石破首相、ポケットマネーで購入「記録はない」 商品券の原資巡り

石破首相、ポケットマネーで購入「記録はない」 商品券の原資巡り

 石破茂首相の商品券配布問題を巡り、首相は21日の参院予算委員会で、商品券を私費で購入したと証明できる「記録はない」と述べた。使途が公開されない官房機密費を使った可能性は改めて否定したが「(原資は私費だとの)証明の仕方はどう考えても難しい」と言及。状況次第では、衆院政治倫理審査会での弁明を辞さない考えも示した。

 石破首相が衆院政倫審での弁明に応じれば、自民党派閥の裏金事件に絡み岸田文雄首相(当時)が弁明した2024年2月以来、2人目の現役首相の政倫審出席となる。

 首相は自民の衆院1期生15人に3日配った1人10万円分の商品券について、「私自身のポケットマネー(私費)で用意した」と説明してきた。この日の予算委では立憲民主党の杉尾秀哉氏が「官房機密費を使った疑いが出ている」として、商品券に関する支出を記した首相の銀行口座の記録や事務所の帳簿を見せるよう求めた。

 これに対し、首相は「ポケットマネーについて記録はない」と答弁。一方で「こういうこと(商品券配布)に官房機密費は使うものではない」と強調した。官房機密費の出納を管理する林芳正官房長官は、首相に商品券配布を進言したのか問われ「そのようなことはない」と否定した。

 日本維新の会の柴田巧氏は、野党が多数を占める衆院政倫審での弁明を要求。首相は「この場(予算委)で誠心誠意、真摯(しんし)に説明しているところだ。納得をいただけないならば、他の場所の機会が与えられれば(説明を)する」と述べた。

 また首相は、立憲の石川大我氏から歴代首相が自民議員に商品券を配っていたと聞いたことがあるか問われ、「(政界に)長くいると、そういう話もあるということは聞いている」と述べた。毎日新聞の取材では、岸田氏も首相在任中に10万円分の商品券を配った疑いが判明。第2次安倍晋三政権でも数十万円分の商品券が配られたとの証言が明らかになっている。

【石破首相商品券問題】「返却したのにまた届けられていて…」新人議員が支援者に送ったLINEから発覚…!石破首相は商品券を「2度渡していた」

猛バッシングを受け陳謝

永田町の常識は世間の非常識――。

石破茂首相が自民党1期生議員へ10万円の商品券を配布した問題を巡って、このフレーズがメディアで飛び交っている。だが、石破首相の「非常識」には、まだ「先」があったことが「現代ビジネス」の取材で明らかになった。

石破首相は3月3日夜、昨秋の衆院選で当選した新人議員15人を首相公邸に招いて懇談会を開いた。その当日の日中、石破首相の秘書が各新人議員の事務所を訪れて1人10万円分の商品券を渡していた、というのが今回の問題だ。

石破首相は発覚当初こそ、

「会食のお土産代わりにご家族への労いなどからポケットマネーで用意をした。政治資金制法上の問題はない」

などと強気の発言をしていた。しかし、「10万円は社会通念上土産として通用する話ではない」「世間の常識とあまりにかけ離れている」などの猛バッシングを受け、

「世の中の方々の感覚と乖離があったと痛切に思う。大変申し訳ない」

と、参議院予算員会で連日陳謝する事態に追い込まれている。

返却されたのにまた届けていた

反省にしているのであれば、事実はすべて詳らかにすべきだ。が、石破首相には未だ明かしていないことがある。

自民党関係者が証言する。

「実は石破首相は、新人議員から返却された商品券をもう一度届けていたんです。そして、それもすぐに返却されている。返却されたモノをもう一度届けるのは、永田町でも『非常識』ですよ。新人議員の一人は、支援者に対して経緯説明のLINEを送信しており、そこにはっきりと『(商品券が)また届けられた』と記載されています」

「現代ビジネス」は取材の過程で、そのLINEを確認。送信したのは、新人議員15人のうちの一人である山本大地衆院議員(33歳)だ。

山本議員が送ったLINEは以下の内容だ。

〈秘書より中身を確認するように言われて商品券と気付き、同期1人と相談した上で2人で石破事務所に返却に行きました。その後また届けられたらしいですが、それもすぐに返却した次第です。受け取ったと言うより置き銭をされたと言う方が正しい状況です。

(中略)決してプラスになりませんがやましい事はしていませんので皆様も周りの人に聞かれたら正しくお伝えください〉

時の総理から一方的に届けられた商品券の返却に、苦悩している様子が伝わってくる。「置き銭をされた」という言葉からは、怒りさえ感じられるほどだ。「ご家族への労い」どころか、議員本人に「かけなくてもいい気苦労」を石破首相はかけていたのである。

感覚がずれまくっている

経緯を知る自民党関係者が言う。

「商品券の再届けをされた議員が山本議員の他にいてもおかしくありません。ですが、自民党議員でいる以上、それを表立っていうことはできないのでしょう。2度目が石破首相の指示によるものかどうかわかりませんが、世間の感覚とどこまでずれまくっているのかと呆れました」

「現代ビジネス」は山本議員に取材を申し込んだが、期日までに回答はなかった(回答があり次第、追記する)。

3月3日に公邸で行われた新人議員との会食には、イノシシ肉のハンバーグ、ラムチョップ、カツカレーなどが出たという。「1人1万5000円の予算で、公邸の私的スペースを使い、飲食も含めポケットマネーから出した」と石破首相は野党の追及に答えているが、飲食代だけで約22万5000円、これに1人10万円分の商品券15人の約150万円が加わる。一見「太っ腹」を思わせるが、「官房機密費」から出ている疑惑も未だ消えてはいない。

「新人議員との会食は公邸で行われ、しかもそこには林芳正官房長官、橘慶一郎官房副長官、青木一彦副官房長官も同席していた。外形的には政治活動と判断されてもまったくおかしくありません。本人の『政治活動ではない』という答弁はどう考えても苦しい。それに巻き込まれた新人議員たちはたまったものではないでしょう。その渦中に、支援者に経過説明をした山本議員は、政治家として筋を通そうとしているようにもみえます」(全国」(全国紙政治部記者)

「40年近くこの場所にいると、感覚がずれてしまったことは事実だ」

これは、野党議員の追及に答えた石破首相の言葉だ。返却された商品券をもう一度届けていたことを見ると、その「感覚のずれ」はかなり大きそうだ。

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石破首相の「商品券プレゼント」は“合法だが不適切”? “法的問題”を元議員秘書の弁護士が解説

石破茂首相が首相公邸で自民党の衆議院議員1期生15人と会食した後、「お土産」として1人あたり10万円分の商品券を配ったことについて、「賛否」「適切・不適切」「適法・不適法」の問題がないまぜに論じられている。歴代の首相や野党にも飛び火し、収拾のメドは見えていない。

法的観点から、具体的にどの法律のどの条文への抵触が問題になるのか。国会議員秘書、市議会議員の経歴があり政治資金規正法・公職選挙法に詳しい三葛敦志(みかつら あつし)弁護士に聞いた。

政治資金規正法「寄附の禁止」に抵触するか?

まず、商品券を新人議員に渡す行為は、政治資金規正法が定める「政治家個人に対する寄附の禁止」にあたり違法なのか(同法21条の2第1項)。もし、これに抵触すれば、1年以下の禁錮または50万円以下の罰金に処せられる(同法26条1号)。なお、受け取った者にも同じ刑罰が適用される(同条3号)。

そこで、政治資金規正法21条の2第1項をみると、以下の通り定めている。

「何人も、公職の候補者の政治活動(選挙運動を除く。)に関して寄附(金銭等によるものに限るものとし、政治団体に対するものを除く。)をしてはならない」

商品券を手渡す行為が「金銭等による寄附」に該当すること、および、「選挙運動」のためでないことはいうまでもない。そこで、問題は、「政治活動に関して」行われたか、ということになる。

この点、石破首相からは「選挙戦の慰労」であり「政治活動に使ってもらう意図はない」との説明がなされている。

しかし、政党の党首(自民党総裁)でもある石破首相から衆議院議員に対する商品券の授受が「政治活動に使ってもらう意図はない」とするだけで許されるのか。

三葛弁護士:「公職選挙法、政治資金規正法でいう『政治活動』とは、『政治上の主義もしくは施策を推進し、支持し、もしくはこれに反対し、または公職の候補者を推薦し、支持し、もしくはこれに反対することを目的として行う直接間接の一切の行為』をさします(黒瀬敏文、笠置隆範「逐条解説 公職選挙法 改訂版」P1615参照)。

他方で、政治資金規正法の21条の2は、『選挙運動』に関する候補者個人に対する寄附は『選挙運動費用収支報告書』に計上することにより適法とされることを裏から定めた規定です。つまり、選挙運動以外の政治活動について、候補者個人への寄附は認められず、必ず政党または政治団体に寄附することとしているのです。

このロジックからすれば、議員の活動はおよそすべてが政治活動とも見られかねませんが、現実にはある程度の線引きがなされ、いわばプライベートな領域で完結する事項についてまでは政治活動に含まれないと考えられます。『この商品券は慰労の意味合いである』との説明はその観点からのものと見られます。

一方、仮に政治活動に該当すると判断された場合でも、10万円は一見大きな金額ですが、政治活動や選挙運動全体からしてみれば、それほどの額でもない社交儀礼の範囲とも言えます。なお、後で述べますが『適切』かどうかは別の問題です。

また、『商品券』は現金ではないため、それをそのまま政治活動に活用することが期待されているわけではないとも考えられます。

永田町の感覚では、これが現金だったとすると、あまりに生々しく、適法性に疑問符が付くことになります。

そうしますと、本件が客観的に直ちに政治資金規正法違反と断じることは難しく、石破首相の行為は、政治資金規正法の『寄附の禁止』に抵触するものではなく直ちに違法とまでは言えないという意味で、ひとまず『合法』ということになります」

“政党内部への法規制”は公権力による介入の口実を与えるおそれ

とはいえ、政治資金規正法の趣旨・目的は「政治活動が国民の不断の監視と批判の下に行われるようにするため、(中略)政治活動の公明と公正を確保」することにある(同法1条)。

また、これまでも「金権政治」「札束が飛び交った」などの表現にみられるように、政党内部の党首選挙や派閥争い等での「カネ」のやりとりは古来、半ば公然と行われてきていた。

そのような実情が「政治腐敗」「政治不信」につながっていることは否定できない。そう考えると、政治資金規正法上の「政治活動」を広く解し、政党内部での儀礼的な事柄もすべて「政治活動」に含まれ、それに伴う政治家個人に対する寄附も違法と解釈すべきではないのか。

三葛弁護士:「たしかに、政党内部でのカネのやりとりは、歴史的に腐敗の温床となりかねないものだったことは否定できません。

しかし、他方で政党、特に公権力と対峙する野党が歴史的にどのように扱われてきたのかを振り返ると、たとえ『カネ』のことであっても、公権力の介入の口実となりかねないため、刑事罰をもって禁止すべきではないという結論にならざるを得ません。

あくまでも、有権者の選挙での投票行動等の判断に委ねるべき問題だと考えられます」

そのような法解釈を導く「政党に関する歴史的経緯」とはどのようなものか。

三葛弁護士:「わが国での初期の政党は、政府による大規模な選挙干渉や厳しい弾圧を受けました。戦後に日本国憲法が施行されてからは、議会制民主主義の下で、政党は民意を国政へと媒介する不可欠な存在としてきわめて重要な地位を占めています。

しかし他方で、憲法は政党について定めておらず、法的地位は一般に考えられるほど強いものではないのです。

だからこそ、公権力が政党内部に介入することを許すと、政党の存立と自律性を脅かしかねず、議会制民主主義の根幹が破壊されるおそれがあります。

したがって、『政治家vs.有権者』の関係とは異なり、政党内部の問題については法律による規制ではなく、有権者の投票行動等を通じた政治的な判断に委ねるべきものと考えられるのです。大げさかもしれませんが、公権力による介入の口実となりかねない以上、慎重に考える必要があります。

ただし、その場合には、『カネのやりとりの透明化』という課題は残り続けます。特に党首選挙について、政党内部の選挙のため公職選挙法の対象にはならないとして、いわゆる選挙買収等は成立しないとされてきましたが、多額のカネのやり取りがある場合は、政治資金規正法において本来は透明化の対象になり得るはずです」

「合法だが不適切」…自民党が迎えた“修羅場”

以上を前提として、三葛弁護士は、今回問題になっている石破首相の行為について「合法だが不適切」と評する。

三葛弁護士:「石破首相が行ったような自民党内部での『商品券』のプレゼントは、前述のとおり政治資金規正法の『寄附の禁止』に抵触するものとは言いにくいものです。

そこで、あとは有権者がどう判断するか、ということになりますが、有権者にとっての『適切・不適切』のラインはそのときの経済及び社会状況等によって大きく異なり得るものです。

昨今は物価上昇が家計を直撃しており、特に日本人の食生活に最も重要な米の値段が昨年に比べ2倍になるなど急騰している中、『10万円は非常識』という道義的な怒りが爆発するのも無理はありません。

しかも、米価の高騰の原因がこれまでの政府の農業政策の失敗にあるとの指摘がされ始めており、石破首相は農水大臣経験者でいわゆる『農水族議員』としてその責任を問われやすい立場にあります。

それに加え、自民党は昨年の衆院選で『政治とカネ』の問題で大きく議席を減らしたばかりで、今回のようなことがあると、有権者からの目はより厳しくなります。

しかしながら、まだ『石破おろし』の動きが大きくなる状況にもないようです。石破首相のみならず、これまでも自民党で商品券等の『お土産』の慣習があったとの話も出てきており、『過去の問題を洗いざらい明らかにすべき』ということになりかねないからです。

野党も自民党内の“お家事情”としつつも、道義的責任とお金の流れの透明化を進めるという観点ですが、退陣論にはまだ慎重のように見受けられます」

石破首相のみならず、自民党全体にとっても、「修羅場」が訪れているといえそうだ。

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石破首相、商品券配布を改めて謝罪「自分を見失っていた」 会見で

石破茂首相は1日、2025年度当初予算が前日に成立したことを受けて首相官邸で記者会見した。自民党新人議員への商品券配布問題について、改めて謝罪した。内閣支持率は急落しており、予算が成立しても綱渡りの政権運営が続くことになる。

 石破茂首相は会見の冒頭、自らの商品券の配布問題について、「改めて深くおわびを申し上げる」と謝罪した。「自分を見失っていたところがあるかもしれない。その点は率直に受け止め、真摯(しんし)に反省する」と述べた。

 首相は3月3日、自民党の新人議員15人との懇談会に関連し、10万円の商品券を配布。与野党から批判を浴び、内閣支持率の低下を招いた。

 首相は「国民の皆様方の感覚からかけ離れたことは率直に認めなければならない」とし、「国民の皆様方の思いに真摯に向き合う決意を新たにした」とも述べた。

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