欧州、ウクライナ停戦巡り「有志国連合」形成へ 首脳会議で方針
ロシアの侵攻を受けるウクライナを支援するため、欧州各国の首脳が2日、ロンドンで会議を開き、停戦後のウクライナへの平和維持部隊の派遣などを含めた有志国連合を形成する方針で一致した。会議後にスターマー英首相が記者会見し、明らかにした。
スターマー氏によると、会議では①ウクライナへの軍事支援の継続と対露経済制裁の強化②停戦協議へのウクライナの参加③停戦後のウクライナの国防力、侵攻抑止力の強化④ウクライナの平和を保証するための有志国連合の形成――などで一致した。停戦後のウクライナの安全の保証に向け、米国の支援を求める方針も確認した。今後、欧州独自の停戦案を作成し、米国に提示する。スターマー氏は、有志国連合などについてトランプ米大統領と1日に協議したことも明かした。
会議は、トランプ氏とウクライナのゼレンスキー大統領の2月28日の会談決裂を受け、米国のウクライナ支援に不透明感が増す中で開かれた。
会議には、ゼレンスキー氏のほか、マクロン仏大統領、ショルツ独首相、メローニ伊首相、欧州連合(EU)のフォンデアライエン欧州委員長らが参加した。
欧州「有志国連合」形成→独自の停戦案作成へ 米国に提示方針
ロシアの侵攻を受けるウクライナを支援するため、欧州各国首脳が2日、英ロンドンで会議を開き、停戦後のウクライナへの平和維持部隊の派遣などを含めた有志国連合を形成する方針で一致した。欧州独自の停戦案を今後作成し、米国に提示することも決めた。
会議後に英国のスターマー首相が記者会見し、明らかにした。スターマー氏によると、会議では①ウクライナへの軍事支援の継続と対露経済制裁の強化②停戦協議へのウクライナの参加③停戦後のウクライナの国防力、侵攻抑止力の強化④ウクライナの平和を保証するための有志国連合の形成――などで一致した。停戦後のウクライナの安全の保証に向け、米国の支援を求める方針も確認した。
有志国連合は、主に平和維持部隊のウクライナへの派遣を想定する。スターマー氏は「英国は他国とともに地上部隊と航空機などで支援する準備がある」と述べた。ただ、有志国連合に参加を表明している国の数や活動内容については言及しなかった。
欧州各国はこうしたウクライナ支援策を踏まえ、欧州独自の停戦案を作成し、米国側に提示する方針だ。
スターマー氏は会見で、「(ウクライナの)平和を維持するには、米国の強力な支援が必要となる」との認識を改めて示し、トランプ米大統領と1日、有志国連合などについて協議したことを明かした。
平和維持部隊の規模や活動内容については、フランスのマクロン大統領が「前線やロシアによる占領地域には入らない」との構想を既に示している。AP通信によると、英仏は欧州で3万人以下の地上部隊を派遣し、原発などの重要インフラの防衛にあたる案を検討しているという。ただ、ウクライナのゼレンスキー大統領が露軍の再侵攻阻止のために必要と主張する10万人規模を大幅に下回るなど、米国の支援抜きでは、停戦後の安全の保証は難しいのが現状だ。
会議は、トランプ氏とゼレンスキー氏の2月28日の首脳会談決裂を受け、米国のウクライナ支援に不透明感が増す中、開かれた。
欧州各国は、米国とウクライナの関係を修復し、米国のウクライナ支援を継続させるためには、トランプ氏が求める欧州各国の国防費負担増加を早期に実現させる必要があるとの認識で一致している。
欧州連合(EU)のフォンデアライエン欧州委員長は会議後、記者団の取材に応じ、「長年の過小投資を踏まえ、防衛関連の投資を長期間にわたり強化することが、今、最も重要だ」と述べた。
会議にはゼレンスキー氏のほか、ショルツ独首相、メローニ伊首相らが参加した。