デジカメ内で高画質化。AIが写真の未来を変えるかも
ドットバイドットで見なくても違いがわかります。
AIによる推論技術は、以前からデジタル画像の高画質化のために使われまくってきました。でもその大半はスマホアプリだったり、PhotoShopやLightroomなど、他のデバイスを必要とするポストプロダクション。手間暇、かかっちゃうのよね。
でもキヤノンは、写真を撮影したデジカメ内によるAI後処理技術を追求しています。CP+ 2025で体験してきましたが、これはいいね。新しいボディに買い替えたくなるモチベーションが高まります。
高感度ノイズの雑味を減らしてくれる ニューラルネットワークノイズ低減
ISO51200もの高感度領域ともなると、特別なデジカメでもなければ高感度ノイズの波でザラザラに洗われて、ザワザワとしたレイヤーが被っているノイジー画質になりがち。
EOS R5 Mark IIのような、最新ハイエンド級でもこの事態は避けられません。でもね。EOS R1とEOS R5 Mark IIだけに許された「ニューラルネットワークノイズ低減」機能を使うと。
髪の毛のツヤがある部分にご注目ください。ノイズは減り、階調が豊かになり、塗り絵のように潰れていたニュアンスが復元されていませんか? ISO51200で撮ったとは思えないクリアさ、良いですねえ。
ソフトフォーカスにしてノイズを馴染ませる手法とは違います。AIによってノイズの成分を判別して、適切な処理を行なうからこの結果が出せるのでしょう。
α7Sのような高感度特性に優れたカメラほど、とは言えないまでも、4500万画素の高画素機でこのクオリティになるなら、屋内ノーストロボ撮影だって怖くなくなるよね。
1枚の写真から1億画素級の写真が創れるアップスケーリング
さらにわかりやすいのが、アップスケーリング。 IBISハイレゾ撮影のように、複数枚の写真を重ねて高画素化するのではなく、AI推論によって、1枚の写真データを高画素化します。
眼に映った光の反射も、髪の毛や眉毛の精細感も大幅にアップ。手持ちで、1ショットで、この高画質。後処理に時間はかかるし、何十枚もの写真を処理する場合は面倒が勝ってPCで作業したくなるけど、AIのおかげでセンサー解像度を追い求めなくてもいい時代がくるんだろうな、という予感がしますね。