「ウルトラマン」に似た画像提供の生成AI事業者、中国の裁判所が著作権侵害で賠償命令

「ウルトラマン」に似た画像提供の生成AI事業者、中国の裁判所が著作権侵害で賠償命令

 中国の裁判所が、生成AI(人工知能)による「ウルトラマン」によく似た画像について、AIサービスを提供していた事業者に著作権侵害の責任を認め、損害賠償などを命じる判決を出したことが15日、わかった。生成AIと著作権を巡る判決として、日本でも注目されそうだ。

 インターネットを巡る事件を扱う、広州インターネット法院の判決によると、原告は、ウルトラマンシリーズの著作権を持つ「円谷プロダクション」(東京)から、中国での作品の複製などのライセンスを受けた中国企業。同社は、中国の事業者が提供しているAIサービスで、ウルトラマンによく似た画像が生成されることを発見。AIサービス事業者が許可なく、よく似た画像を生成させたとして、生成停止や損害賠償などを求めて提訴し、同法院が今年1月に訴えを受理した。

 同法院は2月8日、「生成した画像はウルトラマンの独創的表現を部分的または完全に複製したもの」だと著作権侵害を認め、事業者として「生成を停止する責任を負うべきである」とし、AIサービス事業者に1万元(約20万円)の損害賠償と、画像の生成防止などを命じる判決を出した。

 円谷プロダクションは15日、取材に対し、「公平・公正な判断をしていただいた」とコメントした。

 生成AIを巡っては、各国のクリエイターから著作権侵害への懸念の声が上がっているが、まだ判例が積み重なっておらず、何が侵害か、明確な線引きは難しい状況だ。日本では文化審議会の小委員会が3月に「考え方」をまとめ、生成AIによる著作権侵害の責任は利用者が負うのが原則とした一方、高頻度で侵害物が生成される場合は、サービス提供事業者が責任を負うこともありうるとした。

 早稲田大の上野達弘教授(知的財産法)は、「日本でも同じ問題が起きれば、同じような判決が出てもおかしくない。そういうリスクを認識する必要がある」と指摘。UniLaw企業法務研究所の浅井敏雄代表は、「外国の裁判ではあるが、AIと著作権を巡る世界の議論に影響を与える可能性がある」と話す。

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