高浜3、4号機も60年運転可能に 20年の延長、規制委すべて認可
来年で運転開始から40年を迎える関西電力高浜原発3、4号機(福井県)について、原子力規制委員会は29日、60年までの運転を認可した。東京電力福島第一原発事故後に原発の運転期間は原則40年となり、政府は最長20年の延長は「極めて例外的」としていたが、これで申請された4原発8基がすべて認可された。
■当初は「極めて例外的」 来年6月には「60年超」も可能に
高浜3、4号機は1985年に運転を開始。関電は昨年4月、延長を申請した。規制委は29日の定例会で、超音波による検査や目視で原子炉容器などの重要設備に問題は確認されていないという審査結果を確認。点検方法は適切で、関電が方針通り計画的に管理することで60年時点でも設備の機能は維持できるとして、運転延長は妥当だと判断した。
また、タービンを回すための「蒸気発生器」については、伝熱管に損傷が見つかっており、関電は3、4号機とも交換する方針を示している。
福島第一原発の事故後の法改正で、原発の運転期間は原則40年で、規制委が認めれば1回だけ最長20年延長できるようになった。政府は当初、延長について「極めて例外的なケースに限られる」(当時の野田佳彦首相)と説明していたが、申請が認められなかったケースはない。
これまでに60年までの運転が認可されているのは、関電の高浜原発1、2号機、美浜原発3号機(福井県)、日本原子力発電東海第二原発(茨城県)、九州電力川内原発1、2号機(鹿児島県)。
運転延長が認可された8基のほか、今後10年で運転開始から40年を超える原発は14基ある。さらに来年6月に本格施行される新制度では、規制委の審査などで停止した期間を運転期間から除くことで60年超の運転が可能になる。
除外期間の審査基準は経済産業省の有識者会議で議論中だが、同省の昨年3月時点のまとめでは、除外される可能性のある期間は高浜原発3号機で5年9カ月、4号機で6年4カ月とされた。
原発運転60年超は「未知のゾーン」 老朽原発を使い続ける問題点
原子力規制委員会は29日、来年で運転開始40年となる関西電力高浜原発3、4号機(福井県)の運転期間を60年まで延長する申請を認可しました。これで、申請された全8基が認可されました。来年6月には新制度が本格施行し、60年を超えた運転が可能になります。老朽原発を使い続けることに問題はないのか。明治大の勝田忠広教授(原子力政策)に聞きました。
運転期間の原則40年ルールは、古い原発を廃炉に誘導する意味があった。廃炉が進むなかで、特定の地域に事故のリスクを負わせる原子力の問題点などを考え、どういう社会をめざすのか、議論を深めるべきだったが、それがないまま、ずるずると運転延長が進んでしまった。
