ホンダ車の「△マーク」、トヨタ車の「小さい羽」、これ…どんな意味が…?

ホンダ車の「△マーク」、トヨタ車の「小さい羽」、これ…どんな意味が…?

 ぱっと見では気づきにくいですが、クルマのボディには様々な技術アイテムが装着されています。小さいけれど効果は大きい、クルマのボディに隠された技術アイテムをいつくかご紹介します。

フロントガラスの三角形マークは、車幅感覚が掴みやすくなる

 よく見ないと気づかない大きさですが、ホンダ車のフロントガラスには、一辺が4~5ミリの二等辺三角形のマークが、ドライバーの視線より少し上の高さに、左右が向かい合うようにつけられています。ホンダによると、この三角マークには、視線の乱れ(視線の縦方向の乱高下)を抑え、それによって車幅が把握しやすくなり、結果、狭い路地などでの接触事故を大幅に減らす効果があるそう。ドライバーが無意識のうちに効果が出ているそうなので、なんとも驚きです。

 最初に採用されたのは、2008年に発売されたフリードで、それ以降は、海外も含めたすべてのホンダ車に採用されているとのこと。ホンダ車に乗っていて「そういえば最近運転が上手くなったかも」と思った人は、ひょっとすると、この三角マークのおかげかもしれません。

ドアミラーやテールランプの小さな突起物は、高速直進安定性を改善する

 また、トヨタ車のドアミラーの付け根やテールランプなどには、3~4センチほどの長さの筋状の小さな突起物がつけられています。これは「ボルテックスジェネレーター」というアイテムで、トヨタでは、「エアロスタビライジングフィン」という商標で、2010年頃から多くのモデルに採用するようになりました。

 ボルテックスジェネレーターは、ボディ表面を流れる空気の渦を、螺旋階段のような流れへと整え、これによって、高速走行したときの空気抵抗を減らし、リアの尻振りが改善されるという効果があるもの。他にも、トヨタによると、操舵時の応答性や、手応え向上、ヨーダンピング向上などの効果が期待できるそうです。こんな小さな突起でそんなに変わるものなのか!??と思ってしまうところですが、ちり(効果)も積もれば山となる、ということで、採用されているようです。

フロントバンパー左右両端にある「穴」は燃費改善のため

 また、最近の国産車では、フロントバンパーの左右両端に穴が開いていることがあります。この穴は、空気を取り込むエアインテーク。フロントタイヤのホイールハウスへと、空気が抜けるような形状になっています。

 その目的は主に燃費改善。エアインテークから取り込まれた空気が、フロントタイヤのインナーフェンダー側へと導かれ、フロントホイールの真横へと放出されることで、フロントホイールの側面をカーテンのようにブロック。こうして空気の流れを整流することで、タイヤ周りで発生する空気の乱れを抑え、空気抵抗を低減、燃費改善へとつながるのです。空気でカーテンをするため「エアカーテン」ともよばれます。

 前輪に採用されることが多いですが、レクサス「LC」やホンダ「クラリティPHEV」では、クルマの後輪にも装備されています。

ボンネットの小さな穴は、廃熱のため

 穴といえば、大排気量エンジンを搭載するスポーツカーのボンネットにも、穴が開いていることがあります。NACAダクトとよばれるもので、日産のR35型GT-Rに装備されています。先代であるR34型スカイラインGT-Rの時代には1か所でしたが、R35型になって2か所へと増えました。

 NACAダクトの目的はエンジンの廃熱。排気量3.8L V型6気筒ツインターボエンジンで、時速300kmという超高速巡行をこなすGT-Rでは、エンジンから排出される熱は相当なもの。エンジンルーム内に熱がこもってしまうと、パーツが劣化したりや溶損したりなどの熱害が起きかねません。それを防ぐため、フロントグリルからエンジンルームに空気を取り込み、NACAダクトから空気を排出することで、廃熱させているのです。GT-Rには無くてはならない空力アイテムです。

ハイテクデバイスに頼らないところがすごい!!

 これらが凄いのは、電動式のハイテク装備に頼っていないこと。コストを最小限に抑えて効果を発揮するこれらのアイテムは、まさにエンジニアたちの知恵と経験の結晶。次はどんなアイテムが登場するのか、今後も非常に楽しみです。

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