三菱自動車、「ホンダ・日産」への合流見送りへ…強みのある東南アジアでのシェア拡大に注力
ホンダと日産自動車の経営統合に向けた協議を巡り、三菱自動車は合流を見送る方向で調整に入った。ホンダと日産は新たな共同持ち株会社を設立して傘下に入ることを検討しているが、三菱自は株式上場を維持したうえで、両社との協業関係の強化を図る。強みとする東南アジア市場でのシェア(占有率)拡大に向け、柔軟な経営判断ができる現在の体制を当面維持する。
複数の関係者が明らかにした。昨年12月にホンダと日産が統合協議入りを発表した際、三菱自は今年1月末をめどに合流するかを判断するとしていた。加藤隆雄社長は今月、「必ずしも経営統合ありきではない。選択肢の一つだ」と述べ、両社の統合協議の推移を見極める考えを示していた。
三菱自は2016年、燃費データ不正問題が発覚して経営苦境に陥り、カルロス・ゴーン社長(当時)が主導する日産から34%の出資を受けた。現在、日産は三菱自株の27%を保有しており、持ち分法適用会社としている。
このため、ホンダと日産の経営統合協議で、三菱自は合流するかを検討してきた。東南アジアでは一定のブランド力を持っており、米国に注力するホンダや日産とは主戦場が異なる。統合への参画で補完効果が生まれやすいとされていた。
ただ、三菱自株の時価総額は今月23日時点で約7000億円で、7・9兆円のホンダや1・6兆円の日産に比べて規模が小さい。統合に参画した場合、自社の意向を共同持ち株会社の経営判断に反映させることが難しいとの懸念がある。
三菱自株主の意向も、合流見送りの背景にあるとみられる。三菱自株の約2割を保有する三菱商事などは、経営再建中の日産が進めるリストラ策の実効性を注視すべきだとの考えがあるとされる。
三菱自は現時点で経営統合を急がなくても、ホンダや日産との車両の相互供給や技術提携は可能とみている。ソフトウェアを更新して機能を高める次世代車「SDV」や自動運転の分野では、ホンダや日産も単独で巨額の開発費を賄うのは難しいためだ。
23年の世界販売台数は、ホンダと日産を合わせて735万台に上る。三菱自(78万台)が統合に加わらなくても、トヨタ自動車グループ(1123万台)、独フォルクスワーゲン(923万台)に次ぐ世界3位のグループとなる。
三菱自動車 ホンダ・日産統合で持ち株会社枠組みには参加せず
ホンダと日産自動車が経営統合への協議を進めるなか、三菱自動車工業は統合に向けた持ち株会社の枠組みには参加せず、先進技術の開発などで両社との提携を強化していく方向で検討を進めていることが分かりました。
ホンダと日産自動車は2024年12月、先進技術の開発などで競争力を高めるために経営統合に向けた協議を始めると発表し、日産が筆頭株主となっている三菱自動車工業も1月末をめどに協議に参加するかどうかを判断すると表明していました。
ホンダと日産は持ち株会社を設立したうえで両社を傘下に収める形での統合を目指して本格的な協議を進めていますが、関係者によりますと、三菱自動車は持ち株会社の枠組みには入らない方向で検討を進めているということです。
その一方で、次世代の車の競争力を左右するソフトウエアや、EV=電気自動車といった先進技術の開発では、両社との提携を強化する方針でアメリカや中国の新興メーカーが存在感を高める中、両社との経営統合ではなく、技術開発など業務面での提携によって生き残りを図るねらいがあるとみられます。
これについて三菱自動車は、「現段階でさまざまな可能性を検討しており方向性が決まったという事実はありません。お伝えすべき情報があれば、適切なタイミングで皆様にお知らせ致します」とコメントしています。
三菱自動車、ホンダ・日産合流見送り「決まった事実はない」
三菱自動車は24日、ホンダと日産自動車が検討している経営統合への枠組みについて一部報道が合流を見送りと報じたことについて、「決まったという事実はない」とするコメントを出した。現段階で様々な可能性を検討しているとした上で、「伝えるべき情報があれば、適切なタイミングで知らせる」とした。
加藤隆雄社長兼最高経営責任者(CEO)は24日、「何も決まっていない」と報道陣に語った。「いろんな意見があるので調整している段階」と説明した。
2024年12月下旬に行ったホンダ・日産の経営統合の協議入りの発表時では、三菱自動車は25年1月末をメドに合流するかどうか判断するとしていた。
24日の東京株式市場で、三菱自株は一時前日比42円(9%)安の439円まで下落した。
三菱自社長「統合ありきではない」 一方で統合にはメリットも【WBS】
