トヨタ子会社を下請け法違反で勧告 不当返品や金型無償保管 公取委
下請け業者に対して納入品を不当に返品したり、金型を無償で保管させたりしたのは下請け法違反に当たるとして、公正取引委員会は5日、トヨタの子会社「トヨタカスタマイジング&ディベロップメント」(横浜市)に再発防止を勧告した。
公取委や同社ホームページによると、同社はトヨタ自動車が約9割の株を保有。救急車などの特装車やエアロパーツの開発を手掛けており、2023年3月期の売上高は833億円。
公取委によると、同社は遅くとも22年7月以降、下請け65社から納入された車体パーツなど計2604個を不当に返品した。いずれのパーツにも瑕疵(かし)があったものの、同社は返品の前提となる検収をしていなかったうえ、取り外し工賃を下請け側に負担させていた。
また、同社はパーツの大量生産に必要な金型など664個の保管を49社に強要。中には1996年から保管させたままになっていた金型もあった。新たにパーツを発注する予定がないにもかかわらず、保管費用を支払っていなかった。
公取委は、こうした行為が下請け法が禁じる「不当な返品」や「不当な経済上の利益の提供要請」に当たると認定。同社は返品に伴う被害相当額5427万円はすでに支払い、金型保管の被害額は算定中という。
公取委の担当者は「特に金型の保管では違反の認識自体を持っていなかった。問題意識を広めていく必要がある」と指摘した。
トヨタ子会社社長が謝罪 下請法違反「申し訳ない」
トヨタ自動車の子会社「トヨタカスタマイジング&ディベロップメント(TCD)」の西脇憲三社長は5日、下請法違反で公正取引委員会から再発防止を勧告されたことを受け、東京都内で記者会見し「多大なるご迷惑、ご心配をおかけし、大変申し訳ない」と謝罪した。取引先との補償の協議を進めると説明した。
トヨタはコメントを出し「TCDの取引先をはじめとする皆さまにご迷惑、心配をおかけしおわび申し上げます」と謝罪した。
公取委は、同社が自動車部品の大量生産に必要な「金型」を下請け業者に無償で保管させたことが、下請法違反(不当な経済上の利益の提供要請)に当たると判断した。
