「数値設定ミス」原因か 宇都宮の低圧室事故、オーナー男性が見解 競輪選手意識不明
宇都宮市田野町のトレーニング施設で12日、低圧室を利用していた競輪選手と施設関係者女性の2人が意識を失い1人が意識不明となっている事故で、施設のオーナー男性が13日、下野新聞社の取材に応じ、原因について「(機械の)数値の設定ミスではないか」との見解を示した。低圧室は人工的に気圧を低い状態にすることで高地トレーニングと同等の効果があると説明。利用時に設定を誤った可能性があるとみられる。
オーナーによると、女性(53)は妻で、意識不明で搬送された鹿沼市、競輪選手の男性(57)は常連客。オーナー自身も競輪選手で練習仲間という。オーナーは事故後、意識を取り戻した妻から当時の状況を聞いたという。
客が低圧室を利用する際は主にスタッフの妻が一緒に入り操作を担当。安全確保のため、客だけで利用することはなかった。競輪選手男性はこれまでに200回以上利用しているという。
空気が薄くなり呼吸が苦しくなることは考えられるが、今回のようなケースは「なかった」と話した。
低圧室は10年ほど前に福島県のメーカーから購入。近年は常連客の利用が中心という。今回は妻が先に意識を失ったとみられる。オーナーは「しっかりしていなければいけない店の者が先にそうなってしまった。そこは失敗だった」とした。
競輪選手が「低圧室」で意識不明に… “低気圧トレーニング”の注意点は?
「酸素カプセル」と書かれた、栃木県のトレーニング施設。12日、この場所で、“低気圧トレーニング”をしていた競輪選手の男性と、近くにいた女性が意識を失う事故があり、男性は現在(12日午後11時30分時点)も、意識不明の重体です。
12日午前、栃木県・宇都宮市にあるトレーニング施設を利用していた、競輪選手の男性から通報がありました。
(119番通報)
「急病です」
救急隊がかけつけると、そこには長さ約6メートル、高さ2.2メートルの「低圧室」があり、その中で、“低気圧トレーニング”を行っていた競輪選手の男性(57)と、操作していた女性(53)が、意識を失った状態で倒れていたということです。
当時施設にいたのは2人のみで、男性は通報しながら意識を失ったとみられています。
近所の人
「あまりお客さんが来てなかったと思うんで…おそらく仲間の人たちが利用してたんだと思うんですね、競輪の仲間なのかなっていう。まさかそういう事故が起こるとは思わなかったので、ちょっとびっくりしますね」
「低圧室」内の酸素が薄くなったことで倒れたとみられる2人。女性は意識を取り戻しましたが、競輪選手の男性は現在(12日午後11時30分時点)も、意識不明の重体だということです。
「低気圧トレーニング中」に起きた事故――。
12日夜、千葉県いすみ市の“低圧室”がある施設「鍼灸接骨院てあて」を取材しました。(※事故があった施設とは関係ありません)
“低圧室”がある接骨院 院長
「うちの機械だと、標高3000mまで気圧を変えることができるので、高山地帯に行ってトレーニングしたのと同じような状態をつくることができます」
“低圧室”を利用する際には、どんなことに気をつければよいのでしょうか。
“低圧室”がある接骨院 院長
「花粉症ですごく鼻がつまっている方とか、逆に体調が悪いから中に入って元気になろうとした方でも、念のためにお断りはさせていただいております。高負荷をかけてしまうと、心拍数が上がって、それで苦しくなる方もいらっしゃるので」
警察は、事故の経緯を詳しく調べています。
意識回復の女性「扉が開かない」趣旨の通報 低圧室で競輪選手意識不明
12日、栃木県宇都宮市にあるトレーニング施設の低圧室で競輪選手ら男女2人が意識を失った状態で見つかった事故で、事故直後に女性が「扉が開かない」という趣旨の通報をしていたことが分かりました。
この事故は12日午前11時ごろ、宇都宮市にあるトレーニング施設の低圧室にいた57歳の競輪選手の男性と、中で装置の操作をしていた53歳の女性が意識を失った状態で見つかったものです。
競輪選手の男性は現在も意識不明の重体ですが、その後の警察への取材で、女性は発見される前に一時的に意識を取り戻していたとみられ、その際に自ら「扉が開かない」という趣旨の通報をしていたことが分かりました。
女性はその後、再び意識を失いましたが、搬送される際に意識を取り戻したということです。
警察は、2人が酸素が薄くなった低圧室に閉じ込められた可能性もあるとみて、詳しい事故の原因を調べています。
低圧室で意識不明の競輪選手死亡 トレーニング中に自ら119番
栃木県警は29日、宇都宮市のトレーニング施設の低圧室から搬送され、意識不明の重体となっていた鹿沼市の競輪選手、渡辺藤男さん(57)が28日に死亡したと発表した。死因は調査中としている。12日午前11時ごろ、体調不良を訴えて搬送されていた。
県警によると、当時、低圧室でトレーニングをしていたとみられる。「急病です」と119番し、施設の場所を伝えた後に電話が途切れた。気圧の調整のため内部にいたとみられる施設関係者の女性(53)も治療を受けた。