エレコムが発表、世界初のナトリウムイオンモバイルバッテリ。従来より長寿命で安全

エレコムが発表、「世界初」のモバイルバッテリーは何が違うのか

と、突如トンデモねえヤツが出てきました。

僕らの生活の必需品とも言えるモバイルバッテリー。スマホの普及とともにニーズも上昇し、昨今では誰もがひとつは持っているガジェットですよね。

そんなモバイルバッテリーの歴史に事件です。

エレコムが世界初となる「ナトリウムイオンモバイルバッテリー」を発表したのです。

不安定なリチウムイオンから、安全なナトリウムイオンへ

現状普及しているモバイルバッテリーの多くは「リチウムイオン電池」という電池を利用しています。

小型で軽量で、エネルギー量が多いので携帯向けに適した電池なのですが、衝撃や高温・低温に弱く、たびたび発火事故が起こりニュースになりますよね。

繰り返し使える充電回数(サイクル寿命)も500回前後と寿命もやや短め。1年くらい毎日使うと明らかに容量が減ってきます。

これらの弱点を見直したのが今回のモバイルバッテリーに採用された「ナトリウムイオン電池」。特徴をざっとまとめますと…

・発火しにくい高い安全性

・50度〜─35度まで使える広い対応温度

・約5,000回、リチウムイオン電池の10倍のサイクル寿命

・レアメタルを使わない低環境負荷

・重量はリチウムイオン電池よりちょっと重め

となっています。最もわかりやすい利点が安全性。

リチウムイオン電池とナトリウムイオン電池、それぞれに針をぶっ刺す実験では、リチウムイオン電池が爆発していたのに対して、ナトリウムイオン電池は変化なし。

こんな危険な使い方はしないと思いますが、日々持ち歩くものですから、安全性が高いに越したことはありません。

また、リチウムイオン電池ではリチウムやコバルトといったレアメタルが使われているのに対して、ナトリウムイオン電池は海水や地殻に大量に存在するナトリウムを素材としているので、供給へのリスクが低いというのも長期的に見て良いポイントかなと。

価格は9,980円、毎日使っても13年使える

この世界初の「ナトリウムイオンモバイルバッテリー」。

容量は9,000mAhで、出力は最大45W。価格は直販サイトでは9,980円となります。

容量・出力を考えると一般的なモバイルバッテリーよりも高めですが、サイクル寿命の長さは10倍。毎日使っても13年使えるとされているので、長い目で見るとお得ですね。

雪山・砂漠など過酷な環境でも利用できるので、アウトドア用にもアリですね。

1つ課題があるとしたら、サイズでしょうか…?

リチウムイオン電池よりもエネルギー密度が低いので、若干大きく・重め。重量は約350gと、同容量のリチウムイオン電池の1.5倍ほどありますので、そこだけ注意かなぁ。

でも、ちょっと荷物が重くなっても、安全で幅広い環境で使える。だったら、選ぶ理由になると思うのです。

エレコム、世界初のナトリウムイオンモバイルバッテリ。従来より長寿命で安全

 エレコムは13日、世界初のナトリウムイオンモバイルバッテリとして、本体カラーがブラックの「DE-C55L-9000BK」およびライトグレーの「DE-C55L-9000LGY」を発表した。3月中旬に発売し、価格は9,980円。エレコムダイレクトショップにて予約受け付けを開始しており、100個限定で10%オフの8,980円で入手できる。

 量産化に成功したばかりの新しい電池であるナトリウムイオン電池を採用した世界初のモバイルバッテリ。従来のモバイルバッテリと比べて長寿命かつ、マイナス環境下でもデバイス充電が可能となっている。

 容量は9,000mAhで、USB Type-CポートとType-Aポートを1基ずつ備える。USB Type-Cポートは45W出力および30W入力に対応し、USB PDやPPSをサポートする。USB Type-Aポートは18W出力で、2ポート使用時の合計最大出力は20W。

 USB Type-Aポートは低電流モードや、接続機器ごとに自動で出力を最適化する「おまかせ充電」を備えるほか、本体とデバイスをまとめて充電できる機能も装備する。本体サイズは約87×31×106mm、重量は約350g。

■ 本製品は安全で環境に優しく、どこでも使えて、長寿命

 本製品の報道者向け発表会では、開発担当者である同社 商品開発部 コンダクションデバイス課の田邉 明寛氏が登壇し、本製品の特徴や開発経緯などを話した。

 エレコムは、2021年からリチウムイオン、2022年からリン酸鉄リチウムイオンを採用したモバイルバッテリを展開している。2023年には学校向けモデルなども発売し、同社は2015年から11年連続でモバイルバッテリの国内販売数1位を獲得している。

 同社はモバイルバッテリのリーダー企業として、モバイルバッテリが抱える課題である、発火事故の増加や、リチウムイオン電池による環境汚染および労働環境問題を解決すべく、ナトリウムイオンモバイルバッテリを開発したという。

 ナトリウムイオンモバイルバッテリは、高い安全性、環境や人に優しい、広範な温度対応、長寿命の4つの特徴を備える。安全性の面では、従来のリチウムイオン電池に比べて熱暴走が発生しにくく、釘を刺しても発火しにくい構造となっている。

 環境面では、コバルトやリチウムといったレアメタルを使用せず、持続可能な資源利用に貢献するとともに、人体や環境への影響を抑えている。また、-35℃から50℃までの幅広い温度環境に対応しており、極寒地や砂漠でも充電を可能とする。

 そして、本製品の電池は、一般的なリチウムイオン電池の約10倍となる5,000回の充放電サイクルを単体で実現し、毎日使用しても約13年使用できるという。

 一方で、ナトリウムイオン電池の特性上、従来のモバイルバッテリよりサイズが大きく重量がある点や、電池の普及が進んでいないことによる価格の高さが課題となっている。それでも、長期的な利用や環境負荷の低減を考慮すると、今後の普及が期待される製品といえる。

 本製品に使用されているナトリウムイオン電池は、現時点では法律が追い付いておらずPSE(電気用品安全法)の対象外となっている。しかし、同社ではPSE取得時と同等のテストを実施しており、安全性に配慮した設計がなされている。

 回収方法についても現状ではJBRCの対象外となっており、家電量販店などで設置されている電池回収BOXに対応していない。廃棄の際は、地方自治体に問い合わせる、同社のサポートセンターに連絡する、またはエレコムデザインショップに直接持参する方法がある。

 環境負荷の低減を重視して開発されている本製品は、その一環として筐体に再生プラスチックを採用している。パッケージはすべて紙製で、プラスチックを一切使用しない仕様とすることで、廃棄時の環境負荷も抑えている。

 同社は、今後のモバイルバッテリ市場において、ナトリウムイオン電池をはじめとする次世代電池の採用を拡大し、従来のリチウムイオン電池に代わるモデルを増やしていく方針だ。最終的には、全固体電池を搭載したモバイルバッテリの実用化を目標としている。ナトリウムイオンモバイルバッテリについては、さらなる小型軽量化を進め、携帯性の向上を図るという。

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