東芝株、4590円で幕 20日に上場廃止
東芝は20日に東京証券取引所などへの株式上場が廃止となる。19日の東京株式市場では東芝株が最終売買日となり、前日比5円安の4590円で取引を終えた。2015年に不正会計が発覚してから、アクティビスト(物言う株主)と対立するなど経営の混乱が続いてきた。株式を非公開化して再生を目指す。
今後は投資ファンドの日本産業パートナーズ(JIP)が単一株主となり、経営基盤を安定させる。11月22日に臨時株主総会を開き、株式を非公開化するために必要な株式併合などの手続きに関する議案を承認可決していた。9月にJIPと国内企業連合が東芝へのTOB(株式公開買い付け)を実施済みで、JIPは残りの株式を強制的に買い取って全株を取得する。
東芝は74年におよぶ上場会社としての歴史に幕を引く。22日付で新たな経営体制が発足する。島田太郎社長が続投するほか、取締役に中部電力の勝野哲会長を招く。JIPと中部電力、オリックスといった企業連合の出身者が7人の取締役のうち6人を占め、再生を主導する。投資ファンド傘下で早期の業績改善を図る。
「上場廃止、ざまあ見ろ」東芝で見た敗戦の必至 世界から消えた日本
2023年11月22日、上場企業としての東芝の「最後の株主総会」が開かれた。日本を代表する総合電機メーカーの上場廃止が正式に決まった。
東芝に30年勤めた横浜市の50代男性は、仕事の合間を縫って会場に足を運んだ。株主総会に出席したのは初めてだった。
「ここで言わなければ、一生思い残すと思って」。質疑応答で思いの丈を述べ、会場を出て、ひと言つぶやいた。
「上場廃止、ざまあみろ」
男性はこの7年半前、東芝にリストラされた。
東芝が20日に上場廃止 74年の歴史に幕、5年後の再上場めざす
東芝は20日、東京証券取引所への上場を廃止し、1949年以来、戦後74年にわたる上場企業の歴史に幕を引く。長引く経営の混乱から抜け出すため、国内投資ファンドの日本産業パートナーズ(JIP)による買収を受け入れた。22日には経営陣を刷新し、5年後の再上場に向けた再建をスタートさせる。
東芝は19日、上場廃止にあたって「新しい株主の下、新たな未来に向かって大きな一歩を踏み出す」との文書を公開した。
東芝は2015年に不正会計問題が発覚。17年には米原発子会社の破綻(はたん)で債務超過に陥り、「物言う株主」を含む海外ファンド60社からの増資を受けた。その後、株主総会で取締役の人事案や会社の再建案が否決されるなど、株主との対立が続いてきた。
東芝上場廃止へ 上場74年の歴史に幕 迷走を続けた名門企業が大きな節目 “モノ言う株主”と決別|TBS NEWS DIG