaymoで2015年から2021年までCEOを務めたJohn Krafcik氏。いわく、まぁ無理じゃね?と…。
プロトタイプが非現実的?
ドイツの雑誌『Manager』のインタビューにて、Krafcik氏はイーロン・マスク氏のロボタクシーは、特に安全性において現実的ではないと語っています。
Krafcik氏がいうには、ロボタクシービジネスを安全に進めようと思ったら、サイバーキャブのプロトタイプでは無理であると。安全性最優先ならば、屋根にも横にも角にもセンサーが搭載されるだろうし、センサーが機能するようにワイパーやエアノズルなどのクリーニングツールも装着されるはずだと。さらに乗り降りのしやすさを考えると、クーペタイプではないはずだと指摘。
これらの意見は、昨年秋の発表時にも指摘されていましたが、今回Krafcik氏の指摘が一部で注目されているのは、「ロボタクシーサービスをごまかす方法はいくらでもありますから」というコメント。つまり、夏にオースティンでローンチするのは、ロボタクシー風なサービスなんだろうと辛口予想(批判)したわけです。
イーロン・マスク氏の過去の手口
まだ見ぬ他社のサービスを、自分の経験だけで決めつけるのはよろしくありません。もしかしたらTesla発のブレイクスルーがあるのかもしれないし。
…ですが、Krafcik氏の気持ちもわからなくもないわけで。なぜなら、マスク氏はビミョーなごまかし技の過去があるから。
二足歩行ロボのOptimus(オプティマス)の最初の発表会で登場したのは、ロボではなく全身スーツを着た人間でした。その後も、自動運転していると見えたOptimusが、実は遠隔操作だったこともありました。
ネタ元のElectrekはもっと手厳しい意見で、夏のローンチ時にはフェイクで誤魔化すのではなく、そもそも予告していたサービスが形にすらなっていない状態なのではないかと超辛口。実際、サイバートラックは当初の予定から遅れに遅れましたから、それも十分ありそうな話です。
この夏のサイバーキャブ、果たして実現されるのでしょうか。