「水中ドローン」実証実験、政府が6月に開始…資源開発・海中監視・海洋環境調査など想定

「水中ドローン」実証実験、政府が6月に開始…資源開発・海中監視・海洋環境調査など想定

政府は6月から、海中を自動航行できる「自律型無人探査機(AUV)」の本格活用に向けた実証実験に乗り出す。海洋資源開発や安全保障分野での活用が期待される一方、製造コストの高さや利用実績の乏しさから民間企業の参入は進んでおらず、有効性や課題を検証することで市場拡大の足がかりにしたい考えだ。

 AUVは水中ドローンとも呼ばれ、危険が伴う海域や水圧が大きい深海での活用が見込まれている。政府は、〈1〉洋上風力発電の設備点検〈2〉海中の監視・警戒〈3〉海洋の環境調査――などでの活用を想定しており、2030年までに実用化する方針を掲げている。

 洋上風力発電では、適地選定のほか、将来的な導入拡大を見据える「浮体式」の設備点検を念頭に置いた実証実験を想定。海底にある石油パイプラインを送電ケーブルに見立て、損傷や付着物の有無の確認などを行う予定だ。

 中国の海洋進出を踏まえ、不審物探査など海中の監視・警戒態勢も強化する。生態系や水質など海洋環境調査での活用も検討している。

 実験には、AUVを所有する企業や海洋調査などを担う研究機関、団体などに共同で参加してもらう。提案書などの審査を経て3チーム程度採用し、実験費用として1チームあたり5000万円を上限に国が負担する。実験は6月~12月に実施し、成果や課題などを報告書にまとめてもらう。

 政府は昨年末、AUVの国産化に向けた戦略を策定し、30年までの産業化を目指している。AUVは製造費が高く、世界市場では米国や中国が先行し、国内で使われる機種の多くも海外製だ。AUVは人手不足を補う手段としても期待されており、政府は実験で活用分野を探り、企業の新規参入を促したい考えだ。

◆自律型無人探査機(AUV)=「Autonomous Underwater Vehicle」の略。人が操作する必要がなく、水深6000メートルまで探索可能な機種もある。1機当たりの製造コストは数千万円から10億円を超えるものまで幅がある。

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