バッテリーの劣化具合は? かかった総費用は? テスラに乗って3年、初の車検をレポート

バッテリーの劣化具合は? かかった総費用は? テスラに乗って3年、初の車検をレポート

「iPhoneにタイヤをつけたようなクルマ」と表現されるTesla。IT・ビジネス分野のライターである山崎潤一郎が、デジタルガジェットとして、そしてときには、ファミリーカーとしての視点で、この未来からやってきたクルマを連載形式でリポートします。

 筆者の2021年式Tesla Model 3は、納車から3年が経過し初めての車検を迎えました。本稿では、車検の様子、3年間の必要経費、バッテリーの劣化についてレポートします。

 車検証の有効期限は9月13日ですが、7月末にTesla Japanから「9月に車検を迎えるオーナーの皆様へ」というメールが届きました。車検の依頼は、Tesla専用アプリから行います。その際、入庫サービス拠点や希望日時をアプリ上から選択します。

 各種不具合、タイヤローテーション、ワイパーブレードの交換など、懸念事項や希望があれば、その旨を記載することでサービスの現場にもその情報が共有される仕組みです。また、代車が必要であればその旨も記載します。ただ、代車の数に限りがあるのか、時間的に余裕を持って依頼しないと提供が難しい場合が多いようです。

 筆者の場合、代車は不要だったので。最寄りのサービス拠点を選んだ上で、8月28日に依頼を出し、最短の9月1日(日曜日)入庫を選択しました。車検完了後の引き取りは、9月4日の午後でした。間に定休日が入っていたので、実質、中1日での対応ということになります。

 次に、サービスから、各種伝達事項や見積書がPDFで送付されてきます。見積に問題なければアプリから承認することで車検のプロセスが動き始めます。Tesla Japanからの伝達事項の1つに、「入庫時2万円の現金を用意する」というものがあります。

 自賠責保険料の1万7650円と印紙代の2300円を現金で事前に準備し、入庫時、サービス拠点のスタッフに預けます。本来ならこの他に、重量税の2万円(2トン以下)が必要ですが、初回の車検では、エコカー減税の規定により免除されています。

 車検完了時、新しく電子化された車検証を手渡され驚きました。サイズが、従来のA4からA6へと小さくなり、ICチップが埋めこまれています。iOSやAndroidに対応した車検証閲覧アプリが各ストアからダウンロードできるので、スマホのカードリーダーにかざすことで、車検証に記載されている情報をアプリで確認することも可能です。

バッテリーは10%の劣化?

 まず気になる車検費用についてお知らせしましょう。下図にもあるように、合計で11万5284円でした。今回、特に不具合はなかったので、こちらからの依頼はワイパーブレードの交換とタイヤローテーションだけでした。2年に一度の交換が推奨されているエアコンのフィルターは、昨年交換したので今回はパスです。

 タイヤ残溝がフロント4.4ミリ、リア4.7ミリだったので、スタッフの判断でタイヤローテーションは実施しませんでした。タイヤローテーションについては、最初の1万キロ超え時点と、以後、残溝差異が1.5ミリ以上になった場合に実施を推奨しているとのことです。

 タイヤ交換は、残溝2ミリ以下で推奨するとのことですが、この分だと、2ミリに達する前に、表面のひび割れなどの要因で交換することになりそうです。少し前に、EVは重いのでタイヤの減りがハンパなく早いといった趣旨の報道が話題になりましたが、少なくとも筆者の21年型Model 3に関してはその心配はないようです。

 また、完全停止まで可能な回生ブレーキの恩恵がブレーキパッドの残量に現れています。フロント9mm、リア8mmでこちらも余裕です。あと何年乗ることになるのかわかりませんが、もしかしたら、ブレーキパッドの交換は経験しないまま、現行車を離れることになるかもしれません。

 現行のModel 3以前、十数年間を共に過ごした前車メルセデス・ベンツの正規ディーラーと比較すると、車検整備基本料金や代行費用が高額です。ただ、メルセデスの場合、V6エンジンのオイル交換や部品代・工賃が高額でした。ちなみに、我が家の買い物車である軽自動車の三菱アイと比較するとModel 3が総じて高額であることは確かです。

 多くの人が気にするバッテリーの劣化具合について報告します。TeslaFiというサードパーティのログサービスによる航続距離ベースでの推定値で言うと、納車時との比較で5.12%劣化しています。その一方「Tssie」というサードパーティアプリのレポートでは、10.8%の劣化とあります。

 両者の間に2倍近い開きがあるので、どちらが正確なのかはわかりませんが、仮に10%の劣化と仮定すると、実質450kmだった航続距離が405kmにまで落ち込んだことになります。この先劣化率がどうなるのでしょうか。リニアに右肩下がりを示すのか、それとも、Teslaの公式レポートにあるように下げ止まって、劣化率が鈍化するのか…。引き続き注視していきたいと思います。

3年間の維持費は?

 下の表は、納車時から2024年9月末時点までの総コストです。この他にも、ルーフガラスの日よけシュードやペット用のシートカバーなど個別事例的な出費はありますが、それは除外しています。

 初年度の「タイヤ交換(1本)」というのは、約2000km走行時に筆者の不注意で機械式パーキングに入庫する際、左前のタイヤのサイドをエグってしまったことから、この1本だけを交換しました。

 3年度の法定定期点検(23年10月)が、前年度と比較して1万4300円と安価なのには理由があります。このときの定期点検は、テスラの正規サービスセンターではなく、最寄りの民間の整備工場に依頼しました。

 自動車保険は、20等級で本人・配偶者限定・ゴールド免許・その他各種割引きという条件です。それにしても、保険料の値上がりが激しいのには閉口します。車両保険の料率クラスが「16」に上がったのが原因のようです。初年度は、「12」だったと記憶しています。板金など修理費用が高額なTeslaの負の側面がここに現れています。

 「保険キャッシュバック」は、運転特性連動型の保険契約によるもので、専用車載機器とスマホアプリの連携で、安全運転により一定以上の得点を記録すると、キャッシュバックを受けられる仕組みです。前車のときから毎年満額を受け取っています。保険料の値上がりを安全運転でカバーする形です。

入庫時の車両の位置情報が見える

 Tesla車は、専用アプリや前述のTeslaFiというサードパーティのログサービスにより、車両の位置情報を確認することができます。TeslaFiであれば、過去ログを確認することができるので、車検入庫中の車両の挙動がわかります。9月3日の午前9時に関東陸運局神奈川運輸支局の車検施設に入ったことがわかります。

 時間をさかのぼり、入庫した9月1日の午後には、サービス拠点の周辺を走っていることが記録されています。これは、荒れた舗装路において、ダッシュボード付近からカタカタと音がすることがある旨を伝えていたので、それを確認するための試験走行を行ったようです。結局、再現されず経過観察ということになりました。

 その他にも、サービス拠点内において短距離移動を何回か行ったことが記録されています。

 上記は、サードパーティのログサービスの話しですが、専用アプリからは、冒頭でも述べたようにサービスの進捗を逐次確認することができ、依頼した要望に対し「技術者メモ」という形で、コメントがフィードバックされるので、安心感につながります。

 次の車検は、2年後の2026年9月です。仮に現行車を乗り続けることになれば、丸5年です。これまで筆者は、複数のシトロエンやメルセデス・ベンツを7年、10年、13年と1車種を比較的長く乗ってきました。果たして、今回のModel 3は、いつまで乗り続けることになるのでしょうか。

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