米不足や高騰の今こそ考える お米の正しい保管方法
ごはんが美味しい新米の季節がやってきました。しかし、今、お米が手に入りにくくなっています。原因は、昨年の猛暑や自然災害の影響で米の収穫量が減少したこと、消費量の見通しのズレ、さらにインバウンド客の増加による需要の急増なども重なり、米の供給が追いつかない状況が続いているからのようです。そんな中、せっかく手に入れたお米も保存方法を間違えると虫がついてしまうこともあります。お米の高騰や品薄が続く今だからこそ、正しい保管方法を知っておくことが大切です。
エキスパートの補足・見解
今後、比較的高い価格が予想されているお米ですが、正しい保管方法を知って、実践することで、貴重なお米を無駄にすることなく、美味しく食べることができます。
お米に湧く虫には、コクゾウムシやノシメマダラメイガなどがいます。これらの虫が湧かないようにするためには、いくつかの方法があります。まず、密閉容器にお米を入れることで虫の侵入を防ぎます。次に、冷蔵庫で保管することで、もし虫がついていた場合でも成育を抑えることができます。また、虫の大好物である糠(ぬか)を取り除くため、米びつは定期的に洗い、清潔な状態を保つことはとても重要です。さらに、市販の防虫剤を使用することで、虫の発生を予防するとよいでしょう。
お米の供給が不安定な今、私たち一人ひとりができることは、お米を大切に保管し、無駄なく消費することです。これからも美味しいごはんを楽しむために、ぜひ今回ご紹介した保管方法を実践してみてください。正しい保管方法を実践することで、お米の品質を保ち、無駄なく消費することができます。私たち一人ひとりの対応が、貴重な国産米を守り、美味しいごはんを楽しむための一助となるでしょう。
売り切れ続出、価格高騰、ひとり1点の購入制限......。品薄で悲鳴!! コメはどこへ消えたのか?
売り切れ店が続出し、在庫があっても購入制限付き。最近「コメ不足」のニュースが大きく報道されている。なぜ、こうなったのか? いったい、いつまで続くのか? 消えたお米の謎に迫った!
■精米ロス、米食シフト、インバウンドが原因!?
コメ不足が深刻化している。スーパーのお米コーナーでは棚が空っぽになっていたり、あったとしても「ひとり1点」の購入制限がかかっていたりする。
東京都練馬区のスーパー「アキダイ」の秋葉弘道社長に現在の在庫状況を聞いた。
「去年産のお米は終売で底を突いているし、新米もまだそろっていません。今は在庫が非常に少ない状態です。お店から3種類のブランド米を注文しても2種類しか入ってこなかったり、その2種類も半分の量だったりしています。
また、入荷したお米も店頭に並べると数時間で売り切れます。問屋さんがお昼に持ってくると夕方までにはなくなっています」
やはり、まだコメ不足は続いているのだ。では、なぜコメ不足になっているのか?
コメが消えた理由を『減反40年と日本の水田農業』『米生産調整の経済分析』(共に農林統計出版)などの著書がある日本国際学園大学の荒幡克己教授に解説してもらった。
「コメ不足の理由は3つあります。まず、日本はこの20年ほど、人口の減少やパン、麺などを主食として食べる食の多様化で、毎年10万tずつお米の消費量が減ってきました。そのため、昨年の収穫の見通しを立てるときにも例年と同じように収穫量を10万t減らしました。
しかし、今年は逆に消費量が10万tほど増えていて、プラスマイナスで20万tほどの差ができています。その大きな理由が外国人観光客の増加です。外国人観光客が『せっかく日本に来たのだから』と海鮮丼や天丼などのご飯物を食べて、たくさんのお米を消費しました。
ふたつ目が、精米時のロスです。作況指数という収穫量を表す数字があり、例年どおりにお米が取れると100となりますが、昨年はこれが101でした。例年と同じくらい取れたということです。
ところが昨年の夏はものすごく暑かった。そのため生育が悪く、通常の米粒は透明感があるのに、中が白く濁ってしまったんです。こういう未熟米は精米するときに砕けやすい。
ですから、農家は例年と同じように取れたと感じていますが、実際は流通して精米する段階で減ってしまった。このロスが9万tくらいあるといわれています。
3つ目が、パンなどの値上がりです。ウクライナ戦争などの影響で、小麦粉の世界相場が上がっています。すると、お米自体が値下がりしたわけではないのに割安感が出て、お米への消費シフトにつながりました。
この3つの理由で、コメ不足になっているのです」
実感としては、この夏頃からコメ不足になったような気がしますが......。
「実は収穫から半年くらいたった春の時点で、お米は不足していて値段がどんどん上がっていました。
お米は秋に収穫した時点で、『1俵(約60㎏)1万6000円で買う』などと契約している業者がいます。その場合は値上がりしませんが、そのときに在庫を多く持たず必要な分だけ買う当用買いの業者は、『どうも品薄らしい』という情報を得ると焦って『少し高くても買うか』となってしまいます。すると売る側もまた売値を上げて、どんどん価格が上がってしまう。
ディスカウントストアなどは、普段は当用買いで安く買っていたので消費者の味方だったのですが、品薄のあおりを受けて、お米が手に入らなくなってしまいました。そして、7月になって一般の消費者が目にするような品薄状態になってしまったんです。
それに夏の時期は毎年、品薄になります。それもあって、さらに品薄状態が注目され、大きく報道されて消費者の人たちも慌てたのではないでしょうか」
では、コメ不足はいつ頃終わるのでしょうか。
「地域によって違いますが、宮崎県や鹿児島県、高知県、千葉県などはすでに早場米の収穫が終わって出回っています。ですから、今月は新米がだんだんと流通してくるのではないでしょうか。
ただ、今は多くの人がお米を買いたがっているので、価格は上がります。業者も『早く商品を仕入れたい』という気持ちがありますし、売る側も強気になるので、今後も比較的高い価格の状態がしばらく続くと思います」
■今月中旬には店頭にお米が並ぶ!?
今年の新米の出荷状況を「JAえちご上越」の担当者に聞いた。
「早生品種の『つきあかり』の検査を8月26日から始めました。今、検査しているお米を見る限り、粒の大きさは昨年よりもいい状況です。
今月から本格的な検査を始めるので、スーパーなどの店頭にお米が並ぶのは今月中旬くらいではないでしょうか。
今年は、お米の生産者への支払い金額は2割程度上がっています。ですから、店頭でも価格はそれくらいは上がると思います」
やはり、今月中旬にはコメ不足は解消しそうだ。
最後に荒幡教授がお米をおいしく食べるコツを教えてくれた。
「スーパーなどでお米のパッケージを見ていただくと、いつ精米したかが表示されています。お米のおいしい期間は、精米から1ヵ月半~2ヵ月までといわれているので、精米から日数がたちすぎると味が落ちます。ですからお米を買い占めてストックしておかないほうがいいと思います」
消えたお米は、9月中旬頃には現れそうだ。
