ノーベル受賞者、AIに相次ぎ言及…「発見の黄金時代」「自動化だけ進めば大量の失業者」
今年のノーベル物理学、化学、経済学の各賞の受賞が決まった8人の研究者は8日、授賞式(10日)を前にスウェーデンの首都ストックホルムで講演会を開いた。人工知能(AI)について、安全性や雇用への影響などに配慮して開発する必要があるとの指摘が相次いだ。
化学賞を受賞する英グーグル・ディープマインド社のデミス・ハサビス最高経営責任者(CEO)は「強力なAIを活用した発見の黄金時代を迎えつつある。AIは人類の課題を解決する大きな可能性を秘めている」と有用性を強調。AIは火や電気などと似ていて、責任や安全性が重要だとし、「科学者が幅広い関係者と連携し、AIの開発や使用に関して意見を取り入れることが必要だ」と語った。
経済学賞を受賞する米マサチューセッツ工科大学のサイモン・ジョンソン教授は「現在は過剰な自動化の段階にあり、スキルを必要とする新たな仕事が十分に生み出されていない。自動化だけ進めれば大量の失業者が出る」との認識を示し、「人々の生産性や賃金、地位を高めることに役立つようにAIを開発する必要がある」と訴えた。
ノーベル賞受賞の研究者、AI制御「真剣に考えなければ」…授賞式控えた記者会見で懸念相次ぐ
今年のノーベル物理学、化学、経済学の各賞の受賞が決まった研究者のうち7人が7日、10日の授賞式を前にスウェーデンの首都ストックホルムで記者会見した。急速に進化するAI(人工知能)に対し、懸念の声が相次いだ。
AIの基盤技術に関する研究に長年取り組み、物理学賞を受賞するカナダ・トロント大のジェフリー・ヒントン名誉教授は「人類を超えるAIが誕生した際に、それをどのように制御するか、真剣に考えなければならない」と訴えた。具体的なリスクとして軍事利用を挙げ、「各国政府はAI兵器について自己規制をしていない。軍拡競争が進んでいる」と危機感を示した。
化学賞を受賞する英グーグル・ディープマインド社のデミス・ハサビス最高経営責任者(CEO)は「AIをどう制御してリスクを軽減するかについて、国際社会が団結して協力する必要がある」と呼びかけた。
経済学賞を受賞する米マサチューセッツ工科大のダロン・アセモグル教授は「AIが非常に少数の人々や国々の手に握られていることは、さらに大きな不平等を引き起こす要因となる可能性が高い」と指摘し、AIへの積極的な規制が不可欠だとの認識を示した。
