「食事は効率が悪い」 “完全食だけ生活”を6年続ける男性、健康診断は「1個だけC」 管理栄養士に聞くメリ・デメと+αすべき食品

「食事は効率が悪い」 “完全食だけ生活”を6年続ける男性、健康診断は「1個だけC」 管理栄養士に聞くメリ・デメと+αすべき食品

 「食」への楽しみを捨てて生きる男性がいる。都内のIT企業で働く笠原元輝さん(35)。「準備、食べる、食べた後は集中できなくて眠くなる。それを3回も繰り返さなきゃいけないのが非常に効率悪いなと」。

 食事を見せてもらうと、「完全食」。最近はスーパーやコンビニなどでも見かけるようになり、その市場規模は右肩上がり。笠原さんは1日2回、ドリンクタイプの完全食とプロテインを混ぜたものを摂取するのみ。これだけで1日に必要な栄養をとっているそうで、約20秒で食事が終了する。

 『ABEMA Prime』は2019年にも取材し、「基本的にいくらでうんこを買っているかという話」「食事をして最終的に出てくるアウトプットは便」と、当時から独特の価値観を持っていたが、その生活は今年でなんと6年に。

 「これだけ食べていれば健康」と思うかもしれないが、管理栄養士はデメリットもあると指摘する。笠原さんが健康診断を受診したところ「1個だけCがあった」というが、気になる結果と完全食生活の実態について、番組で詳しく話を聞いた。

■健康診断受け「このままで大丈夫だと確信」

 笠原氏は自身の性格について、「やりたいことめちゃくちゃあって、飲食を忘れて没頭するタイプ。昔から食の優先度がそんな高くなかった」と説明。シリアル食品よりさらに手軽なものを探していたところ、完全食に出会ったという。「エンジニアの勉強会で、『僕はもう粉だけで生活できるようになった』ということで完全食の紹介があった。『これだ!』『これで3食いこう!』と思い始めた」。

 今の食事回数は2回。「3回から2回に減らしたが、量は増やしていないので、単純に摂取カロリーは落ちている。計算すると基礎代謝ギリギリだが、今はまだ大丈夫。200~300ml飲むので、けっこう満腹感はある。おいしいし、全く飽きない」と語る。

 前回取材時との違いは、結婚したことだ。「妻は妻の食事、僕は粉で、完全分業制。一緒に向き合って食べるけどすぐ終わるので、普通に食卓を挟んで会話する」と明かした。

体調は「すこぶる良い」というが、健康診断の「C」とは何だったのか。「中性脂肪がC。脂肪が少なすぎた」。担当医からは「極端な食事制限などされてませんか?」というコメントがあったというが、「たまにそういう結果が出る」とも言われたことで「このままで大丈夫だと確信を得ている」とした。

■管理栄養士「メリット・デメリットあるので上手に取り入れて」 +αすべき食品とは

 管理栄養士の篠原絵里佳氏は「完全食の否定派ではない。働き方やライフスタイルが多様化しており、今の時代に必要なものだとは思うが、デメリットもあるので上手に取り入れてほしい」と話す。

「笠原さんを見ると、どれもあまり咀嚼をしていない。その健康効果はさまざまあり、唾液を出して咀嚼することで、胃腸が刺激されて消化吸収が進む。例えばタンパク質はアミノ酸に、炭水化物は糖質まで分解されないと吸収できないように、目で見えないレベルの消化が必要。食べても吸収されなかったら意味がない」

咀嚼の効果はまだあるという。「噛むと、顔の筋肉と骨に効果がある。骨粗しょう症というのは、何も体だけではない。顔面に起こると皮膚が寄り、しわやたるみの原因になる。また、骨が生まれ変わるのはだいたい3~5年。今はその状態をキープできていても、男性ホルモンや女性ホルモンなどが減ってくると、若い頃の食事が(表面に)現れる」と説明する。

 篠原氏が完全食にプラスするものとして勧めるのが、次の要素が摂れる食品。「完全食は加工品で菌が入りにくい。善玉菌を摂らないと腸内環境が悪くなるので、発酵食品などを取り入れていただくのがまず大切。もう1つが、食物繊維。すでに入っているとは思うが、腸内細菌にはいろいろ種類があって、それぞれ好む食物繊維が違う。また、食品は相乗効果があるので、今日はキムチ、明日は納豆、その次の日はヨーグルトなどとするのも良い」。

 さらに、「完全食は全ての栄養素が摂れるように設計されているが、量としては1日分ではない」と指摘。「大体3分の1ぐらいが取れるようになっているので、1食だけ置き換える。仕事で夜食べる時間が遅い時や、朝食にしてもいい。1日2回の食事は脂肪肝やさまざまな病気のリスクにつながってしまう」とした。

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