石破首相窮地、政局不透明に 商品券配布、苦しい釈明 野党、退陣要求のタイミング熟慮〔深層探訪〕

石破首相窮地、政局不透明に 商品券配布、苦しい釈明 野党、退陣要求のタイミング熟慮〔深層探訪〕

低空飛行を続けてきた石破茂首相が窮地に陥った。自民党内に商品券を配った問題は、売りだった「クリーン」のイメージを根底から揺さぶる。違法性を否定する説明は苦しさを拭えず、野党は国会で追及を強めつつ「退陣」要求のカードをいつ切るか見定める。参院選を前に、またも「政治とカネ」で揺れる与党側では首相の求心力が一気に低下し、政局は急速に不透明さを増してきた。

 ◇詭弁

 「身内を見て、国民を見る気持ちが欠けていた」。14日の参院予算委員会で常識外れの「土産」の妥当性を責め立てられた首相は、非を認めざるを得なかった。

 3日夜、首相公邸で開いた自民衆院1期生15人との会食に際し、首相は自ら指示して1人10万円分の商品券を配った。受け取った側はいぶかしみ、「珍しくて事務所に保管した」と明かす。

 13日昼には党執行部も事実関係を把握。ある幹部は「手の打ちようがなかった」とずさんな対応にあきれ顔を浮かべた。

 政治資金規正法は政治家個人の「政治活動」に対する金銭などの寄付を禁止しており、総務省は「商品券は金銭に含まれる」との見解を示す。ただ、首相は「苦労してきた本人、家族へのねぎらい」だと繰り返し、「政治活動」に当たらないとの立場だ。

 予算委で日本維新の会の柳ケ瀬裕文氏は「明らかな詭弁(きべん)」と批判。「首相として求心力を高めようということだ。政治活動以外の何物でもない」と切り捨てた。

 ◇悪習

 自民総裁選や国会対策を巡り不明朗な金銭授受があったとの証言は絶えない。ある閣僚経験者は「要人の会食に土産はつきもの。10万円くらいは普通だ」と、かつての「悪習」が形を変えて残ってきたと証言する。

 首相が「政治の師」と慕う田中角栄元首相は「金権政治」の代名詞的存在でもある。首相は3日の会食以外でも商品券を配ったと認めており、予算委では「両手で数えて足りるか足りないか」の回数だったと説明したが、額などはあいまいな言い回しに終始した。

 「らしくないことをした」。自民執行部の一人は天を仰いだ。

 ◇打算

 2025年度予算案の修正協議に応じてきた野党も、高額療養費制度見直しを巡る政権の迷走や企業・団体献金存続にこだわる自民の姿勢を見て、対決姿勢を徐々に強めつつあった。そこへ降ってきた首相自身の問題を受け、各党とも責任を厳しく問う構えだ。

 まずポイントになるのは予算審議の「出口」。政府は高額療養費見直し凍結を踏まえ、参院で予算案を再修正する方針だ。可決後、与党が過半数を割る衆院で改めて採決する必要がある。衆院で予算案に賛成した維新の前原誠司共同代表は「もらった方が買収されたと思っても仕方ない」と断じ、今後の対応を再検討する考えを示した。

 弱体化した石破政権を「生かさず殺さず」(野党筋)のまま、参院選に臨みたいとの打算も見え隠れする。立民のベテランは「首相が自民の『顔』のままがいい」と吐露。14日、首相の進退について問われた野田佳彦代表は「まだそこまでの話ではない」と慎重な物言いに終始した。内閣不信任決議案の提出時期も焦点となるが、立民中堅は「誰かがブレーキをかけている」と話し、幹部は様子見だと明かした。

 自民では既に、改選期の参院議員から首相の退陣論が公然と出ている。中堅議員の一人は14日、「支持率が落ちる。もう間違いなく戦えない」と悲鳴を上げた。

 昨秋の衆院選大敗後も首相が続投できたのは「ポスト石破」の不在も大きい。ただ、参院選を控えて自民内では旧派閥や首相経験者同士の会合の動きが活発化しつつあり、世論の推移次第で退陣論が一気に広がる可能性もある。森山裕幹事長は14日、麻生太郎元首相と党本部で会談した。

 01年の参院選を前に低支持率にあえぐ当時の森喜朗首相は退陣に追い込まれた。「あの時と重なって見えてきた」。自民関係者はこう話した。

石破首相 10万円商品券→全員に突き返され見解「そういう目で見られることをキッパリお断りされた」国会で説明 やましい金?に「間違っても私は」

 石破茂首相が3日に首相公邸で自民党衆院議員1期生15人を集めて会食した際、土産名目で1人当たり10万円分の商品券を配っていた問題について、14日の参院予算委で追及質問が相次いだ。

 首相公邸を使い、正副官房長官も同席していたが「政治活動ではない」と繰り返し、政治資金規正法が禁じている「政治活動に関する寄附」には当たらないと主張した。

 質問に立った森本真治議員は、「新人議員が総理大臣から直接贈りものをいただいたら、まさに政治的意義を感じる」と指摘する一方で、「なぜ全員が返品されたんですか?やましい、問題だと、受け取った皆さんが思ったからお返しになったのではないか?」と問うた。

 石破首相は、会食前に石破事務所のスタッフが届けた時に「これは石破からのお土産がわり、ということは申したと、報告は受けております」と説明。「これあげるから、石破の政治信条に共鳴して頑張ってねみたいなこと、間違っても私は申し上げませんし。それは1人1人の名誉と誇りにかけて、そういうことだと思っております」と語った。

 そのうえで「それぞれの方々がお返しになられたということは、いまご指摘のような、外形的にそういう目で見られるということ、それはキッパリとお断りしたいということではなかったかと思っております」と語った。

「逆ギレ」「小学生か」石破首相の記者ガン詰め TV放送され→ネットあ然 違法と言うなら第何条かと睨み迫り続け→「小学生の何時何分何秒?」と呆れも

 石破茂首相が、3日に公邸に自民党衆院議員1期生15人を集めて会食した際に、首相の事務所が土産名目で1人当たり10万円分の商品券を配っていた問題について、ポケットマネーによる私的会合だとし、政治資金規正法が禁じている「政治活動に関する寄附」には当たらない認識だと主張している。

 13日深夜に行った取材対応の様子が、14日のテレビ朝日「モーニングショー」などテレビ各局の番組でも放送された。

 深夜23時20分に異例の取材対応を行い、「政治資金規正法上の問題はない」と発言。追及を受けると、石破首相は「政治資金規正法、第何条のどの趣旨をおっしゃってますか?」と返し、しばらく待ち、再度「第何条のどの条文をおっしゃってますか?」と迫った。

 さらに「いま政治資金規正法上とおっしゃっていましたので、第何条のどこの条文かおっしゃっていただけますと正確にお答えできますが」と問い続けた。「どうぞおっしゃってください」とあきらめず、「あの法律上の解釈をおっしゃってますので」と詰め続けた。

 ただ「21条の2」と指摘されると、「これは政治活動ではございません。どこが政治活動とおっしゃっておられますでしょうか?」と反論した。

 ネットでは「解釈の話をおっしゃるなら条文を示せ(逆ギレ)」「10万商品券逆ギレ、全世界に晒される」「記者の質問に逆ギレ連発」「これで参院選は」「逆質問 逆ギレです 石破総理 怪しまれる事自体が」「小学生か!」「往生際が悪いぞ」「慇懃無礼に逆ギレ」「小学生の何時何分何秒」「小学生みたいなこと言い出した」との反応が相次いだ。

 「政治活動ではない」と主張したが、14日の参院予算委では、公邸で正副官房長官が参加し、受け取った新人議員が全員返却したとされる会合と金券について、追及が相次いだ。

石破首相10万円商品券→元自民衆院議員「野党全体も飛び交ってた」発言にスタジオ騒然「ビール券、スーツ仕立て券…」→「えぇっ?!」の嵐

元衆院議員の宮崎謙介氏が15日、ABCテレビ「教えて!ニュースライブ 正義のミカタ」に生出演。石破茂首相が党衆院1期生議員15人に10万円相当の商品券を配布した問題について、自身が国会議員だった時代は、自民、野党含め、商品券、ビール券などが「飛び交ってた」と爆弾発言。スタジオがザワつきまくった。

 宮崎氏は2016年2月に議員辞職し、自民党を離党した。

 番組では、東野幸治から今回の問題について、自身のケースを聞かれると「し…しょー………ひんけん…」と口ごもり、スタジオは爆笑。「こんな歯切れの悪い!」などと共演者から野次が飛んだ。

 詰め寄られた形となった宮崎氏は「正直な話言うと、商品券10万円というのは、国民の皆さんの感情からすると、『えっ?!高いな』と思われるかもしれませんが、私がやっていた10年前ぐらいの話ですが…」と切り出し、「普通に出回っている…というか、商品券だったり、ビール券だったり、スーツの仕立て券だったり…さまざまな形がありますが」と証言。スタジオは「え~っ?!」と驚きの声があがった。

 さらに「野党全体も、聞く話ですけれども、もう飛び交ってるんです、永田町」と発言。これには「えっ、そうなん?!」「えっ?!」「えっ?!」と衝撃の声が飛びかい、司会の東野幸治も「今、司会者として岐路に立ってます。踏み込んだ方が(いいのか)…」と苦笑い。宮崎氏は「僕の感覚では飛び交ってました」と重ねて話した。

「第何条のどの部分?」記者に逆質問の場面も “商品券配布問題”めぐる石破総理のコメントをノーカット掲載 「法的に問題ない」と主張(2025年3月13日)

石破総理が15議員に商品券 10万円分「ポケットマネー」 政治資金規正法に抵触の恐れ【知ってもっと】【グッド!モーニング】(2025年3月14日)

10万円商品券配布問題 石破総理「理解得られたと思わず」【スーパーJチャンネル】(2025年3月15日)

10万円商品券配布した石破総理「個人的ねぎらい」と釈明 自民党内から退陣論も【知ってもっと】【グッド!モーニング】(2025年3月15日)

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深夜の釈明「会食のおみやげに…」石破総理“10万円商品券”配布問題 違法性は?【報道ステーション】(2025年3月14日)

石破総理から商品券届いた議員「見ずに返した 頂き物そぐわない」野党は批判強める 河村たかし議員「普通は辞めないかんわな」

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「石破総理は辞めるべきです」身内からも公然と上がる退陣の声!さらに石破事務所秘書を退職に追いやった「ヤバすぎる疑惑」が発覚

「今の体制では参院選を戦えない。党総裁選を実施し、新たなリーダーを選び直さないといけない」3月12日の自民党の参院議員総会でこう訴えたのは、同党の西田昌司参院議員。身内から公然と退陣の声が上がる中、石破総理の足元には政権を燃やし尽くしかねない火種が燻っていた。

石破総理が道化を演じてまで万博のPRに励んだワケ

「歓声というより、戸惑いがぁ~!」

人気お笑いコンビ・EXITの兼近大樹が叫んだのは、3月1日に開催されたファッションイベント「東京ガールズコレクション」(TGC)でのこと。サプライズゲストとして登場したのが、あまりに場違いな人物だったからだ。

「(大阪)関西万博公式キャラクターのミャクミャクです。私は付添人の内閣総理大臣、石破茂でございます」

石破総理がおしゃれなデニム姿で登場すると、会場には微妙な空気が漂った。一国の総理が道化を演じてまで万博のPRに励んだワケは何か。

「教育無償化を巡る修正協議で合意し、予算案に協力してくれた日本維新の会に恩義を返すためです。万博はチケット販売が伸び悩むなど課題山積。失敗すれば、旗振り役の維新の党勢は低下する。そこで石破総理が一肌脱いだのです」(全国紙政治部記者)

国民民主党「脅威の1800人リスト」

維新の賛成を得て、新年度予算案は3月4日に衆議院を無事通過した。憲法の規定により遅くとも4月2日の成立が確実に。難局を乗り切った石破総理だが、維新と安易に手を握った代償は大きい。党内からも反発の声が噴出する。

「熟議が必要と言うのに、党内論議をロクにしないで決めた。大阪では府の負担で高校無償化をすでに独自に導入している。その財源を今後は国が負担することになり、府の財政負担は'25~'26年度に約290億円軽減される見込みです。維新が一番得をする結果で、まるでカツアゲですよ」(自民党大阪府連支部長)

一方、所得課税の最低ラインの178万円までの引き上げを巡り、合意に至らなかった国民民主党は対決姿勢を強める。同党幹部が言う。

「政府案の減税効果は年2万円程度で、働き控え対策にもなっておらず骨抜き。総理に手取りを増やす気がないことがハッキリしたので、今後は正面切って戦えます。選挙に向けて、我が党には1800人の候補者リストがある」

結局、維新には足元を見られ、国民民主を勢いづかせる始末に。自民党の西田昌司参院議員(66歳)はこう喝破する。

「ここで一区切りつけないと、参院選は本当にボロ負けしますよ。予算が成立したら、石破総理は辞めるべきです」

古参の自民党関係者からは、こんな声も漏れはじめた。

「一つ間違えれば、あの時みたいになるな……」

石破政権を崩壊させかねない「裏金疑惑」

あの時とは、'01年春。当時の森喜朗政権は支持率低迷に喘ぎ、夏には今年と同じく都議選と参院選が控えていた。このままでは大敗間違いなしという中、森総理は予算成立を花道に退陣したのだった。

とはいえ、当時の森政権は支持率1ケタ台。実習船「えひめ丸」の事故の報告が入った後もゴルフを続ける姿が報道され、退陣論が相次いだ。石破政権は3~4割の支持率を維持し、状況は異なる。

しかし―。なり行き次第では、石破政権を崩壊させかねない火種が存在するのだ。

「しんぶん赤旗日曜版が昨年10月に報じた、石破総理が代表の政治団体・水月会(旧石破派)を巡る「裏金疑惑」です。'19~'21年に派閥パーティにおいて健康保険政治連盟から138万円の収入を受けていたのに、そのうち80万円分が不記載だった」(検察関係者)

この報道後、神戸学院大の上脇博之教授が石破総理ら旧石破派関係者を東京地検特捜部に刑事告発していたが、今回、新事実が判明した。

「昨年12月26日付で、石破総理と事務担当者の吉村秘書官は『嫌疑なし』で不起訴に。ところが、石破事務所に20年以上勤務していた会計責任者のA秘書らは、同じ不起訴でも『嫌疑不十分』。あくまで一般論ですが、全くのシロとは言えない」(前出・検察関係者)

A氏は今年1月に突如、石破事務所を退職した。検察の捜査が影響したのだろうか。石破事務所に尋ねたが、期日までに回答はなかった。

石破総理は、野党が求める安倍派幹部らの再調査にも否定的だ。自分の派閥の不記載問題を蒸し返されたくないという思いもあるのではないか。

4月4日、石破退陣!そしてあの「若き自民党のホープ」が新総裁に…衆参ダブル選で永田町をぶっ壊す!

「今の体制では参院選を戦えない。党総裁選を実施し、新たなリーダーを選び直さないといけない」

3月12日の自民党の参院議員総会でこう訴えたのは、同党の西田昌司参院議員。身内から公然と退陣の声が上がる中、石破総理の足元には政権を燃やし尽くしかねない火種が燻っていた。

あの自民党の若きホープが新総裁に!

旧石破派の裏金問題が再燃するなどして、3月中に支持率がガクッと下がるような事態に陥れば、「石破おろし」は加速する。総理は常々「政権は長きが故に尊からず」と語ってきたが、「衆院選も参院選も大敗した最悪の総理」との汚名を被るくらいなら潔く辞任を選ぶだろう。

歴史に倣えば、森総理は予算成立後、4月第一週の金曜日に辞任を表明した。同じルートを歩むならば今年は4月4日。不吉な「4」が並ぶ日に、総理の命運が尽きかねないのだ。では次のリーダーは誰か。森退陣後の前倒しされた総裁選で選出されたのは、小泉純一郎氏だった。

「選挙前に求められるのは、刷新感のある強いリーダー。意欲充分なのは「コバホーク」こと小林鷹之元経済安保相(50歳)です。維新との合意に『強い危機感がある』と異を唱えています。昨年12月に立ち上げた政策勉強会には、常時30~40名ほどが参加し、仲間も増加中。本人も『総裁選があれば次も必ず出る』と。

今のように衆院が少数与党での政権運営は野党への譲歩を重ねざるを得ず、打開するには新総裁のもとでの衆参ダブル選しかないとの声も高まりつつある」(政治部デスク)

「毎日、頭が痛む。やっとれん……」

当の石破総理も、危機感をひしひしと感じている。

「毎日、頭が痛むわ、大変だわ。やっとれんのですよ……」

3月1日の夜、高級中華料理店「維新號」。ボヤく総理と向き合うのは「政界の顔役」笹川堯元総務会長(89歳)だ。過去5回の総裁選を一貫して支えた身内中の身内である。

「君はよくやってるよ。やっぱりその頑張ることが必要なんだ。永続的にね」

暖かい励ましの言葉に、やや表情を緩ませた石破総理。だが明日を思うとやはりため息が……。引きずり降ろされる日は刻一刻と近づいている。

石破10万円問題はこうしてリークされた…もらった議員、反石破議員が次々と明かした「石破おろし」全舞台裏

「もらったお金はまだ机に入っています」

石破茂首相が首相公邸で開催した、自民党の当選1回の新人議員との会食で、1人10万円の商品券を手渡していたことがわかった。3月3日の会食の日、石破首相の秘書は会食前に、15人の新人議員の事務所を訪れて「お土産代わり」として手渡したといい、総額は150万円に及ぶ。石破首相本人にかかわる 政治とカネのスキャンダルだ。

この会食に出席した新人議員の一人、Aさんが「現代ビジネス」にこう証言する。

「石破首相の秘書が急にお見えになられて『総理からのお土産です』と百貨店の袋から取り出して、手渡されました。中身を見ると分厚いもので、確認したら商品券でしたので、正直、いいのかな?と思った。

他の新人議員に連絡を取ると『自分のところもきた。どうしよう』と困惑していた。とりあえず、事務所の鍵のかかる机に入れています。政治とカネが注目される中で、どう対応していいかわからない……」

3月13日、石破首相の商品券10万円で初報を打ったのは、朝日新聞だった。午後8時42分に《石破首相側が15人に議員側に商品券配布 10万円ずつか、複数証言》とフラッシュで速報。その後、他のメディアも相次いで、報じる中で、石破首相は急遽、深夜11時20分から取材に応じざるを得ない状況に追い込まれた。

「3月3日、自民党所属の当選1回の衆議院議員15名、会食。それに先立ち、出席議員の事務所に商品券をお届けいたしました。会食のお土産としてご家族への労いなどから、私自身の私費、ポケットマネーで用意をしたものでございます。これは法律に抵触するものではございません」

と火消しに走った。記者から政治資金規正法に触れることはないのかと質問が出ると、石破首相は「政治資金規正法第何条のどの趣旨をおっしゃっておられますか。第何条のどの条文をおっしゃっておられますか」と記者に質問を繰り返した。

「21条の2項に抵触するのでは?」とさらに聞かれると「ですので、そこのどこの部分ですか?」と再度、記者に確認。

「21条2項、政治活動ではないか?」と聞かれると「政治活動ではございません。どこが政治活動というのをおっしゃっておられますか」と反論。いらだっているのが明らかだった。

政治資金規正法21条の2項は《公職の候補者の政治活動に関する寄附の禁止》として、政治活動の寄附を禁じている。政治資金に詳しい神戸学院大学の上脇博之教授はこう語る。

「石破首相がポケットマネー、政治活動ではないと強調したのは政治資金規正法21条の2項を念頭に置いて危ないと感じたからでしょう。しかし、そこを強調すればするほど、政治活動に見えますよ。公邸で官房長官らも参加しているのですから、政治活動、政治資金規正法に触れるのではないかと感じます」

「私自身もテレビ局に教えた」

「安倍派、二階派、岸田派などから政治とカネがの問題が噴出するなか、昨年9月の総裁選で石破首相が選出された理由は、かなり前の派閥を解消し、カネにクリーンという点が大きく評価されたからでした。

しかし、今回の商品券10万円を15人に渡した問題が発覚しました。合計150万円というのは、今の政治情勢から鑑みれば突出した金額。大きなイメージダウンはすぐに政局に直結してもおかしくない」

こう話すのは、石破首相と付き合いも長い、政治評論家の田村重信氏だ。

なぜ、今回、朝日新聞がいち早くスクープすることができたのか。会食があったのは3月3日と10日以上も前のことである。

自民党の安倍派の国会議員、B氏はこう明かす。

「3月5日頃だったと思うが『石破首相が手土産だと商品券10万円をくれた』と新人議員が言っていた。本当かなあと訝しんでいたら、そんな新人議員が他に何人もいるという噂が党内で広がりつつあった。

私自身も当選1回の時に、官邸で食事会があって確か20万円か30万円くらいの商品券か、それに類するものを頂戴した経験があるから本当だと思った。

そんな中、『反石破』の複数の議員がその情報を記者にささやき、朝日新聞や他のメディアも取材をはじめた。私もテレビ局にもこんな情報があるよと教えたよ。

メディアのなかで、最初に事実関係を詰められたのは、朝日新聞だったということ。石破首相にすれば身内から刺されたってことだね」

このB氏は最後にこう言った。

「これで党内政局は一気に加速する。つまり石破おろしですよ」

今年は夏に参議院選挙、6月には東京都議選と大型選挙が待ち受けている。党内では、低迷する支持率、人気のなさに石破首相では選挙の顔にならないと「首相退陣論」が水面下で渦巻いている。

3月12日、自民党の参議院総会で、西田昌司参議院議員は

「今の体制では、参議院選挙戦えない。早く総裁選をやって、新たなリーダーを選び直す必要がある」「みんな石破首相を交代させなきゃと思っている」

と石破首相に退陣を突き付けた。

やぶれかぶれ解散

自民党の大臣経験者、C氏は

「ただでさえ、あちこちで石破おろしの火だねがある。そこに15万円の商品券の問題で、石破首相自身が、火をつけてしまった。長期政権は、もはや難しくなった。

こうなった以上、次の総裁として選挙に勝てる顔を選ぶべきだ。ただ、石破首相もせっかくつかみ取った首相の座は離したくない。

怖いのは、石破首相がやぶれかぶれで、ゴールデンウイーク直後あたりに解散総選挙に打って出ること。ここで惨敗すれば、政権交代になりかねない。当然、都議選や参議院選挙でも勝てないだろうから、自民党がボロボロになってしまいかねない」

一方で、立憲民主党の幹部はこう言う。

「すでに衆議院は少数与党に追い込んでいる。今回の商品券事件で、維新も国民民主党もとても、自民党に同調はしないはず。そうなれば、内閣不信任案を出して多数をとることができる。

衆参ダブルより、先に解散総選挙が来るのではないか。石破首相がこんな形で自ら、こけてくれるなんて、野党にとってはラッキーな展開だ」

土俵際に追い込まれつつある石破首相。前出のB氏は意気軒昂にこう語る。

「政治資金ではない、私費でやったので悪くないで押し通せると踏んで、深夜の記者会見に臨んだ。しかし『オレは悪くない』という態度がよけいに反感を呼んでいる。

もう石破首相ではダメだ。安倍派も裏金事件ではみそぎが終わっている。自分でやめないなら、自民党としては不信任で負けるのは恰好悪いでしょうから、こちらがおろすしかない。派閥がなくなっても結束はまだまだかたいものがある。これまで石破首相にやられた分を倍返ししてやりたよ」

田村氏もこう続ける。

「記者会見を見た印象だが、私費だからいいだろうという感じにとらえた国民が多いんじゃないか。この物価高、賃金は上がらない中で、石破首相の口ぶりから『たった1人10万円』『過去にも配布した』とも話した。あまりに国民感情からは離れており、石破首相らしくない言葉でブーメランとして返ってきそうな気配です。これまで自民党の中では『良心』というイメージだったのに…」

10万円事件で、一気に政局は流動化しかねない。

石破内閣の支持率、発足以降最低31%…読売世論調査

読売新聞社が14~16日に実施した全国世論調査で、石破内閣の支持率は、昨年10月の内閣発足以降最低の31%となり、前回調査(2月14~16日)の39%から8ポイント下落した。不支持率は58%で、前回の43%より15ポイント上昇した。

 石破首相が医療費が高額になった場合に患者負担を抑える「高額療養費制度」の自己負担上限額引き上げを見送ったことについて、「評価する」は61%で、「評価しない」は31%だった。政府の一連の対応を「評価する」とした人は47%で、「評価しない」の45%と拮抗(きっこう)した。

 政党支持率は自民党が26%(前回26%)、国民民主党が12%(同8%)、立憲民主党が6%(同8%)、日本維新の会が3%(同3%)、れいわ新選組が3%(同4%)、公明党が2%(同3%)、共産党が1%(同2%)、日本保守党が1%(同0%)などの順。無党派層は40%(同39%)だった。

立民・野田氏、早期幕引きけん制 商品券配布「徹底して説明を」

 立憲民主党の野田佳彦代表は16日、青森市内で講演し、石破茂首相が自民党衆院1期生との会食に際して10万円分の商品券を配った問題を巡り、首相が説明責任を果たさないまま退陣して幕引きを図るのは認めないとの考えを示した。「徹底して説明を求める。内閣不信任決議案提出や退陣を求める声があるが、私は簡単に求めない」と述べた。国会の政治倫理審査会への出席も要求した。

 立民内には商品券問題を巡る世論の反応を見極めるべきだとの意見が根強い。夏の参院選では石破政権と戦った方が有利との声もある。野田氏の発言には、自民内の首相退陣論をけん制し、参院選で「政治とカネ」問題を争点に据える狙いがありそうだ。

 野田氏は首相退陣を求める自民内の声に触れ「トップを早く代えて清新なイメージで参院選に臨みたい、衆院を解散したいということだろうが、そうは問屋が卸さない」と強調した。

 政治資金規正法は、個人が公職の候補者の政治活動に関して寄付をしてはならないと規定。首相は1期生との会食が政治活動に該当しないとしている。

商品券配布「歴代首相の慣例」 自民鳥取、舞立昇治参院議員

 自民党の舞立昇治参院議員は16日、石破茂首相による商品券配布を巡り「歴代の首相が慣例として普通にやっていたこと」だと述べた。夏の参院選対応を協議するため、鳥取市で開かれた党会合のあいさつで発言した。舞立氏は鳥取県連所属で、会長は首相が務めている。

 「想像以上にお騒がせしている」点をおわびしつつ、慣例と言及した上で「ここまで問題になるというところは、現代の情勢なり、物価高の厳しい状況の中で一般常識と懸け離れているという指摘については真摯に受け止めないといけない」と語った。法的な問題はないとする一方、道義的問題は「言い返せない」とも話した。

 県連の斉木正一幹事長は会合後、商品券について「考えられない感覚だ」と記者団に述べた。

 舞立氏は合区の「鳥取・島根」選挙区選出。夏は比例代表で優先的に当選する「特定枠」での擁立が決まっている。

野党、商品券は「規正法に抵触」 与党は首相に説明責任要請

 与野党は16日のNHK番組で、石破茂首相による自民党衆院1期生への10万円分の商品券配布問題を巡って討論した。野党は商品券配布の目的が「慰労目的だった」とする首相の主張を疑問視。政治活動に当たると批判し、政治資金規正法に抵触する疑いがあると追及した。与党側は、首相に対し引き続き説明責任を果たすよう求めた。

 立憲民主党の水岡俊一参院議員会長は「首相は政治活動ではないと強弁しているが、開き直りだ」と指摘。1期生との会食に公邸を利用し、正副官房長官が同席した点を踏まえ「『政治活動の寄付ではない』と言うのは極めて難しい。規正法抵触の可能性が大きい」と言及した。

 日本維新の会の浅田均参院会長も「どう見ても政治活動だ。政治活動でないと言うならば、雑所得として確定申告するよう指示したのかどうか調べたい」と語った。国民民主党の川合孝典幹事長代行は「国会を混乱させ、国民に疑念を生じさせた事実は消えない」と非難した。

 自民党の武見敬三参院議員会長は「説明責任を果たしてもらうことが必要だ」と強調した。

石破首相の商品券配布「問題だ」78% 毎日新聞世論調査

 毎日新聞は15、16の両日、全国世論調査を実施した。石破茂首相の事務所が当選1回の自民党衆院議員15人に1人10万円分の商品券を配っていた問題を尋ねたところ、「問題だと思う」が78%に上り、「問題とは思わない」(12%)を大きく上回った。「わからない」は10%だった。

 石破首相は今月3日、首相公邸で、2024年10月の衆院選で初当選した自民党議員15人と会食。関係者によると、その会食に先立ち、首相事務所が15人の各事務所に商品券を配った。事後に大半が商品券を返却したという。会食には、官房長官、副官房長官2人も出席。費用は「ポケットマネー」(首相)で用意したという。石破首相は「会食のお土産代わり、ご家族へのねぎらいの観点から用意した」と釈明。政治資金規正法が禁止している、個人が政治家個人の政治活動に関して金銭等を寄付する行為には当たらないとしている。

 調査は、スマートフォンを対象とした調査方式「dサーベイ」で実施した。NTTドコモのdポイントクラブ会員を対象としたアンケートサービスを使用し、全国の18歳以上約7000万人から調査対象者を無作為に抽出。2047人から有効回答を得た。

野党、商品券は「規正法に抵触」 与党は首相に説明責任要請

与野党は16日のNHK番組で、石破茂首相による自民党衆院1期生への10万円分の商品券配布問題を巡って討論した。野党は商品券配布の目的が「慰労目的だった」とする首相の主張を疑問視。政治活動に当たると批判し、政治資金規正法に抵触する疑いがあると追及した。与党側は、首相に対し引き続き説明責任を果たすよう求めた。

 立憲民主党の水岡俊一参院議員会長は「首相は政治活動ではないと強弁しているが、開き直りだ」と指摘。1期生との会食に公邸を利用し、正副官房長官が同席した点を踏まえ「『政治活動の寄付ではない』と言うのは極めて難しい。規正法抵触の可能性が大きい」と言及した。

 日本維新の会の浅田均参院会長も「どう見ても政治活動だ。政治活動でないと言うならば、雑所得として確定申告するよう指示したのかどうか調べたい」と語った。国民民主党の川合孝典幹事長代行は「国会を混乱させ、国民に疑念を生じさせた事実は消えない」と非難した。

 自民党の武見敬三参院議員会長は「説明責任を果たしてもらうことが必要だ」と強調した。

石破首相「歴代首相が配布どうか、全て存じない」 商品券巡り答弁

 石破茂首相は17日の参院予算委員会で、自民党1期生への商品券配布を巡り「法的に正しいと言っても、道義的にどうなんだい、社会通念上どうなんだいというのはあると痛切に認識をしている。世の中の方々の感覚と乖離(かいり)をした部分が大きくあった。大変申し訳ない」と改めて陳謝した。立憲民主党の石垣のりこ参院議員への答弁。

 自民の舞立昇治参院議員が16日の党会合で「歴代の首相が慣例として普通にやっていたこと」だと述べたことを巡っては「歴代首相がそうであったかどうか私は全て存じない。お答えする立場にない」とかわした。

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