日産、内田社長が退任
日産自動車 <7201> は11日、内田誠社長(58)が3月31日付で退任し、後任に商品企画の責任者イバン・エスピノーサ氏(46)が4月1日付で昇格する人事を発表した。内田氏に対しては、ホンダ <7267> との経営統合協議を巡って混乱を招いた責任を問う声が社内で上がっていた。業績が急激に悪化した日産は新体制の下で混乱を収拾し、経営の立て直しを目指す。
日産社長「再スタートが最善」
日産自動車 <7201> の内田誠社長は11日の記者会見で、自身の退任について「新しい経営体制で一日も早く再スタートを切ることが最善だと判断した」と述べた。
日産自動車 <7201> は11日、内田誠社長が4月1日付で退任すると発表した。後任にはチーフプランニングオフィサーのイヴァン・エスピノーサ氏が就任する。同社は午後6時半から内田氏が出席してオンライン記者会見を開く。
退任決まった日産内田社長が会見『社外だけでなく社内からも経営責任問う声あった』
3月末に退任することが決まった日産自動車の内田社長が記者会見し、従業員の一部からも経営責任を問う声があがっていたことを明らかにしました。
日産自動車 内田誠社長「私に対する経営責任を問う声が社外だけでなく弊社の従業員からも出てくるようになりました。新しい経営体制に移行し1日も早く再スタートを切ることが会社にとって最善と私自身も判断しました」。
日産は、今年度の決算で800億円の最終赤字となる見通しで、ホンダとの経営統合協議も先月、破談となっています。
内田社長は、「いまの状況でバトンを渡すことは、じくじたる思い」とした上で、「日産を再び成長軌道に戻してほしい」と述べました。
新社長に就任するイヴァン・エスピノーサ氏は、「安定性と成長を取り戻していきたい」と意気込みを話しました。
また、会見では、内田社長以外の経営陣にも責任を問う声が相次ぎましたが、取締役12人のうち、独立社外取締役の8人は留任するということです。
取締役会議長の木村氏は、「責任の重大さを全員認識している」とし、「新体制をしっかり構築することが責任」と説明しました。
日産は、内田社長のほか、坂本副社長らあわせて5人が退任すると発表しています。
日産との提携継続「確信」 社長人事受け 仏ルノー
フランス自動車大手ルノーは11日、提携関係にある日産自動車のトップ人事発表を受け、エスピノーサ次期社長が「両社の間に近年築かれた関係の継続を望むと確信している」とのコメントを出した。
ルノーは、退任する内田誠日産社長が提携事業を推進してきたとして、敬意を表明。「業績改善計画を実行・達成する日産の意向」を歓迎した。
日産自動車内田社長退任 新社長にエスピノーサ氏就任へ
日産自動車は11日、取締役会を開き、内田誠社長が退任し、4月1日付けで後任の社長にイヴァン・エスピノーサ氏が就任すると発表しました。
日産自動車内田社長「新しい経営体制に移行し1日も早く再スタートを切ることが会社にとって最善とわたし自身も判断した」
内田社長は2019年12月に社長就任。 ゴーン元会長時代の拡大路線から転換し業績回復に取り組んできました。
しかし、日産は今年度、800億円の最終赤字が見込まれる業績不審に陥ったほかホンダとの経営統合の検討がおよそ1カ月半で撤回されたことなどから内田社長の経営責任が問われていました。
新社長に就任するイヴァン・エスピノーサ氏は2018年から商品企画を担当する役員を務め、「日産にはまだまだ潜在力がある」などと意気込みを語りました。
日産の新たな経営体制、役員数を大幅にスリム化 開発トップは赤石永一氏 生産は平田禎治氏
日産自動車が新しい経営体制を固めた。執行の中核を担うエグゼクティブ・コミッティ(EC)は、社長に就くイヴァン・エスピノーサ氏を筆頭に、開発担当トップに就く赤石永一氏や生産トップに就く平田禎治氏らで脇を固める。同時に役員の数を大幅に減らし、スリム化した経営体制で早期の再建を目指す。
日産の新たな経営陣を見る
新体制では、現在11人いるECメンバーを8人に減らす。内田誠社長、坂本秀行副社長、中畔邦雄副社長、星野朝子副社長、経営企画担当の渡部英朗氏が退任。代わりに赤石氏と平田氏が加わる。
赤石氏は、北米日産の車両開発統括やEV開発担当役員などを経て、現在は三菱自動車との軽合弁会社NMKVのトップを担当。平田氏は生産技術畑が長く、直近では日産の次世代生産技術「ニッサンインテリジェントファクトリー」の開発などを指揮してきた。
このほか、最高財務責任者(CFO)のジェレミー・パパン氏、中国担当のスティーブン・マー氏、品質担当の安徳光郎氏、人事担当の井原徹氏の計8人でECを構成する。
ECメンバー以外の役員は、日本・アセアンマネジメントコミッティ議長の山﨑庄平氏、アメリカズマネジメントコミッティ議長のクリスチャン・ムニエ氏、トータルデリバリーコスト担当の富田達三氏、戦略担当の坂根学氏の4人が名を連ねる。ECメンバーを合わせた12人が中心となり経営再建を進めていくことになる。
日産は執行役員を非役員の執行職に切り替え、その執行職の人数を2割減らす方針。社外取締役を除いて現在55人いる役員数は大幅に減少することになる。
日産 内田社長後任のエスピノーサ氏「安定性と成長を取り戻したい」
経営改善に取り組む日産自動車は今月末に内田誠社長が退任し、後任にはイヴァン・エスピノーサ氏が就任すると発表しました。
内田誠社長
「私は2019年に社長に就任して以来、“日産はこんなものじゃない”と言い続けてきました。その思いは今も変わっていません。日産はこの先、必ず復活できると確信しています」
内田社長は、日産が苦境にある中で退任することについて、「じくじたる思いだ」としながらも、会社を成長軌道に戻すために新しい経営体制に移行し、一日も早い再スタートを切ることが最善と判断したと話しました。
また、今後の他社との連携について、「多角的な視点から新たなパートナーシップの機会を模索」していて、「様々な選択肢の検討が始まっている」と明かしました。
一方、新たに社長に就任するエスピノーサ氏は、現在46歳、メキシコなどで商品企画を担当していて日産に「安定性と成長を取り戻したい」と今後の意気込みを語りました。
日産の元幹部は、エスピノーサ氏について「有望な若手で、日産には数少ない、国内外に通用する将来のリーダー」と評価しています。
エスピノーサ氏は、日産はアメリカでのラインナップの強化を考えていて、近々、新しい発表があると述べました。
日産自動車の内田誠社長が退任表明 後任はエスピノーサ氏
日産自動車は11日、3月31日付で内田誠社長(58)が退任すると発表した。後任には商品企画のトップであるチーフプランニングオフィサーのイバン・エスピノーサ氏(46)が4月1日付で就任する。現在6年目の内田体制の下で業績が急速に悪化している。社長交代によって再建を加速させたい意向だ。
11日に開かれた取締役会で決まった。これに先立って、社外取締役で構成する指名委員会が6日にあり、内田氏の後任の選定を進めていた。関係者によると、複数の外国人幹部の名前が挙がっていたという。
日産 退任の内田社長「一日も早く再スタートを切ることが会社にとって最善と判断」
日産自動車は、今月末に退任することが決まった内田誠社長が11日、会見を行いました。
日産 内田誠社長
「従業員の一部から信任を得られない状況と、取締役会からの要請があったことを踏まえると、新しい経営体制に移行し、一日も早く再スタートを切ることが、会社にとって最善と私自身も判断しました」
「こうした状況でバトンを渡すことに忸怩(じくじ)たる思いだが、新しい経営陣のもとで従業員の力を最大限引き出し、日産を再び成長軌道に戻していってくれることを心から願っています」
内田氏の後任には4月から、商品企画などを担当してきたエスピノーサ氏が就任します。エスピノーサ氏は、「日産はこんなものではないと心から信じている。安定性と成長を取り戻したい」と今後の意気込みを語りました。
【日産社長退任】内田社長が退任を公式発表 星野朝子役員も退任へ 後任社長のエスピノーサ氏は「商品企画」畑を歩むプロ
日産自動車の内田社長が退任を公式に発表した。後任にはイヴァン・エスピノーサ氏が就任する。また役員からは星野朝子氏などの退任も発表された。
新型フェアレディZなど日産らしさを追求したが……
日産の内田誠社長が退任を発表した。もちろんここでの退任は内田社長も決算発表からタイミングを示唆していたわけで、タイミングとしては妥当だろう。小難しい話は経済メディアに譲るが、ひとつ残念だったのが自動車メディアとして内田社長のクルマ好きが社長時代に前面に出なかったことだ。
2022年の東京オートサロンでフェアレディZが登場した際には近藤真彦さんと一緒にステージに上がり、自身が乗っていたZ32のフェアレディZが写った写真にはみかみながらコメントをしていたのが記憶に新しい。
まさかあの当時にこのような事態に日産が陥るとは想像だにしなかったが、それでも内田社長のクルマ好きとしての魅力を世間に伝えられなかったのは専門メディアとしてもとても残念に思う。
エスピノーサ氏についても「自他ともに認めるカーガイです」と紹介した。2019年に社長に就任して以来「日産はこんなもんじゃない」と言い続けてきた内田社長だが、今でもこの思いは変わっていないという。
「日産はこんなもんじゃない」
いっぽうで新社長になるエスピノーサ氏はまだ40代と若い。
また「日産はこんなもんじゃないと本気で思っている」とコメントしており、その意気込みはかなりのもの。日産には技術はある。しかしソフト面での課題も多くあるのも事実で、かなり厳しい船出になるのは確かだ。国内を担当していた星野朝子氏の退任についてもその意思表示だろう。
エスピノーサ氏はメキシコの大学を出てメキシコ日産、タイ日産、日産自動車常務執行役員などを歩んできたが、商品企画畑を歩いてきた人物。
もちろん商品企画担当の責任も問われる現状で今後がどうなるのかという声もあるが、人間像としても「とってもいい人」という声が日産関係者から聞こえてくる。
今後のエスピノーサ体制には日産に足りなかった部分をしっかり補完するミッションが出てくると思われるが、国内、グローバル問わずにしっかりとした舵取りが求められる。
特に北米、中国マーケットについてはメディアからも質問が出るなど大きく気になるところだが、会見では北米のラインナップの改善、中国のN7についても触れ具体的モデルが話題に出るなど意欲を感じた。
「日産はこんなもんじゃない」。それは応援する消費者だって同じだ。あの頃の日産はどこにいった??エスピノーサ体制に期待をしたい。
日産自動車、内田誠社長の退任を発表 ホンダとの経営統合の検討撤回…判断の遅さなど責任問う声上がる
日産自動車は11日に行われた取締役会で、内田誠社長の退任を決めたことを発表しました。
日産は11日午後、取締役会を開いて、経営陣の刷新などについて議論しました。
取締役会後に日産は「短中期の目標を達成し、長期的な成長を果たしていくにあたり、新世代のリーダーが主要なポジションに就く、新しい経営体制へ移行するため」として、内田社長が3月末で退任することを決定したと発表しました。
内田社長の後任には、商品企画などを担当してきたイヴァン・エスピノーサ氏が就任します。
日産は業績が悪化する中、抜本的な経営再建が急務となっていますが、ホンダとの経営統合に向けた検討も撤回となり、日産内では内田社長の判断の遅さなど責任を問う声が上がっていました。
「日産」内田社長が3月末で退任…業績改善へ 後任は商品企画責任者のエスピノーサ氏
業績の立て直しが急務となっている日産の内田社長が3月末で退任します。
日産・内田誠社長:
新しい経営体制に移行し、1日も早く再スタートを切ることが会社にとって最善と私自身も判断した。
日産自動車は11日に開いた取締役会で、「短中期の目標を達成し、長期的な成長を果たしていくため」として、3月末で内田誠社長が退任することを決議しました。
また、副社長など役員4人も退任し、経営体制を刷新します。
次期社長には、メキシコなどグローバルでの経験を持ち、現在、商品企画の責任者を務めるイヴァン・エスピノーサ氏が就任します。
日産は、2024年度の決算で800億円の最終赤字を見込むほか、ホンダとの経営統合に向けた協議が破談になるなど経営再建を迫られています。
エスピノーサ氏は「この会社に安定性と成長を取り戻していきたい」と述べていますが、今後、業績改善に向けどのような経営戦略を示せるか、その手腕が問われることになります。
日産の社長交代会見、内田社長は「じくじたる思い」 ホンダとの今後についてはコメントせず
日産自動車は3月11日、内田誠社長が3月末で退任し、4月1日付で現チーフプランニングオフィサーのイヴァン・エスピノーサ氏が新社長に就任すると発表。夕方に実施した記者会見で内田社長は、経営再建の道半ばで退任することについて「忸怩たる思い」と話した。
退任の背景について内田社長は、最近はステークホルダーなどに加え、従業員からも経営責任を問う声が出てきたと説明。「最優先事項は日産を現在の難局から脱却させ、成長軌道に戻すこと。(社長交代は)会社にとって最善と判断した」としている。
新社長に就任するエスピノーサ氏は、「この会社に安定と成長を取り戻したい」と意気込みを語った。ただし、質疑応答でホンダとの今後の関係について問われるとコメントを避けた。
エスピノーサ氏は、2003年にメキシコ日産自動車に入社。18年に執行役員となり、グローバル商品戦略や商品企画などを担当してきた。内田社長はエスピノーサ氏を自分以上のクルマ好きと紹介し「日産の商品や強みについては私より熟知している。日産のクルマをマーケットで差別化する上で素晴らしいリーダーシップを発揮してくれるだろう」と話している。
「日産はこんなもんじゃない」 内田誠社長、従業員に期待と感謝
日産自動車の内田誠社長兼最高経営責任者(CEO)は11日、オンラインで開いた記者会見で、日産の従業員に対して「従業員の皆さんには本当に支えていただいた」と感謝の言葉を述べた。
「『日産はこんなもんじゃない』と思っていますので、日産の強み、良いところを発揮できるように、期待してます。私もできることがあれば、限られた期間において、サポートしていきたいと思ってます」と話した。
「経営体制の刷新が必要」 日産、内田誠社長の退任理由を説明
日産自動車の木村康取締役会議長は11日、オンラインで開いた記者会見で、内田誠社長兼最高経営責任者(CEO)の退任理由について「内田氏の在任は5年を過ぎた。(自動車)業界が厳しい中、当社も経営体制の刷新が必要だ」と説明した。
また後任のイバン・エスピノーサ氏については「日産愛が強く、情熱とスピード感をもって業績回復をリードできる」と述べた。
ルノー、日産との協業維持に期待感表明
フランス自動車大手ルノーは11日、出資先の日産自動車の新たな経営体制に関し「当社との間に築かれた関係の継続を望んでいると確信している」と表明し、協業の維持に期待感を示した。
日産自動車・内田社長が今月末で退任へ 独立社外取締役8人留任の方向で調整に幹部は「責任を取らないのはおかしい」
日産自動車は内田社長が退任すると発表しました。業績悪化に陥った経営責任をとる形ですが、これまでの意思決定に関与してきた社外の取締役らは全員留任となる見通しです。
日産自動車 内田誠 社長
「私に対する経営責任を問う声が社外だけでなく、弊社の従業員からも出てくるようになりました。新しい経営陣のもと、従業員の力を最大限引き出し、日産を再び成長軌道に戻していってくれることを心から願っています」
日産はきょう、取締役会を開き、今月末で内田誠社長が退任する人事を決めました。内田社長は2019年に就任しましたが、販売台数は5年でおよそ4割減少、今年度の決算は800億円の最終赤字となるなど業績不振に陥っていてその責任をとった形でした。
イヴァン・エスピノーサ次期社長
「この会社に安定性と成長を取り戻していきたいと考えております」
後任の社長には商品企画の責任者イヴァン・エスピノーサ氏が起用されます。
一方、日産の取締役会は現在、独立社外取締役8人を含む12人で構成されていますが、過半数を占める社外取締役の全員が留任する方向で調整が進んでいることも会見で明らかにしました。
日産の幹部の中からは「これまで経営の意思決定に大きく関与してきた社外取締役が責任を取らないのはおかしい」などと、社外取締役を含めて抜本的に経営陣を刷新するべきとの声が上がっています。
先月、ホンダとの経営統合が白紙となり経営の混乱が続く中、新たな経営陣が他の会社との連携を含めた成長戦略を描けるかが今後の焦点となります。
次期社長、日産きっての車愛好家 エスピノーサ氏「わくわくする」
日産自動車の社長に就任するイバン・エスピノーサ氏は車愛好家で、同社きっての「カーガイ」として知られる。11日のオンラインでの記者会見で「日産とともに成長し、車への愛情を深めてきた。わくわくしている」と高揚感を漂わせた。
エスピノーサ氏は2003年にメキシコ日産に入社後、商品企画部門を長く歩み、東南アジアや中南米地域の商品戦略を担った。24年4月からは日産全体の商品企画を統括していた。
経営再建を託す内田誠社長はエスピノーサ氏について「商品や(技術の)強みを語らせたら一番だ」と太鼓判を押す。業績悪化で難しいかじ取りを迫られるが「会社に安定と成長を取り戻したい」と意気込んだ。
日産車「売りにくい」…ブランド力低下で販売店は悲鳴、内田社長退任も「生ぬるい」
ホンダとの統合協議が破談となり、経営の混乱が続く日産自動車のブランドイメージが急降下中だ。主力市場の米国と中国で販売が苦戦し、活路であるはずの国内販売も振るわない。「売りにくい」。社長交代が決まったが、前線の販売店から悲鳴が聞こえる。
「新車購入契約をキャンセルしたい」。足元の経営不振に加え、今年に入ってホンダによる子会社化案、外資の買収策、協議破談といった報道が連日駆け巡り、神奈川県内のある販売店に顧客からそんな要望が寄せられるようになった。
販売店幹部は「日産の印象は悪い。現場は苦しい」とこぼす。11日の取締役会で内田誠社長の退任が決まり、経営体制を刷新するが、株主の会社経営者は「生ぬるい」と批判。「抜本的な再建策を打ち出せず、ブランド力は低下する一途だ」と不安そうだ。日産の株価は11日、前日より6円高い439円10銭で取引を終えた。
屋台骨の海外市場で売れ筋のハイブリッド車(HV)がなく、電気自動車(EV)やプラグインハイブリッド車(PHV)が劣勢の日産は、2025年3月期の連結純損益は800億円の赤字を見込む。国内販売が頼みの綱だ。
自動車販売の業界団体によると、日産の国内新車販売は統合協議入りが発表された昨年12月から3カ月連続で前年を割り込んでいる。神奈川トヨタ自動車がまとめた日産の2月の県内新車販売台数(軽自動車含む)は、13・5%減の3366台だった。
日産が社長交代で会見 日産の実力「こんなものではない」 社外取締役8人は留任
日産自動車は3月11日、4月1日からの新体制を発表し、オンライン会見を開いた。内田誠社長兼最高経営責任者(CEO)は3月31日付で退任し、後任にチーフ・プランニング・オフィサーを務めるイヴァン・エスピノーサ氏が就く。足元では米国事業の低迷などで2025年3月期の業績は800億円の最終赤字となる見通し。こうした状況などにより、内田社長は「従業員の一部から信任を得られない状況となったこと、今回取締役会からの要請があったことを踏まえ、新しい経営体制に移行し、一日も早く再スタートを切ることが会社にとって最善」として辞任。新体制で経営再建を急ぐ。
日産の新たな経営陣を見る
内田社長は、19年12月に社長に就任。これまでの5年間について「拡大路線からの転換や業績不振など日産特有の課題に加え、コロナ禍など新たな課題に次々に直面し、難しい経営のかじ取りを求められた」と振り返った。
足元では、米国事業の低迷で業績が悪化。24年11月には経営再建策を発表し、9000人の人員削減などの計画を公表。25年2月には3工場の閉鎖など詳細を発表し、構造改革を進めている最中だった。内田社長は「この状況でバトンを渡すことになったのは忸怩たる思い」としたが、「新たな経営陣のもと、従業員の力を最大限引き出して、日産を再び成長軌道に戻してくれることを心から願う」と語った。
次期社長のエスピノーサ氏は、03年にメキシコ日産に入社し、商品企画などを担当。日産取締役会の木村康議長は「日産愛が強く、情熱とスピード感をもって業績回復とさらなる発展をリードしてくれると信じている」と評価する。エスピノーサ氏は「日産(の実力)は『こんなものではない』と心から思っている。そして多くの先輩方の努力を土台とし、世界中の才能溢れる社内チームと緊密に協力して安定性と成長を取り戻したい」と抱負を述べた。
経営再建に加えて、破談したホンダとの経営統合の再交渉や、新たなパートナーとの協業なども新体制で検討するとみられるが、エスピノーサ氏は「憶測の内容についてはコメントできない。まずは(社内の)皆さんと協力して将来に向けた取り組みを進めたい」との発言にとどめた。
新たな役員体制は近く固めるが、社外取締役8人は留任する。現在の日産の経営状況悪化について、取締役会に責任を問う声も上がっているが、木村議長は「責任の重大性は全員認識している。新体制をしっかり構築することが私たちの責任」と述べた。
【中継】日産自動車 オンライン会見
【速報】日産の内田社長退任報道を受けて
【ホンダ・日産】経営統合破談の裏事情「上層部は車に対する熱量が低すぎる」「出世のためにルノーばかり…」日産関係者らの証言|ABEMA的ニュースショー
GT-R時代はバカ売れも…日産が“トヨタ”になれなかった理由「上層部はクルマに対する熱量が低すぎる」「出世のためにルノーばかり…」
日産自動車といえば、これまでもたびたび経営危機が報じられてきた。
なかでもルノーが資本参加し、社長に就任したカルロス・ゴーン氏がおこなった日産改革は、まさにひん死の状態を救った事例として経済史に刻まれている。その後も日産はコロナ禍の2020年、そして2024年と記録的な大赤字をはじき出し、まさに「SOS」の状態だった。
経済ジャーナリストの内田裕子氏がトヨタと日産の営業利益について解説する。2012年を見てみるとトヨタが3556億円、日産が5458億円と、一時はトヨタの営業利益を上回っていた。
そして絶好調のときにはZやGT-Rなどの車が人気を博し、「技術の日産」と称されていた。しかし2019年に急降下。いまではトヨタが5兆3500億円、日産が5600億円と、大きな差が両社にはついている。
なぜ日産はトヨタのようになれなかったのか。トヨタ自動車工業株式会社は1937年に創業。以降技術提携や子会社化はあるものの、経営統合はいままでにない。ホンダに至っては創業以来、技術提携や子会社化すら行なっていない。
一方日産は、3社が最終的に統合し創業。そこに起因しているのか、経営陣である役員の人数がトヨタは29人、ホンダは26人に対して日産は63人とおよそ2倍だ。
内田氏が日産関係者を取材すると、「誰も何も決められない。何をするにも遅い会社と言われる」という指摘があったという。元日産のエンジニアは「日産は初めから3社が統合し創業。さらにプリンス合併。ルノーと資本提携など出自が多すぎる。日産には経営危機の時よって立つ軸がない」「役員たちは退職後、系列の企業や工場に天下りをする。いくら良い車を作っても、収益をあげられない体質になっている。」「日産は生産畑の人がトップにこない。生産畑は初代の鮎川社長ぐらいで、ほとんどの社長が銀行系や購買出身。それ以降では90年代にトップになった久米社長が唯一の生産畑出身で、いろいろな商品を出して日産が一番よかった時代だった」と指摘した。
また、日産の内情に詳しいモータージャーナリストは「日産上層部はクルマに対する熱量が低すぎる。超優秀なエンジニアがたくさんいるが、開発責任者が役員になった例はほぼない。自分の出世のためにルノーばかりを見て仕事をする人が増えた」と語った。