震度6弱から一夜 地震の後に気をつけることは?
豊後水道を震源とする17日夜の地震では、愛南町で震度6弱、宇和島市で震度5強など広い範囲で強い揺れを観測しました。気象庁は会見で「揺れの強かった地域では地震発生から1週間程度、最大震度6弱程度の地震に注意してください。特に今後2、3日程度は大きな地震が発生することが多くあります」と呼びかけました。いつもより地震のリスクが高まっている今、どう備えればいいかまとめました。
■危険な場所に行かない
気象庁のHPによると、大地震の後は、落石や崖崩れなどが起こりやすくなっている可能性があります。特に震度6弱など強い揺れがあった場合は、家屋の倒壊や土砂災害などの危険性も高まっている恐れがあるとしています。「もう強い揺れの地震は起きない」とは決して思わず、危険な場所には立ち入らないようにしましょう。その後の地震や降雨にも十分注意が必要です。
■家での備え
一般的に大きな地震が起きる可能性が高まっている場合は、家庭内での備えを再確認する必要があります。室内の高いところに物を置かず、金具や滑り止めシートで家具を固定し、屋内のできるだけ安全な場所で生活することが大切です。
寝る時は枕元に懐中電灯や携帯電話、バッテリー、履き慣れた靴などを置くなど、すぐに避難する準備をしておきましょう。非常食や水は、おおむね3日分が必要とされています。備蓄している家庭は、賞味期限が切れていないかも見ておきましょう。また家族内では、避難場所や避難経路、安否確認手段などを、もう一度確かめ合っておきましょう。災害用伝言ダイヤル「171」の使い方を共有しておくといいでしょう。
■本震と余震
1月の能登半島地震や2016年4月の熊本地震では大きな地震が続きました。大きな本震の後に小さな余震が来るイメージを持つ人も多いと思いますが、それ以外のパターンもあり、気象庁は「パターンは地震活動が終わるまで判別できない」としています。
もしかしたら大きな地震が来るかもしれないという状況は、例えば将来南海トラフ地震臨時情報が発表されるような場合にも想定されます。デマに振り回されたりパニックになったりせず、冷静に備えましょう。]
愛媛県・高知県で震度6弱を観測 ことし震度5強以上の地震は10回目 地震の備えを
昨夜は豊後水道を震源とするマグニチュード6.4の地震が発生し、愛媛県と高知県で最大震度6弱を観測しました。ことしは元日に石川県能登地方を震源とするマグニチュード7.6の地震が発生し、最大震度7を観測しました。最大震度5強以上の地震は昨夜の地震でことし10回目です。
愛媛県と高知県で最大震度6弱を観測
昨日17日午後11時14分頃、豊後水道を震源とするマグニチュード6.4の地震が発生し、愛媛県、高知県で最大震度6弱を観測する地震が発生しました。(速報値)
ことしは元日に石川県能登地方を震源とするマグニチュード7.6の地震が発生し、最大震度7を観測しました。
最大震度5強以上の地震は、昨夜の地震でことし10回目となります。10回のうち9回は石川県能登半島や能登地方や能登半島沖が震源となっていましたが、豊後水道を震源とする最大震度5強以上の地震はことし初めてです。
いつどこで発生してもおかしくない地震
政府の中央防災会議は、科学的に想定される最大クラスの南海トラフ地震(以下、「南海トラフ巨大地震」という)が発生した際の被害想定を実施しています。この被害想定によれば、南海トラフ巨大地震がひとたび発生すると、静岡県から宮崎県にかけての一部では震度7となる可能性があるほか、それに隣接する周辺の広い地域では震度6強から6弱の強い揺れになると想定されています。また、関東地方から九州地方にかけての太平洋沿岸の広い地域に10mを超える大津波の襲来が想定されています。
地震はいつ発生してもおかしくありません。長引く避難生活の中で、少しでも居心地を確保するにはやはり「日頃からの備え」があるとないとでは、大きな違いが出てきます。今できる備えて見直しておきましょう。
地震に備えて
地震は突然襲ってきます。いつ揺れに見舞われても身を守ることができるように、日頃から以下のポイントを確認し、備えましょう。
①非常時の水・食料の備蓄、非常持ち出し品を準備しておいてください。備蓄には使った分だけ買い足していく「ローリングストック」をぜひ活用してください。
②家具の固定をしましょう。万が一、倒れてきた場合でも通路をふさがないような配置にしておくと安心です。また、ガラスには飛散防止フィルムを貼るなど、日頃から家の中の安全対策を徹底しましょう。
③地震が発生したときの連絡手段や集合場所について、あらかじめ家庭で話し合っておきましょう。
④普段通る道に危険な場所や物がないか確認しておきましょう。また、地盤の弱い場所や地震によって地盤の緩んだ場所は、雨などによって土砂災害が発生することがあります。前もって周囲の状況を確認しておいてください。
愛媛・高知で震度6弱“初観測” 南海トラフとの関連は?東大地震研・笠原名誉教授「今後、首都圏直下地震も警戒が必要」
17日、午後11時14分ごろ。愛媛県と高知県で震度6弱を観測する強い地震が発生しました。
地震が発生した場所は、甚大な被害が予想される南海トラフ沿いの巨大地震が懸念されるエリアです。
地震発生直後の映像には、愛媛県松山市の飲食店で食事をしていた人たちが、次々と野外に避難する様子が。
「電柱が揺れてる、南海地震だったら2分くらい揺れてるかもしれない…まだ揺れてる感じがする。揺れてる、これ長いよ」
長く続く大きな揺れに、「南海トラフ地震」への不安を口にする人々。
震度5弱を観測した愛媛・八幡浜市でも、飲食店にいた人たちが路上に避難していました。
八幡浜市の飲食店:
急に揺れ出したのでカウンターの下に入ることもできないくらい揺れましたね。動けんかったです。
宇和島市内で撮影された住宅内の映像では、家具が倒れ、足の踏み場がないほど物が散乱しています。
宇和島市在住の男性:
10時半ごろに部屋を真っ暗にして寝ようとしてて、寝ようとしたときに、ちょっと最初揺れて、また地震かな、怖いなと思ったら、そっから一気にバーッて揺れてた感じでした。
南海トラフ地震との関連は?
気象庁によると、愛媛県と高知県で震度6弱以上の揺れを観測したのは、現在の震度階級が導入された1996年以降、初めてのこと。
18日未明に気象庁が行った会見では、南海トラフ地震との関連についての質問が飛びました。
――南海トラフ地震について分かっていることを教えてください
原田智史地震津波監視課長:
南海トラフ地震の発生を検討する、調査するという地震の基準というのがマグニチュード6.8以上の地震ということになりますが、今回の地震はマグニチュード6.6ということで、これをもってただちに調査に入るということはいたしておりません。
今後どのような関係があるのかということについては専門家の間で検討がされると思いますが、少なくともこの地震の発生をもって評価検討会を行うということは考えておりません。
今回の地震は南海トラフで想定される震源域で起きましたが、地震の規模が基準を下回っていることなどから、南海トラフ地震の可能性を評価する臨時の検討会は行わないといいます。今後については…。
原田智史地震津波監視課長:
地震発生から1週間程度、最大震度6弱程度の地震に注意してください。特に今後2、3日程度は規模の大きな地震が発生することが多くあります。
深夜に発生した震度6弱の地震。
めざまし8スタジオでは、東京大学地震研究所名誉教授の笠原順三氏に、今回の地震と南海トラフ地震との関係について伺いました。
東京大学地震研究所名誉教授 笠原順三氏:
今回の地震活動は、南海トラフの活動の一番西端なんです。南海トラフの地震活動というのは、フィリピン海プレートの縮みこみなんですが、これは南海・東海それから首都圏までつながっていて、この前の千葉の地震あとに茨城県南部の地震が起きましたよね?あれはすべてフィリピン海プレートの地震なんです。全部の地震活動が、連携して起こる可能性が非常に高いと思います。
今年発生した震度5弱以上の地震は23回。3月15日から約1カ月間で、17日の地震も含めて5回も発生しています。
内閣府の資料によると、南海トラフを東側と西側に分けると、どちらか片側でM8以上の地震が発生すると、残る一方で1週間以内に同規模の地震が発生する確率が平常時より100~3600倍高まるとのデータがあります。
――今回の豊後水道を震源とする地震は南海トラフの西側、今後南海トラフ東側でも続けて大きな地震が起きる可能性はあるのでしょうか?
東京大学地震研究所名誉教授 笠原順三氏:
東海沖、南海沖に境目がある図になっていますが、その境目があるかというと、実は熊本地震の1週間前に紀伊半島の沖で地震活動がありまして、それはその境目にまたがって起きているんですね。つまり今回の地震活動が二つの領域でいっぺんに影響する可能性が高いと考えられます。一緒に起こる可能性が非常に高いんです。(東西で)ほとんど同時に起こる可能性が高いということになると、その時は巨大津波が起こる可能性も高いと言うことになります。
フィリピン海プレートは全部つながっています。一番東側が茨城や千葉の地震なので、首都圏直下の地震もあわせて警戒する必要があると思います。
――最近大きな地震が海外でも起きている気がするんですが?
実は今回の四国の地震とほとんど同時に、台湾でマグニチュード5の地震が起きているんです。これは全部フィリピン海プレートでつながっているところなんです。
かなり離れていてもやはり関係しながら起きている可能性が非常に高いと思います。