ビッグモーター以下! 前代未聞! 旭川トヨタの「封印不正」はどれくらいダメなこと?

ビッグモーター以下! 前代未聞! 旭川トヨタの「封印不正」はどれくらいダメなこと?

新車ディーラー前代未聞の「封印不正」とは?

旭川トヨタの「封印不正」が3月21日、ニューモデルマガジンX誌のスクープによって世に知れることになった。

実は筆者も以前、情報提供を頂いて旭川トヨタにおける「認知症高齢者への車販売」についての記事をマガジンXに寄稿したことがある。明らかに認知症を患っている歩行困難な高齢者に対して次々とクルマを販売していたという話である。

たびたび物損事故を起こし、そのつど旭川トヨタの販売店に修理で入庫しているにも関わらず、同社は筆者の取材に対し「認知症だとは思わなかった」と回答している。旭川トヨタといえば、日本一広い販売エリアを持つ販売店であり、2023年夏には街路樹伐採問題が報じられたレクサス旭川も同社が経営している。

さて、その旭川トヨタによる前代未聞の不正行為…「封印不正」の内容は以下の2点である。いずれも国交省が認めている不正である。

1.事故でバンパーなどを修理した際に封印を外したあと、同じ封印を使って「再封印」していた。

2.新車販売時の封印取り付けを届出事業場以外の場所で封印取り付け担当者以外の者が行っていた。

1に関して独自に修理業者にリサーチしたところ「板金工場ではそれが普通でしょ」「封印外しなどの道具を使ってきれいに外して再利用すれば問題ない」などの回答が大半を占めていた。

しかし、2の新車への封印不正に関しては「そんな話は聞いたことがない」「ディーラーが封印の不正? それはヤバい」などの声が聞かれた。1も2も道路運送車両法違反となる。

そもそも「封印」とは何なのか

AUTOCAR JAPAN読者の皆様ならナンバープレートの封印が非常に大事なものだということをご存じだろう。

封印はナンバープレートが交付された際、車台番号/自動車検査証/ナンバープレートを確認したうえでその同一性が確保されたことを証明するもので車両の所有権の公証や特定の他、車両盗難などの犯罪を防ぐ役目も担っている。

ナンバープレートに封印がないクルマや1円玉をはめ込んでいる場合は別のナンバーに付け替えられた盗難車である可能性が極めて高い。

道路運送車両法第11条によりナンバープレートに封印を取り付けないままに公道を走ることは禁じられている。封印の上にペットボトルのふたを被せるなどして文字が見えないようにすることも違法行為である。

封印には「東」「神」「福井」などの文字があるがこれらはそれぞれ東京、神奈川、福井といった管轄の運輸支局を意味する地名だ。封印は外務省が発行する青い「外ナンバー」にもつけられており、封印には「外」の文字が刻印されている。

そして、封印の取付は国土交通大臣または道路運送車両法第28条の3第1項による委託を受けた「封印取付受託者」が登録された場所でしか行うことができない。(資格を持つ行政書士による出張封印等を除く)

また、一度外した封印はいかなる場合も再利用(再封印)は不可。そもそも、移転登録によるナンバープレート変更や整備や修理などやむを得ない理由以外で外した時点で道路運送車両法第11条違反となり、6カ月以下の懲役か30万円以下の罰金が科せられる。

また、故意に封印を外した状態(破損も含む)で公道走行した場合は同じく第19条違反で罰金50万円以下にまで増額される。無車検運行や自賠責切れと同レベルの重罪だ。

なお、封印はこれまで何度か形やサイズ、仕様などが替えられている。現在の封印は2004年9月以降採用の「自己破壊型」で無理に抜くと封印上部が円形に切り取られ再使用ができなくなる。かつて封印が抜き取られて悪用される例が多発したため抜けにくい形状に改良されているのだ。

1986年からずっと「封印不正」を行っていた

やってはいけない封印の再利用を旭川トヨタは長年「不正とは知らず」やってきた。

その不正に対して同社は令和6年3月23日付で公式サイトに代表取締役社長 西川弘二の名前で「封印受託業務に対する弊社の不適切な対応に関するお詫び」を出している。現在判明の内容として書かれている内容は以下となる。

【現在、判明の内容】

・旭川ボデーサービスセンターにて、車両修理のためにリアナンバープレートの封印冠を外す必要がある場合は、封印冠を壊し、再封印の際は新しい封印冠での封印が必要となりますが、封印冠を壊さずに再使用・取付けをしておりました。

・不正の件数につきましては、現在、対象店舗と期間を拡げ調査中でございますが、旭川ボデーサービスセンターの令和4年12月1日から令和5年11月30日まで社内調査した結果では、85件の不正を確認しております。

まだ詳細は調査中とのことであるが同社は地元メディアの取材に対して「旭川ボデーサービスセンターができた1986年からずっと工場内で再封印を行っていた」「それが不正にあたるとは思わなかった」と回答。

道北エリアで販売台数トップのトヨタ販売店が40年近く不正とは知らず再封印をしていたのは本当に驚きである。そして、不正に対する同社の対応として「旭川運輸支局管内の封印取付けの受託業務を3月1日付で自主返納させていただきました」としている。

封印取付け受託業務の「自主返納」とはあまり聞いたことがない言葉だが、行政処分の一種なのだろうか?

「自主返納」に法的な位置づけなし?

詳しいことを国交省自動車情報課に聞いてみたところ、意外な答えが返ってきた。自主返納に法的な位置づけはないとのことである。

「自主返納というのは、旭川トヨタ側で使っていることばで法的な位置づけがある処分ではありません。旭川トヨタについては、現在事実関係の確認を行っているところであり、処分内容はその後に決定します。

国土交通省が自主返納で良いとした事実はありません。自主的に封印の取付けをやめることで これ以上不適切な封印がなくなるので、これを認めたに過ぎません。自主返納をもって(行政)処分をしたとするものではありません」(国交省自動車情報課)

なるほど、自主返納は行政処分ではなく、勝手に旭川トヨタが使っている言葉のようである。さらに封印取付けの受託業務を「返納」(=終了)する際にはこれまた道路運送車両法にて厳格な取り決めが存在する。

・事業場の位置の変更等の承認 第十五条の三

【封印取付受託者は、事業場の位置を変更しようとするとき、又は封印の取付けの業務をやめようとするときは、あらかじめ、運輸監理部長又は運輸支局長の承認を受けなければならない】

つまり、自主返納という制度自体も存在しないが、封印取付け業務をやめる場合は運輸監理部長又は運輸支局長の承認を受けなければならないため自主返納と称して勝手にやめることはできないのである。先述の国交省自動車情報課も「自主返納で良いとした事実はありません」としている。

ビッグモーター以下といわれる理由

「ビッグモーター以下」とはどういうことか。

封印不正の取材を進める中でBM元板金工場のスタッフに修理後の封印について聞いてみたところ、後部バンパー修理のためにナンバープレートの封印を外して「再封印」する際には指定業者にお願いしていたという。

その証拠に2023年春に封印の件でやり取りをしたLINEのスクショを送ってくれた。

現場責任者「再封印の依頼はしていますか?」

修理スタッフ「再封印依頼しておりません。見積にも計上しておりません」

現場責任者「法律的にNGです。どうするんですか?」

修理スタッフ「今すぐ(再封印を専門業者に)依頼いたします」

まだ保険金不正請求がメディアで報道される前の話で、伊藤忠支援に関わる「コンプラ最優先!」の指令を出すはるか前である。

実際にビッグモーターで修理作業に携わっていたAさんいわく

「修理で封印を外すことは良くありましたが、外した封印を再利用することは法律違反ですから、封印取り付け業者にすべて依頼して取り付けてもらっていました。今はどうかわかりませんが、取引があったディーラーでも封印を壊さないよう綺麗に外す『封印外し』などを使って外して再利用していましたね。メルカリでは再封印のための「封印12個」セットなども販売されています。」

ビッグモーターでは、全国数か所の店舗でナンバープレートを付けずにBIGMOTORと書かれた化粧プレートだけで公道走行していた事例もかつて問題になったが、修理が終わったあとの「再封印」については厳格に管理されていたようだ。となると、旭川トヨタの封印不正はビッグモーター以下ということになる。

なお、動画共有サイトなどで「封印の外し方」「自分でできる再封印のやり方」などを教えているチャンネルがあるが封かんごと裏側から外す形であってもオーナー自身が再封印することは道路運送車両法違反となる。こちらも、国交省自動車情報課に確認したところ

「封印を外した状態での走行は違反となるため運輸支局まで仮ナンバーをつけるか積載車に載せるかして運んでください。再封印は100円前後の部品代だけで行えます」とのことであった。一番簡単で手間がかからないのは、必要な書類をそろえてナンバーフレームの取付けを運輸支局の敷地内で行い、そのまま「再封印」をしてもらうことだろう。

旭川トヨタに関しては国交省が現在、厳しく不正行為の調査を行っている。やがて「前代未聞の封印不正」等に関して行政処分が下されるはずだ。

SCOOP!! 札幌トヨタでリース車両の 整備「水増し請求」発覚!!

札幌トヨタでリース車両の

整備「水増し請求」発覚!!

札幌トヨタ自動車(北海道札幌市中央区・相茶省三社長、以下札幌トヨタ)は傘下にトヨタ系ディーラーを数多く持つ北海道最大の地場資本販社だ。

その札幌トヨタで少なくとも10年に渡り、リース車両のメンテナンスで水増し請求が行われていたことがわかった。不正は同社の北光支店、東苗穂店、月寒支店、東札幌店、白石支店、伊達店、苫小牧支店、恵庭店の8店舗で行われていたことがすでに確認されている。今後、この数は増える可能性がある。

「当社のアドバイザー数名が過剰請求に関与していた」(相茶社長)という。本件、昨年10月にリース車両を購入していたオリックス(東京都港区・井上亮社長)から「メンテナンス料金が高いのではないか」との指摘により、社内調査した結果、水増し請求が発覚した。

札幌トヨタによる社内調査では、関連するサービス業務件数6万件について、今年3月4日時点で「2万件まで調査が進んでおり、そのうち1205件で不正が見つかった。過剰請求金額は税込約2000万円」(同)ほどという。今後、同社での調査が進むとともに、不正の全容が明らかになると思われる。なお、不正の被害に遭ったリース会社は「複数ある」との情報も編集部にもたらされている。

主犯格、異動先で不正続ける

相茶(あいちゃ)社長は、記者取材に対して、「まずもってお詫びしたい。私どものことでリース会社様、関係者の皆様に多大なるご迷惑をおかけした。包み隠さず誠心誠意対応していく」と話す。

過去10年に遡って調べているとは言え、資料が10年分しか残っておらず、不正は「さらに前から行われていた」(事情通)との情報がある。また、不正を行っていた店舗数が広範に及ぶのは、「(不正を主導したサービスアドバイザーが異動先でも(同様の手口で)不正を働いていた)(相茶社長)のが理由のようだ。

本件についてオリックスの広報担当者は「個別の事案についてお答えできることはない」と話している。

先述したように社内調査はまだ途上である。また、不正の全容を明らかにするためには今後、第三者による徹底した調査が必要になるだろう。本誌ではさらに取材を続けるつもりだ。

取材の最後に改めて相茶社長に聞いた。「当社はこれまでも誠実にお客様に向き合うことを最重点に長い期間にわたって地域に根差した活動を続けてきた。(今回の事件については)今でも信じられない気持ちだ。(不正が行われていたとすれば)経営側の過度な売り上げ至上主義が災いしたのかもしれない。責任は経営側にある」と話す。

本誌は札幌トヨタによる自動車リースメンテナンス水増し請求事件以外にも同社のパワハラ体質について多くの告発を受けている。同社には過去を反省し、すべての膿を絞り出してもらわなければならない。続報を待て。

旭川トヨタ 40年近く「封印」再使用の違法行為 1986年の工場設立当初からか「不正と知らなかった」

旭川トヨタ自動車で、ナンバープレートへの取り付けが義務付けられている「封印」を取り外し再使用するなどの違法行為が、40年近く行われていたことが明らかになりました。

国交省の調査で、封印の再使用などの不正が明らかになったのは、旭川トヨタ自動車の整備工場です。封印は、車が正式に検査と登録を受けたことを証明するもので、不正改造や盗難を防ぐため、後ろのナンバープレートに付けられています。

旭川トヨタの内部調査で、この工場は封印業務が認められていないにも関わらず、取り外しや、禁じられている再使用など85件の法令違反が分かりました。違反は、工場ができた1986年から続いていたとみられ、社員らは「前任者から引き継ぎ、不正と知らなかった」と話しています。

また、他の販売店でも新車の封印取り付けで、法令違反が確認されているということです。

『前代未聞』トヨタの不正が続々登場!旭川トヨタの「封印不正」とは?

トヨタの名声に影を落とす新たな不正疑惑が浮上しています。今回の中心は旭川トヨタにおける「封印不正」事件。この動画では、何が封印不正なのか、どのようにしてこれが発覚したのかを詳しく解説します。さらに、この不正がトヨタのビジネスとブランドにどのような影響を与えるか、また自動車業界全体に及ぼす波紋についても分析します。不正の具体的な内容から、消費者の信頼回復への道筋まで、この重要な問題に光を当てます。

🍎たったひとつの真実見抜く、見た目は大人、頭脳は子供、その名は名馬鹿ヒカル!🍏