首都高速53時間通行止め、融雪車が湿った重い雪に苦戦…十分に解かせず再開遅れる…雪が解けず除雪作業が難航

首都高速53時間通行止め、融雪車が湿った重い雪に苦戦…十分に解かせず再開遅れる

 今月上旬の大雪の際に首都高速道路で2日超続いた通行止めについて、6年前の大雪をきっかけに導入した融雪車が十分に機能しなかったことが関係者への取材でわかった。雪質が影響したとみられ、首都高速道路会社は今後、雪質に適した除雪方法の検討を進める。同社は国土交通省の指示で今回の対応を検証しており、今週中にも結果を公表する方針。

 今月5~6日に関東甲信を中心に降った大雪で、同社は雪が本格化する前の5日午前11時半頃から一部路線で「予防的通行止め」を実施し、最大で21路線に広がった。雪は6日未明にはピークを過ぎ、7日朝までに解除する予定だったが、除雪作業が難航。全面通行再開は約53時間後の7日午後4時半にずれ込んだ。

 首都高では、2018年1月の大雪で予防的通行止めを実施せず、複数の立ち往生が起き、全面通行再開に4日を要した。

 複数の関係者によると、同社はこの経験を踏まえ、18年から、高圧で温水を吹きつけ、路面上に固まった雪を解かす「高圧温水融雪・融氷車両」を導入。現在7台を所有しており、今回の大雪でも投入した。しかし、今回は湿って重い雪質で十分に解かすことができなかったとみられる。首都高は路肩が狭いために雪を寄せておくスペースがないという事情もあり、残った雪の搬出に時間を要した。

 同社は今後、雪質に応じた除雪方法を検討する。このほか、除雪作業員の配置や他の道路会社などからの支援の受け入れ態勢などの見直しも進める。

 今回、東日本高速道路、中日本高速道路も予防的通行止めを行った。首都圏での大規模な実施は初めてだったが、大きな事故や立ち往生は起きなかった。

 国交省は2018年に首都高と北陸で大規模な立ち往生が相次いだことを受け、21年から通行止めに抑制的な従来の方針を転換し、「人命を最優先に、大規模な車両滞留を徹底的に回避する」とした。

 今回、通行止めされなかった周辺道路の一部で渋滞が起き、物流にも影響は出たが、佐川急便は「事前告知があり、迂回(うかい)や車両運行の中止など、安全を優先した早めの対応ができた」と評価。日本通運は「通行止め解除の見通しが早期に示されれば、今後より計画的に対応できる」とした。長岡技術科学大の佐野可寸志教授(交通工学)は「一定の効果があったと言えるが、通行止めで一般道が渋滞する可能性が高いと事前にもっと周知できたかもしれない。いかにスムーズに通行再開させるかの検討も必要だろう」と話した。

首都高の雪の通行止め、53時間ぶりに全路線で解除…雪が解けず除雪作業が難航

 関東甲信の大雪の影響で続いていた首都高速道路の通行止めは7日午後4時半頃、約53時間ぶりに全路線で解除された。首都高速道路会社は「雪がやんだ後も気温の低い時間が長く、雪が解けなかったため、除雪作業が想定以上に長引いた」としている。

 今回の大雪で、首都高では5日午前11時半頃から、一部路線で「予防的通行止め」を開始。雪の本格化に伴って範囲が広がり、最大で26路線中21路線に上った。同様に通行止めを行った東名高速道路や関越自動車道などは大半が6日夜までに解除されたが、首都高はそれより遅い7日朝までの解除が見込まれていた。

 背景には、都心の狭いエリアに整備された首都高特有の事情がある。路肩に余裕がある高速道路の場合は車線上の雪を路肩に寄せることができるが、路肩が狭い首都高は、除雪した雪をダンプに積んで外部に運び出す必要があるため、手間も人力も余計にかかる。また、高架の割合が高いため地熱が路面に伝わらずに雪が解けにくい。

 今回はさらに天候の事情が影響した。気象庁によると、6日も気温があまり上昇しなかった上、7日朝の関東各地の気温は平年を下回り、東京都心は氷点下0・1度と厳しい冷え込みとなった。凍った雪は除去しにくく、国土交通省や他の高速道路会社の応援を受けても作業は終わらず、同日午前9時時点でも9路線で通行止めが継続。昼になって気温が上がったこともあって作業が進み、2日以上たってすべてが解除された。

 東京消防庁によると、都内では7日、凍結した路面で転倒するなどして、午後5時までに29~82歳の男女計27人が救急搬送された。

🍎たったひとつの真実見抜く、見た目は大人、頭脳は子供、その名は名馬鹿ヒカル!🍏