トヨタ完成車工場、稼働時間の上限30分短縮へ…品質不正相次ぎ「繁忙感」改善狙い

トヨタ完成車工場、稼働時間の上限30分短縮へ…品質不正相次ぎ「繁忙感」改善狙い

 トヨタ自動車は2024年度に国内の完成車工場について、稼働時間の上限を原則30分短縮する方針を固めた。グループで品質を巡る不正が相次いでいることを踏まえ、生産現場に余裕を持たせることで品質確保につなげる。開発計画についても見直す方針で、働きやすい環境づくりにつなげる狙いもある。

 トヨタの工場は通常1日2交代制で、各8時間程度の勤務に加えて残業を行っている。稼働時間の上限は生産計画に基づいてラインごとに定められており、今回はこのうち残業部分の上限を30分短くする。人気車種の生産を定時外に残業で行う生産ラインなどを想定しており、トラブルや部品不足のない平時に稼働時間を減らすのは異例だ。

 余裕のできる30分間は従業員が早めに帰宅したり、機器の点検や研修にあてたりするのが可能になる。ただ、機械の故障や自然災害で生産計画に大きな遅れが生じた場合、挽回のため生産にあたることもある。

 半導体不足の解消を背景にトヨタの生産台数は拡大している。国内は1日当たり1万5000台近くに上る日もあり「繁忙感が強い状態」(関係者)が続く。

 このため24年度は上限の目安を1万4000台程度とし、現場の余力づくりを図る。それでも24年の世界生産は過去最高の約1030万台を見込む。人気車種は稼働が少ない別工場のラインでも生産するなど、強い需要に対応できるよう工夫する。

 開発計画についても一部を見直す検討に入った。現場にゆとりを持たせることを重視し、新型車の開発スケジュールを遅らせることを視野に入れる。タイトな開発スケジュールがグループで不正の遠因となったことから余裕度を重視する。

 グループ全体の販売台数は23年の1123万台から1割程度落とすことも許容する方向だ。

 昨年12月には子会社のダイハツ工業が安全性の認証を不正に取得していたとして、全車種の出荷停止に追い込まれた。1月29日にはディーゼルエンジンの生産を委託する豊田自動織機でも不正が発覚、一部車種の出荷が止まった。トヨタは稼働を短縮することで、子会社や部品メーカーにも余力を広げたい考えだ。

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