中国・35人死亡の車暴走事件 私たちを取り囲み、映像を消せと迫った謎の「市民」たち
中国南部・広東省珠海市で発生した車の暴走事件は35人が死亡する大惨事となった。事件現場付近で取材をしていた私たちは「市民」を名乗る男性たちに取り囲まれた上、撮影した映像をすべて消去させられた。彼らのような謎の「市民たち」に、中国で取材をしているとしばしば出会う。
■航空ショー取材のために訪れた珠海 その夜、事件は起きた
2024年11月11日。翌日から始まる中国最大規模の航空ショーを取材するため広東省珠海市を訪れていた私たちは、暴走事件の発生を知り、すぐさま現場に向かった。移動中、SNS上で拡散されている事件の動画をチェックする。車が人々をなぎ倒していく瞬間。地面に倒れこみ、ピクリとも動かない大勢の人々。
「また“無差別襲撃事件”が起きた…」。このところ上海のスーパーマーケットでの無差別切りつけ事件、北京市内の小学校前で5人が切りつけられた事件など、各地で無差別襲撃事件が相次いでいる。背景には社会への不満があるとの分析も出ていた。
■取材中現れた謎の「市民」 そして映像をすべて消去させられる
ほどなくして現場近くに到着した私たちは、警戒にあたる多数の警察官や警察車両を遠めの位置の公道から撮影した。さらに近づこうとしたが現場となった体育施設の入り口の門は固く閉ざされていた。その時点で警戒にあたっていた警察官は私たちの撮影を制止することはなかった。続いて目撃者の証言を撮ろうと路上で談笑していた数人の男性に話しかけた。問題はそこで起きた。
「先ほどここで起きた事件について何か知っていますか?」
カメラを手に話しかけると、男性たちの表情が一変した。
「お前らカメラで何を撮るつもりだ、ここで撮影をするんじゃない」
すごい剣幕で迫ってくる。
「わかりました。撮影はしないから。もう帰りますから」
異変を感じ取った私たちはすぐさまその場を離れようとしたが、男たちは執拗に追いかけてくる。警察官を呼びに行く男もいた。
「こいつらカメラを持っているぞ。今すぐ職務質問するべきだ」
「あなたたちは誰ですか?」
問いかけると皆一様に「ただの市民だ」という。そうこうするうちに私たちはこうした「市民」を名乗る男たちと制服を着た数人の警察官に取り囲まれてしまった。
「この市民の人たちから通報を受けたので、身分証を出してください」
私たちは警察官に身分証を見せ、日本のテレビ局の記者だと説明した。すると…
「おい、こいつら日本人だぞ。日本人が何しにこんなところへ来てるんだ!」
「市民」はさらに大声を上げ、警察官に対して私たちを派出所へ連れていけと騒ぎ始めた。
時刻は午後10時近く。夜道で十数名の男たちに囲まれ身の危険を感じた私たちは警察官の指示に従うことにした。
警察官に連れられ、数百メートルほど先の派出所へ向かう私たちに、先ほど大騒ぎしていた「市民」の1人が監視するようにぴったりとくっついてきた。派出所に到着すると慣れた様子で待ち構えていた別の警察官に事の経緯を説明し始める。警察官が私たちのパスポートと記者証の写真を撮り終えると、なぜかその「市民」は私たちが撮影した映像の消去を迫ってきた。警察官も同調する。
理由を聞いても「市民」は「事件が起きた直後で敏感な場所だから撮影は許可できない」の一点張り。これまでの経験からここでゴネても「取り調べ」が長引くだけで、消去するまで解放されないだろうと判断し、消去に応じることにした。カメラを操作し1クリップずつ映像を削除していく作業を、「市民」は本当に全て消去しているのか、疑うようにじっと覗き込んでいた。
テレビにとって映像は命。私たちにとって映像を消去させられるというのは、まさに我が身を切られるような屈辱以外の何物でもない。しかし、それ以外の選択肢はなかった。理不尽さと腹立たしい思いを抱え、ホテルに戻った。
■中国国内で遭遇した謎の「市民」による数々の取材妨害
取材を妨害されたのは私たちだけではなかった。イギリスの公共放送・BBCの記者も事件現場近くでレポートを撮影していたところ、近づいてきた男性に「撮影をやめろ!」と邪魔され、「立ち去れ!」と背中を押された。BBCがウェブ上で公開した映像を見ると、抗議しながら「あなたは誰だ?」と聞いた記者に対して、男性はやはり「中国市民だ!」と叫んでいる。
実は私たちが謎の「市民」によって取材を妨害されたのは、今回が初めてではない。
南部・広西チワン族自治区で「犬肉祭り」を取材した際には、宿泊するホテルを出た瞬間から、数人の私服の男性たちがぴったりとついてきた。最初はただついてくるだけだったが「犬肉祭り」の感想を人々に聞こうとした瞬間、男性たちはおもむろに傘を広げ、話を聞こうとした相手と私たちとの間に立ちはだかった。雨は全く降っていない。カラフルな「傘男」たちに「警察ですか?」と話しかけても終始無言で、私たちの取材をひたすら妨害し続けた。地元の人たちは大してカメラを気にしていないのに、だ。
北部・内モンゴル自治区でも同じようなことが起きた。宿泊するホテルを出た瞬間から2台の車両に分乗した男性たちがフォーメーションを組んで尾行。話しかけても何も答えず、身分も明かさない。ひたすら私たちの写真や動画を撮りまくり、誰かに報告している。その上、私たちが路上で住民にインタビューしようとすると住民に対し「話すな」というジェスチャーを送る。当然ながらその威圧的な行動に人々は恐れをなし、口をつぐむ。ある女性に話を聞いていると近づいてきて「いい加減にしろ」と低い声で女性を恫喝することもあった。その時の女性の怯えたような目が今でも忘れられない。
仕方がなくインタビューをあきらめて街の様子を撮影していると、例の男性たちの一人が大声で「おい、こいつら日本人だぞ。日本人が俺たちの街で勝手に撮影してやがる。俺たち普通の『市民』の生活を邪魔するな!」と声を張り上げ、詰め寄ってきた。同調するように「俺は日本人が嫌いだ」と声をあげる「市民」もいた。危険を感じた私たちはその場を離れ、飲食店に入ったのだが「市民」たちは隣の席に座り、私たちを監視し続けた。監視は私たちが街を離れるまでずっと続いた。
彼ら「市民」を名乗る謎の男たち(時々女もいる)は何者なのか?警察とはどのような関係にあるのか?何の法律を根拠に私たちの取材を妨害し続けるのか?誰に聞いてもその答えは返ってこない。
■表向きは開かれた中国の取材環境 しかし現実は…
習近平国家主席は2022年に行われた第二十回共産党大会で外国人記者に対し「皆さんが中国各地を歩き、客観的事実を見て、世界に向けて中国について語ることを歓迎します」とスピーチしている。外国人記者がルールに則って広く世界に中国のことを伝えることを、中国政府も表向きには歓迎している。しかし実際には謎の「市民」による取材妨害が頻繁に起きている。
もちろん、外国人記者はよそ者にすぎない。中国で取材する以上、中国人の慣習や考え方を尊重すべきであると思う。中国人がよく口にすることわざに「家丑不可外揚(身内の恥は外に晒さない)」というものがある。中国のネガティブな側面を外に報じられることは恥ずべきことだ、という中国人の考え方が外国メディアに対する過剰反応の一因なのかもしれない。
また、ここ数年、「外国人をスパイだと通報して表彰された」といったような政府の発信を通じて「外国人を見たらスパイと思え」という考えが浸透しているとも考えられる。
読者の中には「なぜあっさり映像を消去してしまったんだ。もっと抵抗すべきではないか。弱腰だ」と思われた方もいるかもしれない。しかし、ここは日本ではない。私たちは中国で暮らしながら取材をしている。
日本の隣国であり、政治的にも経済的にも歴史的にも関係の深い国、それでいて取材環境・メディアをとりまく環境は日本と大きく違うこの国に留まり続け、起きていることを伝え続けること、それが最も重要なことだ。そのためには不本意ながら中国のやり方に従わざるを得ないこともある。
私たちも黙っているだけではない。このような理不尽な取材妨害を受けるたび、私たちは外国メディアを管轄する中国外務省に改善を求めてきた。今回、映像を削除させられた件についても中国外務省に遺憾の意を伝えている。
めまぐるしく変化する中国社会について様々な視点で伝えるからこそ世界中の人々が「今の中国」についての知識をアップデートすることができる。珠海で起きた今回の事件も、世相を反映している可能性が高い。実際、17日には江蘇省・無錫市の専門学校で21歳の男が刃物で切りつけ、8人が死亡。さらに19日には湖南省・常徳市の小学校前で車が児童らを次々とはねる事件が起きている。相次ぐ事件の背景には何があるのか、現場を取材して伝えるのが私たちの仕事だ。メディアを通して世界の人々が中国に対する理解を深めることは、人どうし、ひいては国どうしの相互理解に繋がるはずだと信じている。外国メディアのクルーを派出所に連行し、映像を消去させるという行為は決して受け入れられるものではないし、相互理解には何の役にも立たない。
無差別殺傷事件に出国禁止も…中国で何が起きている?「経済が崩壊に近い状態」「知識人同士が食事すると警察が来る」
中国で無差別殺傷事件が相次いでいる。19日には湖南省で小学生らの列に車が突っ込み、現地メディアによれば11人が搬送された。また11日にも広東省で車が暴走、35人が死亡した。現地の人々も「非人道的だ。社会への報復なのでは」と不安の声を口にするが、中国外務省は、外国人の死傷者はいないとした上で「中国は世界で最も安全だ」と強調した。そんな中、ネットでは別の問題にも関心が高まっている。それが、外国人の出国禁止だ。ウォール・ストリート・ジャーナルは、中国で勤務する外国人ビジネスマンらが出国禁止になるケースが多発していると報じている。
外国人が出国禁止になった背景と言われているのが「反スパイ法」。国家の安全に危害を与える活動を摘発する法律が去年改正され、スパイの定義が拡大。政府による取締りが強化されているという。このような事態に、ネットでは「もう中国でビジネスは無理だ」「観光だろうと中国に行くこと自体がリスク」という声まで出始めている。『ABEMA Prime』では中国事情に詳しい社会学者、また中国で資格を剥奪され国を逃れてきたという人権派弁護士を招き、中国の現状を考えた。
■中国の各地で無差別殺傷事件…犯行の理由は?
中国で続く無差別殺傷事件。社会学者で東大院教授の阿古智子氏は、湖南省で起きた事件の背景について「車で突っ込んだ犯人は所得が低いなどではなく、離婚訴訟に不満があったと聞いている。当局の発表では個人的な問題とされているが、司法制度や裁判が不公正だと感じた可能性もある」と述べた。また、職業訓練校で学生らを刃物で切りつけ8人が死亡した事件については、「(犯人は)16時間働かされ給与が未払いだった。労働法の進歩を求める手紙を書いていた。政府の法律や政策、システム、司法のあり方に意見があるような人たちが絶望した中で、無差別にそういった事件を起こした可能性がある」と説明した。
人権派弁護士ながら、中国で資格を剥奪されて来日した李金星氏は「悲しいことだ。我々の国でこんな事件が起きるとは思わなかった。中国で20年間働いた弁護士としては悲しく思う。中国社会の矛盾が激化していることを露わにしている。法律で解決できるはずの問題が解決されず、心理的にも経済的にも人々は安心感を欠いている。人々が自分を愛していないし、他の人も愛していないという形になっている。多くの矛盾、社会的な紛争は法律を通して解決できるはずだが、中国の法律の制度は日本のような形にはなっていない」と指摘した。
中国国内における法の運用について、李氏は「中国のGDPが成長し、市場も拡大する中で法律に対する要求が高まっている。しかし、現状の法律制度は未完成。個人の財産や自由を保護するための法制度が不足している」と急速に発展した経済に比べて法律が追いついていないという問題点を挙げた。
また「過去の40年間、中国は非常にプラスのイメージとして世界に登場しているが、最近になって、急に経済が悪化しているし、またこういった殺人事件が急に増えているということで、みんなが全土に対する失望感や不安を非常に抱えている」と付け加えた。
■今なお厳しい中国の規制「4、5人集まるだけで警察が来る」
中国では、人々が集団で行動することに対する政府の規制が依然として厳しいままだという。阿古氏は「普通、同じような問題意識を持つ人が集まると、ネットワークを作ったり組織を作ったり、あるいはデモを行ったりすることが考えられる。しかし、中国では人々が繋がることが厳しく制限されている。だから4、5人で集まるだけで警察がすぐに来てしまう。知識人など、マークされている人が一緒にご飯を食べるだけでも、警察が来て約束のレストランに行けなくなる状況だ」と語った。
「このような環境では、人々が抱える悩みを誰かに相談することも難しくなる。表現することでストレスを緩和したり、問題解決に向けて建設的に動いたりすることもできず、とにかく取り締まる方向にばかり進んでいる。人権弁護士が悩みを聞き、サービスを提供し、政府機関に働きかけていたが、今ではその弁護士たちも逮捕され、役割を果たせなくなっている」と伝えた。そんな規制に対抗してか、大学生10万人が小籠包を食べに行こうと自転車で夜中に大移動するという行動もあった。
李氏も「総じて見れば中国国内では規制がどんどん厳しくなっている傾向が見られる」と同調する。「コロナ禍で、国民の情報に対する規制の方法が増大化している。中国では汽車、電車、バスに乗る時は身分証明書の承認が必要だが、誰でもそういう状態に慣れるようになった」と、コロナ禍によってさらに厳しくなったものの、それを受け入れてしまっている現状があるという。
■中国から出たくても出られない?いきなり拘束される例も
事件が多発し、経済状態も悪化する中国において富裕層に限らず、国を出ていくという動きも広がっている。李氏は「国を出ようとしている人が多く存在している。日本に来ている中国人の多くは、知識人や企業家が過半数だ。弁護士や大学教授、記者などだ。こうした人々の交流は、経済文化の交流として重要だと考えている」。また阿古氏も「日本の投資環境は効率が悪いと指摘されている。それでも来る理由は言論の自由だ。中国では禁止されている活動が日本でできるし、中国で討論したらすぐに警察が来そうなテーマでも自由にディスカッションができる。中間層だと子どもの教育や競争を避けるために日本に来る人もいる」と加えた。
中国国内にいる外国人が出国できないという問題も生じていることについて、拘束された経験もある阿古氏は、「私は以前、中国で調査をしていた時、地方政府の腐敗を追及していた。帰ろうと思って夜行列車に乗ろうとしたところ、連行され一晩留め置かれた経験がある。反省文を書かされた」。また、昨年3月に拘束されたアステラス製薬の男性社員についても「その方から『もうこの国には結構、絶望しました』と電話をもらった。情報を扱っている人はずっと見張られているから、例えば大使館に逃げ込もうとしてもその途中で拘束されることもある。何か脅迫されて『お前が出国すると捕まえるぞ』と圧力をかけられれば帰れない。だから軟禁状態というか、その代わりに何か情報を出せと言われたりする」と言及した。
中国で「SUVを運転する62歳男」が大勢の人を次々とはね、78人を殺傷…!「爆発した高齢者」が「台湾有事」へと誘導される「悪夢のシナリオ」
マクドナルド結婚式のひろがり
中国経済がいっこうに上向かないなかで、若者たちの間には「ダウングレード」が合言葉になっている。
前編『習近平よ、もう限界だ…!中国の若者に広がる「マクドナルド結婚式」の悲惨と「デフレ旅行」も規制されて爆発寸前!経済転落がもたらす現実のヤバすぎる実態』で紹介したように、厳しい生活環境にある若者たちの間で「ミニマリズム(必要最低限のもので暮らすライフスタイル)」が流行している。
彼らのモットーは「レス・イズ・モア」だ。豪華な結婚式も今は昔だ。マクドナルドのコーラとハンバーガーで新郎・新婦を祝福するスタイルも当たり前になりつつある。
河南省ではこのところ「夜のサイクリング」がブームとなっていた。鄭州市の大学生が6月、約50km離れた開封市まで自転車で出かけ、名物のスープ入り肉まんを食べて帰ってくる様子をSNSに投稿したことがきっかけだったが、11月8日に参加者が数万人規模に達すると交通当局は翌9日、自転車での主要道路の通行を禁止する通知を発出した。
「中国の若者による集団行動が政治的なものに転じる」ことを警戒したからだと言われている。
取り締まりのせいで多くの大学生がキャンパス内に閉じ込められており、数少ない楽しみを奪われた不満はむしろ政府に向かうのではないか。
高齢男性が78人を殺傷…!つづく「社会報復」
中国では社会への報復を意味する「社会性報復」と呼ばれる暴力事件が後を絶たない。
今年前半から暴力事件が相次いでいたが、11日夜に深刻な事件が起きてしまった。
広東省珠海市のスポーツ施設の施設内で暴走した小型のSUV(多目的車)が大勢の人を次々とはね、35人が死亡、43人が負傷した。
運転していたのは62歳の男で、犯行後、車内で刃物による自殺を図り、意識のない状態で病院に運ばれた。警察は「動機は離婚後の財産分与への不満だ」としているが、取り調べをできる状況ではないという。
SNSでは「外部勢力による指図」など様々な憶測が飛び交っているが、筆者は犯人の年齢(62歳)に注目している。
矛先を突きつけられた習近平の焦り
中国では60歳以上の男性は高齢者に分類されることから、今回の事件は高齢男性が事件を起こしたことになる。中国で広がる高齢者の孤独が関係しているのかもしれない。
日本ではあまり知られていないが、中国では高齢者の自殺率の高さが問題になっている。 都市部では再開発に伴う自宅からの立ち退きが頻発し、見ず知らずの場所に移住させられた高齢者の多くが孤独に苛まれ、挙げ句の果てに自ら死を選ぶケースが急増している。
事件現場は高齢者の溜まり場だった。彼らは大音量で音楽を流しながら数十人が隊列を組んで行進する「爆走団」と呼ばれており、近所の住民にとって迷惑な存在だった(11月14日付RecordChina)。犯人は社会のルールを守らない高齢者を道連れにして「拡大自殺(周りの人を巻き沿いにする自殺)」を図ったのではないだろうか。
中国では年齢を問わず、やり場のない怒りや不満が鬱積している感が強い。
「社会性報復事件を起こす犯罪予備軍の数は億単位に上る」との分析もある(11月13日付RecordChina)。
習近平国家主席は12日「過激な事件の発生を厳格に防ぐ」よう、地方政府などに厳命した。国民の怒りが自らに向かうことを極度に恐れていることだろう。
国内の不満にさらされた国家の指導者がその矛先を対外の「敵」に転化し、しばしば戦争の引き金となったことは過去の歴史が教えるところだ。
現実味を帯びる「台湾侵攻」
中国にとっての目下の敵が、頼清徳総統の率いる台湾であることは言うまでもない。
中国国営TV「中国中央電視台(CCTV)」が放映した台湾侵攻をリアルに伝えるドキュメンタリーシリーズが中国国内で話題を呼んでいる(10月20日付ニューズ・ウィーク日本版)。
米戦略国際問題研究所(CSIS)は10月10日「中国の台湾侵攻で世界全体の国内総生産(GDP)の10%が吹き飛ぶ」とする衝撃的な報告書を公表している。
「中国が台湾を侵攻する」と断言するつもりはないが、世界経済にとって最大の「テールリスク(確率は低いが、発生すると非常に大きな損失が生じるリスク)」であることは間違いない。
中国の社会不安が世界経済に深刻な被害をもたらさないことを祈るばかりだ。
さらに連載記事『習近平、もう手遅れだ…中国19億人の“ケチケチ旅行”が映し出したデフレ経済「悪夢の真相」』でも、国民の置かれるきびしい状況を伝えているので、ぜひ参考としてほしい。