NHKが特別損失30億円計上 システム開発中止原因、IBMを提訴

NHKが特別損失30億円計上 システム開発中止原因、IBMを提訴

 NHKが営業システムのソフトウェア開発を巡り、約30億円の特別損失を計上していたことがわかった。複数の関係者によると、NHKがIT大手の日本IBMに営業システムのソフトウェア開発を発注したが、開発を中止する事態となった。このため、日本IBMに対して損害賠償請求を東京地裁に起こしたという。NHKが4日午後、正式に発表する。

 NHKの2024年度中間財務諸表では、特別損失を33・4億円計上。このうち、システムなどのソフトウェアの開発・制作にかかわる減損は28・5億円だった。

 同局によると、システムの刷新を図るため、予算を計上し、開発を進めてきたが、受注業者から大幅な納期の延長や、延期した納期でも確実に完了できる見通しが立たないとの趣旨の申し入れがあった。そのため、「開発を中止し、減損処理を行った」という。取引先の社名は明らかにしていない。

 NHKは先月28日、対応などを尋ねた朝日新聞の取材に対し、「相手先に返金を求めて対応を継続しており、今後の交渉に影響を及ぼす可能性があるため、詳細については回答を控える」とコメントしていた。

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日本IBM、NHKシステムの開発中断について見解 「協議の継続を希望する」

 日本アイ・ビー・エム(IBM)は2月7日、NHKの営業基幹システムの開発中断について自社の見解を公表した。同社は4日、NHKから業務委託契約の解除と共に、これまでに支払われた代金の返還と損害賠償を求める民事訴訟を起こされている。

 IBMによると、今回のプロジェクトは開始後に現行システムの解析を実施した上で、移行方針やスケジュールを確定する契約になっていたという。しかし現行システムの解析を進めたところ、長年の利用の中で複雑に作り込まれた構造となっていることが判明した。事前に取得していた要求仕様書(システム開発において顧客のニーズ、期待等を文書化したもの)では把握できなかったという。

 IBMは、解析の進捗や明らかになった課題、対応策をNHKに報告。24年5月には、NHK側の希望である2027年3月までのシステム移行にはリスクが伴うと伝え、選択肢とそれぞれの利点・リスクを提示したという。

 「これまでの解析・調査結果等をふまえて、より確実な移行方式の実現に向けた建設的な協議の開始について、2024年の夏以降、先月に至るまで幾度も申し入れた」(日本IBM)。しかし、NHKは協議の開始に応じず、訴訟を提起したという。

「こうした結論となり、当社としては大変残念だが、これまでと変わらずNHKと協議の継続を希望する。並行して、裁判の中で当社のこれまでの対応と見解を主張していく」(日本IBM)

NHK、システム開発めぐり日本IBMを提訴 54億7000万円請求 IBM「協議を重ねて申し入れてきた」

NHKは2月3日、日本アイ・ビー・エム(以下、日本IBM)に対し、システム開発費用としてこれまでに支払った代金の返還と損害賠償を求める民事訴訟を東京地方裁判所に提起した。訴訟請求額は54億6992万7231円。

NHKによると、2022年12月に受信料関係業務全般で使用する営業基幹システムの刷新を日本IBMに委託したという。日本IBMは1年2カ月以上業務を進めたが、24年3月に突然、大幅な見直しが必要と述べ、5月には1年半の納期の後ろ倒しを申し入れたという。

 NHKは「申し入れ内容は事業継続に甚大な支障が生じる」として24年8月に契約を解除。それまでに支払った代金の返還を求めたが、返金されなかったため訴訟提起に至ったとしている。

 日本IBMは、ITmedia NEWSの取材に対し、「本プロジェクトの対応につき、NHK様には協議を重ねて申し入れてきましたが、このような形になったことを非常に残念に思います。訴状が届いていないため、現時点では詳細なコメントは差し控えさせていただきます」と回答している。

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