にぎわう朝食店、3秒で崩壊 全員避難、間一髪 台湾地震

にぎわう朝食店、3秒で崩壊 全員避難、間一髪 台湾地震

台湾東部を中心に3日午前に発生したマグニチュード(M)7.2の地震で、震源に近い東部・花蓮では5階建てと8階建てのビルが大きく傾き、一部が崩壊した。

 5階建てビルの1階で営業中だった朝食専門店は全壊。全員無事に避難したが、店主は地元メディアに「避難から3秒で(店が)つぶれた」と恐怖の瞬間を振り返った。

 台湾の民放各局が伝えた映像では、大きく揺れる店内から15人ほどが一斉に外に飛び出した。最後の1人が外に出た途端、柱や梁(はり)が折れて軒が落下。続いて、窓ガラスやがれきが飛び散る中、店舗を含む1階部分が砂ぼこりを巻き上げながら崩落した。

 8階建てのビルも、1階部分がほぼ全壊。大手民放TVBSは、崩れながら傾く8階ビル周辺から悲鳴を上げながら逃げる人々の様子を伝えた。ビル付近の交差点では、信号待ちしていた車から人々が慌てて避難した。

 ビルは45度ほど傾いたまま止まったが、現場では余震が相次いでおり、倒壊が懸念される中で救助作業が続いた。このビルではこれまでに、閉じ込められた住民ら22人が救助された。8階から避難したという男性は中央通信社の取材に「まだ妻が閉じ込められている」と焦りの色をにじませた。 

中国、救援の意向 台湾側「必要ない」

中国政府で台湾政策を担う国務院台湾事務弁公室の朱鳳蓮報道官は3日、台湾東部沿岸を震源とする地震の発生を受け、救援の意向があると表明した。これに対し台湾当局は同日、必要ないとして中国側の申し出を断った。台湾統一に向けて利用されることを警戒したとみられる。

 朱報道官は「被災した台湾同胞に心よりお見舞い申し上げる」とした上で、「状況を注視し、救援を行いたい」と呼び掛けた。台湾の中央通信社によると、台湾で対中政策を所管する大陸委員会は謝意を表しながらも「(中国)大陸側に災害救助に協力してもらう必要性はない」と突っぱねた。

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