任天堂の音楽がスマホで聴ける!「Nintendo Music」配信開始―Nintendo Switch Online加入で最新ゲームからレトロな名曲まで、サントラがプレミア化していたものも
任天堂は、自社ゲームタイトルの音楽を配信するスマートフォン向けアプリ「Nintendo Music」を発表しました。
任天堂の楽曲がスマホで聴ける!
本アプリは、Nintendo Switch Online加入者向けに提供される「任天堂が発売してきたゲームタイトルの楽曲が聴けるサービス」。『スプラトゥーン3』『ゼルダの伝説 ブレス オブ ザ ワイルド』などスイッチタイトルから、『スーパードンキーコング』『トモダチコレクション』など過去ハードの名作まで、さまざまなタイトルの名曲をいつでもどこでも聴くことができます。
任天堂は各タイトルのサウンドトラックをデジタル配信してておらず、ゲームではなくプレイヤーで聴きたい場合は、CDが発売されているタイトルを購入するしかありませんでした。そのため、入手方法が限られていたり、販売されていたとしてもプレミア価格がついている例も見られていました。このアプリが登場したことにより、これまでサントラ化が実現しなかったものや、プレミア価格になっているサントラを手軽に聴けるようになりそうです。
「Nintendo Music」ではタイトルごとのアルバムはもちろん、任天堂が作成したプレイリストも用意されています。キャラクターに関連したものから気分に合わせたもの、「冒険のはじまり」などテーマにあわせたものまで選択できます。自分好みのタイトルばかり集めた独自プレイリストの作成も可能です。
特徴的な機能として、「ネタバレ防止」機能があります。これは「サントラが聴きたいけど曲名でのネタバレを避けたい」というユーザーに向けたもので、事前に登録しておくことで情報を伏せられます。また、一部楽曲で利用可能な「ながさチェンジ」機能では、本来の長さからより長くすることで、集中したいときなどのBGMとして楽曲が途切れないようにして楽しむことができます。
「Nintendo Music」は、iOS/Android向けに配信中。利用にはNintendo Switch Onlineへの加入が必要です。
『あつまれ どうぶつの森』
Wiiチャンネル(Wiiショッピングチャンネル、似顔絵チャンネルなど)
『スーパードンキーコング』
『スーパーマリオ オデッセイ』
『スーパーマリオ ヨッシーアイランド』
『スーパーマリオギャラクシー』
『スーパーマリオブラザーズ』
『スターフォックス64』
『スプラトゥーン3』
『ゼルダの伝説 時のオカリナ』
『ゼルダの伝説 ブレス オブ ザ ワイルド』
『ドクターマリオ』(ゲームボーイ版)
『トモダチコレクション』
『nintendogs』
『ピクミン4』
『ファイアーエムブレム 烈火の剣』
『ポケットモンスター スカーレット・バイオレット』
『星のカービィ』
『星のカービィ スターアライズ』
『マリオカート8 デラックス』
『メトロイド』
『メトロイドプライム』
『Wii Sports』
『スーパードンキーコング2 ディクシー&ディディー』
『ゼルダの伝説 スカイウォードソード』
『スプラトゥーン2』
『F-ZERO X』
『スーパーマリオ64』
『スーパードンキーコング3 謎のクレミス島』
『ゼルダの伝説 風のタクト』
ゲーム音楽配信サービス「Nintendo Music」 今後に与える影響は
任天堂が31日、スマートフォン向けのゲーム音楽配信サービス「Nintendo Music(ニンテンドーミュージック)」の配信を始めました。同サービスの狙いや見通しについて考えてみます。
ココがポイント
Nintendo Music 紹介映像
使い勝手を編集部記者がさっそく試してみた(中略)ゲーム作品数はそれほど多くないものの、それでも現時点で満足度は十分に高い
出典:PHILE WEB 2024/10/31(木)
2021年の世界のビデオゲームミュージック市場規模は13億910万ドル(中略)多くのメリットをもたらす大規模な成長市場
出典:Business Research Insights 2024/10/14(月)
メディアも評論家もほとんどゲーム音楽を相手にしようとしなかった1980〜1990年代と比べると、隔世の感がある
出典:WIRED 2022/09/16(金)
エキスパートの補足・見解
テレビゲームを彩るゲーム音楽は、シンプルなメロディーゆえか、特に誕生の初期は評価されづらい一面がありました。しかし今は、本格的な演奏会を開催するのも普通になりました。ゲーム音楽が東京五輪で使用され、グラミー賞がゲーム音楽部門を設ける時代になったのです。
一方でゲーム音楽が、コンテンツビジネスとして十分に活用されてきたかと言えば、ノーでしょう。2030年には現在の2~3倍になるという調査会社の予測もあります。となればゲーム音楽をより積極的に活用するのは、当然の戦略です。
ただし「Nintendo Music」の狙いは、収益を増やすよりも、ユーザー囲い込みの一環と見るべきでしょう。具体的には、コンテンツと利用者の接触点を増やしつつ忠誠心を高め、任天堂の有料ネットワークサービス「Nintendo Switch Online」の会員増を促すツールです。そして有料サービスの安定収益は、ヒットに左右されがちなゲーム会社にとってありがたいのです。
なお、昨年にソニーグループのソニー・ミュージックレーベルズが、ゲーム音楽に目を付けたプロジェクト「SACRA GAME MUSIC」をスタートさせています。ソニーと任天堂が動けば、コンテンツ業界の今後に影響がないはずはありません。ゲーム会社は、コンテンツ市場で優位に戦うため、よりゲーム音楽を活用する動きを見せるのではないでしょうか。
Nintendo Music 紹介映像