台湾・台北市から旅行で訪れた40代の夫婦!落ちれば致命的 流氷に乗るのはやめて 海保と網走市が注意喚起

落ちれば致命的 流氷に乗るのはやめて 海保と網走市が注意喚起

【網走】流氷が接岸し本格的な流氷観光シーズンを迎える網走市内で、海上の流氷に乗って写真撮影をしたり歩いたりする人が出始めている。2020年には、流氷の上に乗った人が沖合へ流される事故も発生しており、網走海保や市などは「危険な行為なので絶対にやめてほしい」と呼びかけている。

 網走海保や網走署によると、網走市で流氷接岸初日を観測した1月下旬から、流氷の上に乗る人が見られるようになった。多くが観光客とみられ、危険を感じた周辺住民や他の観光客から118番や110番が複数寄せられているという。

 市北浜の海岸では8日午後にも、複数の人が普段着のまま、海に浮かぶ流氷の上に乗っている姿が見られた。台湾・台北市から旅行で訪れた40代の夫婦は、流氷の上で10分間ほど写真撮影。「素晴らしい景色だった。足元に気を付けて撮影したが、流氷の上を歩くことが危険なのは知らなかった」と話していた。

 市内では20年2月、海岸で流氷に乗った大学生が写真撮影をしている間に沖合へ流された。風向きが変わって流氷が消波ブロックに着いたため、自力で陸に戻り、けがはなかった。

 網走海保によると、救助が必要になった場合はヘリコプターによるつり上げが基本になる。ただ、釧路航空基地からヘリを呼ぶため、救助までに1、2時間を要するという。梅本哲也次長(58)は「今の海水温だと落水から15分もあれば致命的。想像以上に流氷は動いており安易な気持ちで乗らないで」と訴える。

「流氷の上に乗らないで」網走市が観光客に注意喚起 担当者「大変危険な行為…本当におやめください」

「本当におやめください」ーー北海道網走市の観光課が公式SNSに投稿した観光客へのお願い。それは「流氷の上に乗らないで」。

 同課担当者は流氷観光が最盛期を迎えた2月初旬、公式X(@tabi_abashiri)を更新。「網走は流氷観光の真っ只中、今年は流氷の勢力も好調で海岸まで流氷が押し寄せてきています。思わず流氷の上に乗ってしまう方がいらっしゃいますが、『流氷の上に乗ることは大変危険な行為です!』乗った流氷ごと沖に流されたり、流氷から海に転落すると命の危険にさらされます。どうか流氷の上に乗ることはおやめください」と注意を呼びかけました。

■担当者「今年は流氷に乗っている方が多いようです」

 同課の担当者に話を聞くと、岸に着いた流氷の上に乗ろうとするのは観光客がほとんどのようで、「網走海上保安署からもお聞きしましたが、市民からの通報で今年は流氷に乗っている方が多いようです。おそらく多くの方は、観光客だと思います。こちら地域の住民は流氷に乗ることは危ないという意識があります。流氷に乗ることは大変危険な行為です」と強調します。

 実際にはどんな危険が。「風や潮の満ち引きで思いのほか流氷が移動することや崩れてしまうこともあります。数年前には流氷の乗ってしまった大学生が流氷ごと沖に流されてしまうという事象が発生しております」。

 2020年12月、写真撮影に訪れていた大学生が、流氷に乗ったまま15メートルほど沖に流されるという事故がありました。30分ほど漂流したのち、運良く風向きが変わって流氷は消波ブロックに接岸。自力で岸に上がることができました。しかし、海に落ちていたらーー。

 「真冬のオホーツク海の海水温からしますと、すぐに低体温症に陥ることは簡単に想像できます。海域全体が流氷に覆われていますと、救難に行くことも難しいかと思います」(同課担当者)

 では流氷を楽しむには。同課では「流氷は乗って楽しむのではなく、『網走流氷観光砕氷船おーろら』や『JR釧網本線流氷物語号』からの景色をお楽しみください。ガイド付きのツアーで流氷カヤックや流氷ウォークもあります。知床の流氷ウオークでしたら、ドライスーツを着て、流氷の海に浮かんで楽しむことも可能です」と案内しました。

 気象庁によると、海に浮かぶ氷の総称を海氷とし、海氷のうち、海を流れ漂い、海岸に定着していないものを流氷と呼びます(国際的には海水が凍結したものだけを流氷とすることもある)。

 第一管区海上保安本部(北海道)では、北方海域での船舶等の海難を防止するために、海氷情報センターを設置。海氷の分布や動向を把握し周知する活動を続けています。同センターによると、視界内の海面に初めて流氷が見えた日を「流氷初日」としており、今季の網走での流氷初日は1月20日でした。

「落ちたら絶対に助からない」凍った諏訪湖に立ち入る人たちに震えるSNS「命知らずじゃない、無知だ」

結氷した湖面が山脈状に隆起する御神渡(おみわた)りの出現が待たれる諏訪湖(長野県諏訪市)。その諏訪湖で立ち入りが禁止されているにもかかわらず、凍った湖に入り込み、氷上を歩き回る人たちの画像がSNSで拡散しています。訪れる皆さん、湖を渡れるのは“神様”だけですー。撮影者に聞きました。

「氷上危険 立入禁止」のプレートが取り付けられたロープの向こうは一面に氷が張った諏訪湖。その氷上を歩いている人は少なくとも10人以上。湖岸から相当距離がある初島付近にも人影を確認できます。御神渡りを認定する八剱神社関係者ではなく、観光客とみられます。結氷しているとはいえ、湖畔には温泉があるため氷の厚さにはムラがあり、湖底堆積物からメタンガスなどが生じるため、「釜穴」と呼ばれる薄氷の箇所が無数にあるといいます。もし落水したら命に係わる重大事故につながりかねません。

「地元の人達はこの程度の厚さじゃ絶対に乗ったりしない。釜穴に落ちて死んだ人たちの話を子供の頃から聞いてるから」とツイッターユーザーの研磨職人みならい(@kenma_minarai)さんが公開した画像にネットは騒然。「あっぶねぇ・・・!」「良くこんな事ができるな…。」「地域の人間からしたらあり得ない」「落ちたら絶対に上がれないよ」「命知らずすぎる」 などの声が上がっています。

「注意喚起になれば」…撮影者に聞いた

撮影したのは、2022年1月23日の夕方ごろ。諏訪湖周ロードのホテル紅や付近から初島に目をやると、氷上に人影を見つけました。誰かが通報したのか、間もなく警察車両がやってきて湖岸に戻るよう呼びかけがあったそうです。幸い落水事故には至りませんでしたが、「注意喚起になれば」と画像を投稿した研磨職人みならいさんに聞きました。

ー凍った湖へ人が立ち入るのは

「以前に全面結氷した際にも問題になりました。諏訪湖周自治体によってロープを張り巡らせてあり、氷が安全であるかを示すための旗が設置されています。赤旗であれば危険なので立入禁止、白旗であれば釜穴などのない指定された場所においては歩いても良いというルールがあります。これらのルールは周辺自治体では周知されているかもしれませんが、観光客まで周知されているかは分かりません。ただし、危険であることは画像の通りロープと看板で知らせています」

ー釜穴と呼ばれる薄氷の部分が数多くあるんですね

「釜穴の恐ろしさは諏訪湖周辺に住む人たちには当然のことですが、一般には知られていないかもしれません。私も小さな頃から祖父や祖母、両親からも諏訪湖に氷が張っても場所によって極端に薄い部分があるから気を付けなさいを言われて育ちました。最近は釜穴に落ちて亡くなったという事故の話は聞きませんが、それは湖周辺に住む人たちが注意喚起を行っているからなのかもしれません。最近は氷上を歩く人を見かけるとすぐに警察が動くような印象です」

ー地元の人にとって諏訪湖とは 

「無くてはならないものです。普段はなんてことのない特にキレイでもない湖なのですが、地質的にはフォッサマグナと中央構造線の交点になっています。諏訪湖を挟んで存在する諏訪大社を通じて自然信仰が深い地域なので、諏訪の神々がいる場所という意識は潜在的にあるのかもしれません。今年は諏訪大社の7年に1度行われる御柱大祭の年でもありますし、諏訪の人々の熱気をみていただきたいです」

温泉や諏訪大社だけでなく、諏訪湖周辺は縄文文化にも深い関わりがあるといいます。諏訪湖の特産はワカサギやテナガエビが有名。湖周辺には近くランニングロードとサイクリングロードが完成するそうです。「諏訪湖は年間を通じて落水事故があります。せっかく観光で来られた人に、けがや嫌な思いはしてほしくないと思い投稿しました。今の季節は湖畔から諏訪湖の美しさを感じ取ってもらえれば」と話しています。

3連休初日「あばしりオホーツク流氷まつり」賑わう 氷雪像のほか接岸初日の流氷も見ごたえ 網走市

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