ミニディスク・通称MDが生産終了 1992年発売で一世風靡もiPodなど登場で“デジタル音楽の普及”進み需要減少

ミニディスク・通称MDが生産終了 1992年発売で一世風靡もiPodなど登場で“デジタル音楽の普及”進み需要減少

「懐かしい」ものが終わりを告げます。「次世代オーディオ機器」として期待されたミニディスク、通称MDです。このMDが、きょう生産終了を迎えました。

あなたはこの小さなディスク、覚えていますか?

30代

「もちろん、MDですよね。夜、お酒飲んでいて、ちょっと聴いてみるかと思って、懐かしいなと」

60代

「カセットテープで録音していたが、デジタルで録れるから便利、小型ですし」

40代・50代

「何枚ものCDから自分のベスト版を作って、貸し借りする」

「ベスト版を作って渡してくる人、うざいみたいな」

「ちょっと重たいみたいな」

しかし、Z世代からは…

20代

「マジでわからない、わからないです」

「なんだろう…音楽か映像…『SONY』だから映像とか?」

1992年に発売され、一世を風靡したMD。CDを一回り小さくしたサイズに、なんといっても「録音」できるということが大きな特徴でした。

さかのぼること四半世紀以上前。いまや見かけることが少なくなったCDショップの店先に“音楽の自動販売機”が登場したりしていましたが…

アップル スティーブ・ジョブズCEO(当時)

「iPodシリーズは毎年、改良を重ねて使い勝手も良くしています」

2000年代に入るとiPodなどの登場でデジタル音楽の普及が進み、MDは需要が減少。そして、きょう、ついに生産終了を迎えました。生みの親のソニーは「市場環境や今後の市場の成長性を鑑みた」と説明しています。

もう作られることはないものの、いま、こちらには…

増田里志さん

「段ボールで送られてきたが、全部で520枚ほどあります」

神奈川県在住の増田さんの自宅には大量のMDが…一体、なぜなのでしょうか?

MD Copy Store 増田里志 代表

「お客様からお持ちのMDを送っていただいて、それをデジタイズして」

実は増田さん、副業としてMDの中身をデータ化するサービスを提供しています。作業料は1枚あたり500円(税込み)。20台のプレイヤーを使い、1枚15分ほどで処理していきます。

ちなみに内容の多くは…

「わははは」

MD Copy Store 増田里志 代表

「(Q.この笑い声は?)これは亡くなった義理の父の笑い声。当時の肉声がこれしかないということで、おじいちゃん、おばあちゃんとの会話をMDに録られている方など、実は多い」

技術の進歩とともに姿を消していきますが、その記録と思い出は、これからも残り続けます。

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MDの駆け込み需要は起きず、カセットテープ隆盛のレガシーメディア市場

 2025年2月末、ソニーがBDメディアやMD、ミニDVカセットの生産を終了した。大手メーカーの撤退により各種メディアの入手性が低下していくとみられるため、動向を探るべくレガシーメディアを扱う専門店「Mag-Lab」(株式会社磁気研究所)を訪ねた。

 しかし、売り場ではほぼ無風だという。同店は「BDメディアは他にもありますし、MDは下火ですからね。特に駆け込み需要みたいなものは起きていません。一昔前、パナソニックがDVDメディアから撤退したときは転売目的の人まで探しに来ましたが、そういうのは今回はないですね」とのこと。

 一方で、レガシーメディアの中でも売れているのが音楽用のカセットテープだ。「往年の音楽好きの方から10代や20代の方まで、かなり幅広い層に人気がありますね。レトロ趣味ブームもありますが、1本100円以下から買える気軽さも大きいのかなと思います。MDも特価品が入ったときはよく売れましたし」

 同店では1本80円から1200円を超えるものまで、複数のカセットテープが並んでいた。それぞれの在庫も潤沢で、落ち着いて選べる環境が続いている。

 その他のメディアで、根強い需要があるのはFDDだ。「活躍していた期間が長いだけあって、仕事関係で必要になるケースもまだあるみたいです。あとは特価品が入ると、お土産的に買っていく人も増えますね」という。

 取材時には特価ワゴンにマクセル製のハローキティパッケージがあり、3枚セットで200円の値が付けられていた。他にも3枚1280円のMOディスクセットなども見かけた。

 MDにしろFDDにしろ、取りあえずは焦って探し回る必要はなさそうだ。

白いRX 7900 XTカードやCore Ultra用micro ATXマザーが登場

 先週登場した板モノとしては、Power ColorのRadeon RX 9070 XT搭載グラフィックスカード「Hellhound Spectral White AMD Radeon RX 9070 XT 16GB GDDR6」が挙げられる。

 3連ファンクーラーを採用したホワイトモデルで、価格は13万8000円弱だ。ただし、既報の通り、RX 9070 XTカードはまだ需要が極端に多い状態が続いており、入荷後すぐに品切れしている。

 入荷したオリオスペックは「GeForceはいろいろな用途で購入する人がいますが、Radeon RX 9070 XTはほぼゲーム一択ですね。それで熱烈に支持されています。『ホワイトだから』というのは関係なく売れた感じです」と話していた。

 マザーボードでは、Intel B860チップを搭載したMSIのmicro ATXモデル「MAG B860M MORTAR WIFI」が登場している。価格は4万円弱となる。

 ショップの評価は上々だ。パソコン工房 秋葉原パーツ館は「microATXながらM.2スロットが3基あって、5GbE対応の有線LANとWi-Fi 7の無線LAN、さらにThunderbolt 4も備えています。きちんと作り込んだモデルだと思います」という。

最大回転13万rpm、最大風速毎秒52mのエアブロアーがデビュー

 変わり種の新製品では、オリオスペックに電動エアブロアー「VIOLENT FAN X6」が入荷していた。価格は5280円となる。

 内蔵するリチウム電池を充電して使えるポータブルタイプで、最大回転13万rpm、最大風速毎秒52mの強力な送風が可能だ。グリップ上部のつまみを回すことで風量を調整したり、2種類のノズルを使い分けることで吹き付け方を変えたりできる。

 入荷したオリオスペックは「かなり強力なエアブローが得られるので、自作PCのあらゆるシーンで活用できます。後は車の中の掃除とか、PCを離れた使い方もありですね。何度でも使えますし、欲しい人は多そうです」とプッシュしていた。

Crucialから64GBモジュール「DDR5 Pro CP2K64G56C46U5」入荷

 1枚64GBのDDR5メモリが順調に増えている。先週はCruciaからDDR5-5600キット「DDR5 Pro CP2K64G56C46U5」が登場した。価格は5万3000円前後だ。

 入荷したパソコンSHOPアークは「クリエイターの方を中心に64GBモジュールを探している人は増えていますね。2枚挿しが基本になる中で、大容量を確保するために必須のパーツになっていますから」と話していた。

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生産終了した『MD』はなぜCDにはなれなかった? 今でもMDを入手するには?

1990年代初頭、ソニーによって世に送り出されたMDは、カセットテープに代わる画期的な録音・再生メディアとして、多くの期待を背負っていました。

高音質、優れた携帯性、そして『マイベストMD』を作りやすい自由度の高さは「携帯性が高い新たな音楽媒体」として支持を集めることに。実際、筆者も好きなアーティスト楽曲をまとめたMDをポータブルMDで聞きながら通学したり、お気に入りのMDを友人間で貸し借りしたりしていました。

つまり、一時期、MDは日本の音楽市場、特に若者を中心に深く浸透し、パーソナルオーディオの主役とも言える存在感があったと言えるでしょう。

しかし、2010年代に入るとその勢いは陰りを見せ始め、2020年代には主要メーカーによるMDメディアや関連機器の生産が相次いで終了しました。

この栄枯盛衰の背後には、一体何があったのでしょうか。今回はMDはなぜCDにはなれなかったのか、具体的に見ていきましょう。

MDは何が革新的な録音・再生メディアだったのか?

1980年代、コンパクトディスク(CD)は急速に普及し、高音質な音楽再生のスタンダードとしての地位を確立しました。しかし、録音メディアとしては依然としてアナログコンパクトカセットが主流であり、その音質、耐久性、操作性(特に頭出しの煩雑さ)には限界が見えていました。

そこで携帯性と優れた音質を兼ね備える新時代のメディアとして、華々しく登場したのがMDです。

まずMDは、データの書き換えが可能な光磁気ディスク(MO:Magneto-Optical disc)技術を応用していました。携帯性が高く、自分で書き込めるというディスク媒体であること自体が、時代背景を鑑みると斬新なことでした。

加えてソニーは独自の音声圧縮技術ATRACを開発し、MDのコンパクトなサイズでも高音質を実現。さらにMDでは、再生データを一時的に半導体メモリに蓄積し(バッファリング)、そこから読み出すことで、物理的なディスク読み取りが振動で途切れてもメモリ上のデータで再生を継続する「ショックプルーフメモリー」技術を搭載することで安定的な再生も実現しました。

■『MD』の生産終了について

MDはさまざまな音楽体験の革新をもたらしました。この記事をお読みの方の中にも「マイベストMD」を作り、好きな曲だけを集めたMDをずっと再生していた方も多いのでは?

しかし2010年代に入るころにはMDは大きく下火に傾き、2025年6月現在はすでに生産も終了しています。

『MD(ミニディスク)』はなぜ『CD』のように普及しなかったのか

ご紹介してきたとおり、MDは非常に革新的ではありましたが、良くも悪くも「カセットテープの代替」を目指した媒体であったことが市場での「寿命の短さ」に直結した感は否めません。

CD全盛の90年代~00年代に、本当に「カセットテープの代替」がどの程度必要だったかは微妙なところです。そしてすでに市場で確固たる地位を築いていたCDと比較した際に、いくつかの重要な点で課題を抱えていたのも事実です。これらの課題が、MDが「カセットテープの代替」以上の存在に歯なれず、CDに完全に取って代わることまではできなかった大きな要因となりました。

■再生用媒体としてのCDの圧倒的な存在感

MDは録音・再生用MDのイメージが強い一方、実は再生専用MDも市場に流通していた時期があります。

レコード会社がリリースする音楽タイトルのほとんどはCDでしたが、MDフォーマットでリリースされる再生専用ソフト(プリレコーデッドMD)が、ごく一部のタイトルや限定盤で販売されていた期間がありました。

しかし、それはあくまで「限定的」な話。つまりMDは主に「CDからダビングして楽しむための録音用メディア」という位置づけが強くありました。

冒頭でも触れましたが、日本ではCDレンタルビジネスが盛んだったこともあり、「レンタルしたCDをMDに録音してオリジナルのMDライブラリを作る」という利用スタイルが広く普及しました。これはMDの普及を後押しした一方で、MDがCDに取って代わる「一次メディア」ではなく、CDを補完し、持ち運ぶための「二次メディア」という性格を強めることにもつながりました。CDが音楽コンテンツの「原本」であるのに対し、MDはそのコピーというイメージが定着したのです。

■MDからのリッピングなど「ファイルの扱い」への過度な制約

MDは1990年代後半から2000年代初頭にかけて、日本国内で大きな人気を獲得しました。特に、CDレンタルショップの全国的な普及と相まって、中高生を中心とする若者層の間で爆発的に広まりました。お気に入りのCDをレンタルし、それをMDにダビングして自分だけの「ベスト盤」や「コンピレーションMD」を作成し、MDウォークマンで通学中や外出先で聴くというスタイルは、当時の若者文化の象徴とも言える光景でした。

一方、MDが「本当に便利でモダンな媒体だったか」には、今の視点から見ると疑問符も残ります。例えば、PCからMDに転送した楽曲を、再度PCに吸い出す(チェックアウト/チェックインの回数制限など)のにも制約があり、これがユーザーの不満を招きました。同時期に普及し始めたMP3フォーマットが、比較的オープンで扱いやすかったのと比較して、ソニー独自のATRACフォーマットと同社独自の著作権保護技術による「囲い込み戦略」は、一部のユーザーから敬遠される要因となったと言えるでしょう。

■MP3などデジタルフォーマットの台頭

90年代後半~00年代にかけては、デジタルオーディオ規格が普及し、『iPod』に代表されるプレーヤーが次々登場したこともMDにとっては非常に大きなことでした。

MDはディスクメディアである以上、聴きたいアルバムやプレイリストごとにディスクを交換する必要がありました。一方で、iPodのような大容量DAPは、その手間が完全に不要。さらにMDの容量はiPodの数千曲というライブラリには到底及びませんでした。

さらにPC上でプレイリストを簡単に作成・編集できるiTunesの利便性は、MD本体での編集作業の煩雑さを際立たせました。

iPodの成功を追うように、HDD搭載型DAPや、さらに小型軽量で安価なフラッシュメモリを記憶媒体として使用するデジタルオーディオプレーヤー(DAP)が国内外の多くのメーカーから登場しました。これらのDAPは、PCからMP3などの音楽ファイルをドラッグ&ドロップで簡単に転送できるものが多く、MDはその手軽さでも劣勢に立たされました。結果として、MDの市場は急速にDAPに置き換えられていきました。

【MDのこれから】今でもMDを入手するには?

「今からでもMDを入手したい」場合、ディスクそのものの入手とプレーヤーそのものの入手が必要です。ディスクの生産はすでに終了しているものの、筆者が確認した限り、家電量販店の店頭やECにわずかながら店頭在庫が現存しているケースがあるようです。そのため「MDがまだありそうな店舗」に電話したり、複数巡ってみるのも良いでしょう。その上でプレーヤーそのものは、中古で確保するのが現実でしょう。

本稿ではややMDに対して辛辣なことも述べましたが、それでもMDは、1990年代から2000年代初頭にかけて青春時代を過ごした世代にとっては、当時の音楽や思い出と強く結びついたノスタルジックなアイテムです。お気に入りの曲を集めて作った「マイベストMD」には、その人だけの特別なストーリーが詰まっています。

また、数は少ないながらも、MDの独特の音質や、物理メディアを操作する感覚、MDウォークマンのデザインなどを愛好し、現在も日常的に使用したり、コレクションしたりしているコアなファンやコミュニティが存在します。インターネット上には、MDに関する情報交換を行うフォーラムやブログも見受けられます。

MDは商業的にはその役目を終えましたが、デジタル化への過渡期におけるユニークなメディアとして、そして多くの人々の記憶の中に、その足跡を確かに残しています。

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