豊田自動織機「認証不正問題」について

豊田自動織機「認証不正問題」について

本日、株式会社豊田自動織機(以下、豊田自動織機)は、フォークリフト、建設機械用エンジンの国内排出ガス認証不正について調査を委託した特別調査委員会(井上 宏委員長)より報告書を受領いたしました。それを受けて豊田自動織機に自動車用ディーゼルエンジンの開発を委託していたトヨタ自動車株式会社(以下、トヨタ)は豊田自動織機より報告を受けました。

調査の結果、トヨタが認証申請手続き用に豊田自動織機に委託した自動車用ディーゼルエンジン3機種の出力試験において、違反行為があったことが判明しました。出力試験時に、量産用とは異なるソフトを使ったECUを用いてエンジンの出力性能を測定し、測定する数値が安定するようにバラつきを抑えて報告する行為が行われていました。該当するエンジンが搭載された車両は、グローバルで10車種(うち日本6車種)となります。

なお、該当するエンジン/車両については、工場で生産した量産品を改めて検証し、エンジン出力の規準を満たしていることは確認しております。従いまして、ただちに使用を停止していただく必要はございませんが、該当車両をご愛顧いただき、長らくお待ちいただいているお客様をはじめとする全てのステークホルダーの皆様に多大なご迷惑・ご心配をおかけしておりますことを、深くお詫び申し上げます。

今回の調査結果を踏まえ、本日、豊田自動織機にて対象のエンジンの出荷を一旦停止すること決定しております。また、トヨタとしても該当エンジンが搭載された車両について出荷を一旦停止することを決定いたしました。今後、当局に丁寧に説明を行い、速やかに、立会試験などの適切な対応を進めてまいります。

「認証」とは、お客様に安心してクルマにお乗りいただくための様々な基準を満たしているかを、あらかじめ国に審査・確認いただくものであり、認証の適切な取得は、製造業として事業を行う大前提であると考えております。ダイハツに続き、豊田自動織機において不正行為が繰り返されてきたことは、認証を行うメーカーとしての根本を揺るがす事態であると大変重く受け止めております。

豊田自動織機として、お客様や各ステークホルダーの皆様に、認証を行うに値するメーカーとして、再び信頼していただけるのか、まずは、今回判明したことを当局に丁寧に説明し、ご指導をいただきながら対応を進めていくと聞いております。

また、該当する事業の再生に向けては、経営陣から従業員まで一人ひとりの意識の変革、企業風土の抜本的な改革が必要となります。これらは、一朝一夕にできることではないため、ディーゼルエンジン事業を移管したトヨタとしても、豊田自動織機のエンジン事業の再生に向けて、継続的にサポートをしてまいります。

さらに、今回、該当する試験を委託した立場としても、法規に従った手順に則っていなかったことを認識できておらず、十分な目配り・把握ができていなかったと反省しております。今後は会社立て直しの全社の活動に入り込み、安全と品質が最優先に徹底されるよう、見直しを図っていきます。

不正行為対象エンジンの搭載車両

エンジン 搭載車両 販売開始時期 生産事業体 車両仕向け地
1GD ランドクルーザープラド 2020/8(生産終了)
  • トヨタ
  • 日野
日本、欧州、中東、アフリカ、アジア
ハイエース/グランエース/エース/ボンゴブローニイバン(マツダ) 2017/12
  • トヨタ車体
  • 岐阜車体
  • トヨタ車体(タイ)
日本、欧州、中東、アジア
ダイナ/デュトロ(日野) 2021/5 日野 日本、アジア
ハイラックス 2020/5
  • トヨタ・モーター・タイランド
  • トヨタ・モーター・サウスアフリカ
  • トヨタ・キルロスカ・モーター(インド)
欧州、中東、アジア、アフリカ
フォーチュナー 2020/5
  • トヨタ・モーター・タイランド
  • トヨタ・モーター・インドネシア
  • トヨタ・キルロスカ・モーター(インド)
欧州、中東、アジア
2GD ハイラックス 2020/5 トヨタ・モーター・タイランド 日本
イノーバ 2020/7 トヨタ・キルロスカ・モーター(インド) アジア
F33A ランドクルーザー 300 2021/8 トヨタ車体 日本、欧州、中東、アジア、アフリカ
LX500d 2022/1 トヨタ車体 欧州、中東、アジア

販売開始時期は販売国、車両工場により異なる可能性があります

豊田自動織機が会見 エンジン認証不正

エンジンの認証試験の不正をめぐり、トヨタグループの豊田自動織機が自動車用のエンジンでも新たに不正が発覚したと発表。一連の不正をめぐり豊田自動織機の記者会見が29日午後、行われました。

トヨタ会長が謝罪「絶対やってはいけないこと」 相次ぐグループの不正|TBS NEWS DIG

豊田自動織機やダイハツ工業など、トヨタ自動車のグループで不正が相次いでいる問題。トヨタの豊田会長は、グループ発祥の地で「原点を見失っている」と謝罪しました。

記者

「国交省の職員が検査に入ります」

けさ、国土交通省の担当者が立ち入り検査を始めたのは、トヨタ自動車グループの豊田自動織機の工場。トヨタの“源流”でもある企業が立ち入りを受けたのは、エンジンの性能試験での不正でした。

トヨタ自動車 豊田章男 会長

「日野自動車、ダイハツ工業、豊田自動織機の相次ぐ不正、深くお詫び申し上げます」

トヨタグループ発祥の地である「産業技術記念館」で会見を行った、トヨタ自動車の豊田会長。

トヨタ自動車 豊田章男 会長

「大切にすべき価値観や物事の優先順位を見失う。恥ずかしながら、そんな状況が発生してきた。販売してはいけない商品をお客様に届けた。絶対にやってはいけないことをやってしまった」

豊田氏が「絶対にやってはいけないこと」と強調したのは、グループ企業で相次ぐ、認証不正です。

日野自動車 小木曽聡 社長(おととし3月)

「誠に申し訳ございませんでした」

日野自動車はおととし、排ガスなどの検査データで不正が発覚。

ダイハツ工業も去年、衝突試験などで国の認証を不正に取得し、すべての車種の出荷停止に追い込まれました。さらに…

豊田自動織機 伊藤浩一 社長(きのう)

「トヨタ自動車とのコミュニケーションが不足しており、試験のプロセス(過程)、守るべき手順などのすり合わせが十分に行われていませんでした」

豊田自動織機でも、きのう、新たな不正が見つかりました。

グループ企業で相次ぐ不正。豊田氏は、原因の一つにグループ企業がトヨタに対し、「意見が言いづらい点があった」と指摘しました。

トヨタ自動車 豊田章男 会長

「トヨタグループ全体の責任者はこの私だと思っております。原点を見失っている。会社を作り直すくらいの覚悟でやらざるを得ない。具体的な取り組みと言われても、ない。まず行動してみよう」

不祥事が相次ぐ一方で、去年の世界での販売台数で過去最高を更新したトヨタ。豊田会長が「見失っている」と話した原点を取り戻せるのか。グループ全体の信頼回復への取り組みが問われています。

トヨタグループで認証試験不正が相次ぐ 豊田章男会長が会見で謝罪

【ノーカット】トヨタ自動車・豊田章男会長登壇『トヨタグループビジョン説明会』日野自動車・ダイハツ・豊田自動織機の相次ぐ不正発覚…経済ニュースライブ(日テレNEWS LIVE)

【不正の原因がダイハツと酷似】トヨタの根幹"豊田自動織機"で「エンジン試験不正」ランクルやハイエースなど10車種の出荷停止決定 「現場の負荷を経営層が理解できなかった」とトヨタ佐藤社長<カンテレ>

【タカオカ解説】日野自動車、ダイハツに続き豊田自動織機でも…グループ企業内で立て続けに起こった不正問題 “世界のトヨタ”でいま何がー?

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【トヨタ】「ランクル」「ハイエース」など10車種出荷停止 豊田自動織機の不正受け

トヨタ自動車は、グループ会社の豊田自動織機の不正が明らかになったことを受け、「ランドクルーザー」や「ハイエース」など合わせて10車種の出荷停止を決めました。

この問題は去年3月、トヨタグループの豊田自動織機でフォークリフト用エンジンの認証試験の不正が発覚し、特別調査委員会が調査していたものです。

今回、新たにトヨタ自動車向けのディーゼルエンジンの認証試験でも、不正行為が明らかになりました。

これを受けトヨタは、不正行為が行われていたエンジンが搭載された「ランドクルーザー」や「ハイエース」など10車種の出荷を停止しました。

トヨタ自動車 佐藤恒治社長

「フォークリフトなどの産業車両、自動車に対するディーゼルエンジンについて不正が起きたことを大変重く受け止めておりますし、まず調査委員会からの報告を拝読し、その真因について改めて理解を深めて改善、再発防止に全力で取り組んでまいりたい」

トヨタを巡っては、グループのダイハツでも大規模な不正が発覚しており、佐藤社長は技術の高度化が進み現場の負荷が高まる中で、「現場レベルのコミュニケーションの改善やフィロソフィー(行動規範)レベルの教育が必要」と強調しました。

(2024年1月29日放送)

ハイエースなど10車種を出荷停止 豊田自動織機ディーゼルエンジン不正【スーパーJチャンネル】(2024年1月29日)

 トヨタ自動車向けに製造されたディーゼルエンジンで検査不正があったことが明らかになりました。トヨタは人気車種のランドクルーザーやハイエースなどの出荷停止を決めています。

■豊田自動織機ディーゼルエンジン不正

 トヨタ自動車グループの試験不正が拡大しています。豊田自動織機が29日、明らかにしました。

豊田自動織機 伊藤浩一社長

「お客様、販売店、仕入れ先、並びに監督官庁はじめ、多くの関係者の皆様に多大なご迷惑をお掛けし、誠に申し訳ございませんでした」

 豊田自動織機はトヨタ自動車グループの源流企業で、フォークリフトの世界最大手。去年3月にはそのフォークリフト用エンジンの性能試験でデータを差し替えるなどの不正行為を行っていたと発表しています。

 そして、その不正の対象が新たに自動車用ディーゼルエンジンなどにも広がっていたことが分かったのです。

 先立って会見をした特別調査委員会は…。

特別調査委員会 井上宏委員長

「エンジンの最高出力値を決定するためのデータは、豊田自動織機社がトヨタ自動車から委託を受けて測定しておりました。その出力測定試験に際しまして、試験に用いるエンジンの燃料噴射量を変更するという不正行為が行われていたことが確認されました」

■ハイエースなど10車種 出荷停止

 不正が確認されたエンジンは3種類。豊田自動織機が一部開発も受託していました。搭載している車両は「ハイエース」や「ランドクルーザー」「ハイラックス」など世界で10車種です。豊田自動織機は、出力性能自体は出荷の基準を満たしているとしています。

特別調査委員会 井上宏委員長

「(Q.不正が行われた動機はどういうことだった?)性能を見栄えよく見せるという、そのような動機と理解しています」

豊田自動織機 伊藤浩一社長

「担当者が代々、こんなやり方でやってきたんだよということで引き継いできたと言いますか、広まってしまっていた状況がありますので」

 出荷基準を満たしているものの、豊田自動織機は対象のエンジンの出荷を停止。それに伴い、トヨタも当該エンジンが搭載された車両の出荷を一時停止するとしています。

 国土交通省は30日、愛知県碧南市にある豊田自動織機の工場に立ち入り検査に入る予定です。

豊田自動織機のエンジン不正 トヨタ社長が謝罪「大変重く受け止めている」(2024年1月30日)

 トヨタ自動車の佐藤恒治社長はグループの豊田自動織機で見つかった認証試験での新たな不正について謝罪しました。不正が見つかった10車種について出荷を停止しています。

トヨタ自動車 佐藤恒治社長

「大変申し訳ございません」

 佐藤社長は、不正は認証制度の根幹に関わる重いことだとし、「再発防止に全力で取り組みたい」と話しました。

 豊田自動織機によりますと、去年発覚した排出ガス性能などに関する不正を受けて特別調査委員会が調べたところ、トヨタ向けのディーゼルエンジンでも不正が見つかりました。

 試験の際に燃料の噴射量を調整したというもので、ランドクルーザーやハイエースなど、国内の6車種を含む合計10車種がこのエンジンを搭載しています。

 トヨタは10車種の出荷を停止しましたが、エンジンの出力は基準を満たしていて、直ちに使用をやめる必要はないとしています。

 また、豊田自動織機はフォークリフト用のエンジン6機種などでも新たな不正があったと明らかにしています。

【トヨタグループ】相次ぐ不正「絶対にやってはいけないこと」

ダイハツ、日野自動車、そして豊田自動織機。いずれもトヨタグループですが、相次ぐ不正の発覚を受けて30日、トヨタ自動車の豊田章男会長が会見、「絶対にやってはいけないことをやってしまった」と謝罪しました。

30日午後、“トヨタの責任者”として、豊田章男会長が記者会見を行いました。

トヨタ自動車 豊田章男会長

「日野自動車、ダイハツ工業、豊田自動織機の相次ぐ不正により、お客様をはじめ、ステークホルダーの皆様にご迷惑、ご心配をおかけしておりますことを深くおわび申し上げます」

今、不正問題に揺れるトヨタ。30日朝、国交省の立ち入り検査が入ったのは、エンジンの生産を行うグループ会社「豊田自動織機」の工場です。

去年3月、フォークリフト用エンジンの認証試験で不正が発覚していた豊田自動織機。新たに自動車用のディーゼルエンジンの認証試験でも不正を行っていたことが明らかになったのです。

豊田自動織機によると、エンジンの出力試験の際に燃料の噴射量を調整し、出力などを見栄えのいいデータにするといった不正行為が確認されたということです。

なぜ、不正が行われたのか…。

豊田自動織機 伊藤浩一社長(29日)

「トヨタ自動車とのコミュニケーションが不足しており、試験のプロセス、守るべき手順などすり合わせが十分に行われなかった」

また、経営の危機管理不足やコンプライアンス意識の低さなどがあったと説明。出力性能に問題はないといいますが、これをうけトヨタ自動車は、該当するエンジンが搭載された「ハイエース」や「ランドクルーザー」など10車種の出荷を停止しました。

30日、世界販売台数で4年連続トップ、過去最高の約1123万台を記録したトヨタグループ。その一方で、これまでにも「日野自動車」で排ガスなどの検査データの不正。「ダイハツ」で衝突試験などでの不正と、認証試験をめぐる不正が相次いでいます。

さらに、今回発覚した「豊田自動織機」。実は…

トヨタ自動車 豊田章男会長

「(創始者の)豊田佐吉は、1890年、豊田式木製人力織機を発明いたします。その後、豊田紡織、豊田自動織機製作所の設立へつながり…」

その後、「豊田自動織機」の自動車部門から独立したのが、今の「トヨタ自動車」。つまり“トヨタの源流”である会社で不正が発覚したことになります。

トヨタ自動車 豊田章男会長

「認証で不正をしたわけですから、販売してはいけない商品をお客様に届けたということが起きた。絶対にやってはいけないことをやってしまった。認証制度があるからこそ、お客様は安心して車に乗れる。認証において不正を働くということは、お客様の信頼を裏切り、認証制度の根底を揺るがす極めて重いことだと受け止めております」

斉藤国交大臣は「不正の背景として企業のガバナンスの問題が大きかった」との認識を示し、今回の立ち入り検査では豊田自動織機のガバナンス問題も含めて調査するとしています。

(2024年1月30日放送「news zero」より)

【速報】エンジン検査不正めぐり国交省が豊田自動織機に立ち入り検査(2024年1月30日)

 トヨタ自動車のグループ企業である豊田自動織機によるエンジン検査の不正問題で、国土交通省が30日午前、立ち入り検査に入りました。

 立ち入り検査が始まったのは、豊田自動織機のエンジン開発部門がある愛知県の碧南工場で午前9時ごろに国交省の職員が入りました。

 不正行為の事実関係などを確認するほか、生産中のすべてのエンジンが基準に適合しているか技術的に検証します。

 新たな不正が見つかれば最悪の場合、大量生産に必要な「型式指定」が取り消される可能性もあるということです。

 検査の対象にはトヨタ自動車向けのディーゼルエンジンも含まれていて、トヨタ自動車は対象のエンジンを搭載する10車種の出荷停止を決めています。

トヨタ・豊田章男会長が謝罪 グループの不正「極めて重い」【スーパーJチャンネル】(2024年1月30日)

グループで相次ぐ不正に豊田章男会長が謝罪しました。

トヨタ自動車 豊田章男会長

「日野自動車、ダイハツ工業、豊田自動織機の相次ぐ不正により、お客様をはじめ、ステークホルダーの皆様にご迷惑、ご心配をお掛けしておりますこと深くおわび申し上げます。認証で不正を働くことは、お客様の信頼を裏切り、認証制度の根底を揺るがす極めて重いことであると受け止めております」

 豊田自動織機によるエンジン検査の不正問題では30日朝、愛知県の工場に国土交通省が立ち入り検査が入る事態となっています。

「会社を作り直すぐらいの覚悟」トヨタ会長 相次ぐ不正謝罪(2024年1月30日)

トヨタ自動車の豊田章男会長は、記者会見でトヨタグループで不正が相次いでいることを謝罪し、グループの責任者として企業風土の改革に取り組むと述べました。

トヨタ自動車 豊田章男 会長「日野、ダイハツ、豊田自動織機の相次ぐ不正により、お客さまをはじめ、ステークホルダーの皆さまにご迷惑、ご心配をおかけしていることを深くおわび申し上げます。不正を起こした会社はやってはいけないことをやったので、会社を作り直すぐらいの覚悟でやらざるを得ない」

豊田会長はグループで相次ぐ不正について、「客の信頼を裏切り、認証制度の根底を揺るがす、極めて重いことだと受け止めている」と話しました。その上で、グループの新たなビジョン「次の道を発明しよう」を実現するため、豊田会長自らがグループの責任者として、変革をリードする考えを示しました。

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トヨタ、4工場6ラインの稼働停止を継続 豊田織機の不正で

トヨタ自動車は5日、国内の車両組み立て4工場6ラインについて、豊田自動織機のエンジン認証取得不正に伴う稼働停止を9日まで延長すると明らかにした。同工場では不正の拡大が発覚した1月29日夕から稼働を取り止めている。

当初は週末の10日も稼働する予定にしていたが停止し、12日以降に再開するかどうかは8日をめどに判断する。

停止中の4工場は、トヨタ子会社のトヨタ車体の富士松工場(愛知県刈谷市)、吉原工場(同県豊田市)、いなべ工場(三重県いなべ市)、岐阜車体工業の本社工場(岐阜県各務原市)。

[社説]トヨタ主導でグループの不正を断ち切れ

トヨタ自動車のグループ企業でまたもや不正が発覚した。トヨタの源流企業である豊田自動織機が、トヨタに供給する自動車用エンジンでも試験データを偽っていたことが分かった。

巨大企業グループの信頼を根底から揺るがす異常事態が次々と明らかになっている。トヨタグループは膿(うみ)を出し切り、不正を断ち切らねばならない。

豊田織機は昨年3月、フォークリフト用エンジンの排出ガス試験で不正が見つかった。外部委員会の調査により、トヨタの人気車種「ランドクルーザー」などに搭載されるエンジンの出力試験での不正が新たに明らかになった。

トヨタグループでは、昨年12月にダイハツ工業が30年以上にわたって軽自動車などで品質不正を続けていたことが判明している。日野自動車もトラックなどの排出ガスや燃費を巡る不正が発覚した。いずれも生産に必要な国のルールを破る悪質な行為だ。

中核企業の幅広い車種が不正の対象になっており、グループ全体の問題といえる。不正対象の車種は出荷が止まり、関連する産業への打撃も甚大だ。

トヨタの豊田章男会長は1月30日に開いたグループ指針の説明会で「顧客の信頼を裏切り、認証制度の根底を揺るがす極めて重いこと」などと謝罪。不正を起こした3社は会社をつくり直すぐらいの覚悟が必要だと指摘し、「責任者としてグループの変革をリードする」と語った。だがグループ内にはびこる不正をトップとして具体的にどう撲滅するかへの言及は乏しかったと言わざるをえない。

豊田会長はグループでさらなる不正が発覚する可能性を問われ、「私が知っているかぎりない」と述べた。まずはトヨタ本体も含めて不祥事がないかをもう一度、徹底的に洗い直す必要がある。

いまでも何らかの不正や隠蔽が続いているとしたら、グループ経営に取り返しのつかない影響が及ぶことを深く自覚すべきだ。会長自身もグループ各社がトヨタ本社に「ものがいいづらい」問題があると認めている。

トヨタはグループ全体の新車販売が4年連続で世界首位となった。問題解決を各社任せにしてはならず、豊田会長を筆頭とするトヨタ経営陣がグループ全体の改革を責任をもって主導していくべきだ。統治体制の総点検を含めた包括的な再発防止策が求められる。

トヨタが4年連続世界販売首位、約1123万台-独VWに200万台差

トヨタ自動車は30日、2023年のグループ世界販売台数が前年比7.2%増の1123万3039台で過去最高だったと発表した。独フォルクスワーゲン(VW)は同12%増の約924万台にとどまり4年連続での世界首位が確定した。

 トヨタの発表資料によると、トヨタと高級車ブランド「レクサス」の販売台数は7.7%増の1030万7395台だった。ハイブリッド車(HV)の販売好調などで北米で24%、欧州も23%と大きく成長。競争が激化している中国市場も年末の需要盛り上がりや販促活動により前年超えを確保した。レクサスブランドは32%増の82万4258台と過去最高となった。

  子会社のダイハツ工業の世界販売は前の年比3.2%増。認証試験を巡る不正の影響を受けた日野自動車は9.8%減だった。

  トヨタは20年、新型コロナウイルス禍でVWが地盤とする欧州の販売が落ち込んだことなどで世界首位のタイトルを奪還し、その後は差を拡大してきた。電気自動車(EV)のラインアップ拡大で出遅れるトヨタだが、同社が得意とするHVの需要は堅調でトヨタのトップの座は当面揺るがない可能性が高い。

  調査会社S&Pグローバル・モビリティの川野義昭アソシエイト・ダイレクターはトヨタが「世界トップという状況は中長期でも不変」との見方を示す。「各市場の成長や現状の実需要に即した展開を図り、消費者にとっての選択肢を多岐にわたり用意することによって台数を一定程度維持できる見立て」となっているという。

S&Pの予測では30年時点でもトヨタのライトビークル(乗用車と小型商用車)販売台数はVWを約197万6000台上回ることが見込まれている。

  EVでの出遅れも指摘されるトヨタの昨年のEV販売は10万4018台だった。前の年との比較では4倍超の伸びとなったが米テスラや中国BYDなど競合と比べると低い水準にとどまっている。

  川野氏は、電動化のスピードが予想よりも早くなった場合、豊富なEVラインアップを抱える競合他社に顧客が流出する可能性があると指摘。反対にEV普及が遅れた場合には「むしろ従来型の商品構成を維持し続けていることによるいわば残存者利益を享受できるような追い風が加速する可能性」もあるという。

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豊田自動織機エンジン不正に関する稼働再開について

株式会社豊田自動織機(以下、豊田自動織機)のディーゼルエンジン不正について、長らくお待ちいただいているお客様をはじめとする全てのステークホルダーの皆様に多大なご迷惑・ご心配をおかけしておりますこと、深くお詫び申し上げます。

2月27日、国土交通省より、豊田自動織機製のディーゼルエンジンの出荷停止を解除する旨の公表がありました。

トヨタ自動車株式会社(以下、トヨタ)は豊田自動織機のディーゼルエンジンにおける認証不正により、一部の生産ラインの稼働を停止しておりました。今回の国土交通省の公表を踏まえて、豊田自動織機よりエンジンの供給を受け、いなべ第1ライン、岐阜車体第1ラインを3月4日より生産再開することを決定しました。これにより、国内はすべての工場での生産を再開し、国内仕向けの車両の出荷を再開することとなります。

トヨタとして、豊田自動織機が原点に立ち戻り、エンジン事業の再生に取り組むことを継続的にサポートしてまいります。また、グループ全体の取組みとして、安全と品質が最優先で徹底されるよう、いま一度見直しを図っていきます。

生産再開の車両一覧

生産ライン 織機不正対象エンジン搭載車両 その他
いなべ工場第1ライン ハイエース、エース、グランエース アルファード、ヴェルファイア
岐阜車体第1ライン ハイエース、エース 救急車

ランドクルーザー300(吉原工場で生産)は海外向けで生産再開済。今回、国内仕向も再開。

ハイラックス(トヨタ・モーター・タイランドで生産)は3月4日から出荷再開。

トヨタの「源流」に何が起きたのか、エンジンめぐり長期の不正

 トヨタグループの「源流」、すなわちトヨタ自動車を生んだ企業が起こしたことから世間を騒がせている豊田自動織機の品質不正。対象はフォークリフトなどに搭載する産業車両用エンジンおよび自動車メーカーに納入するエンジンである。排出ガス規制に対する検査内容が法規に違反しており、機種によっては規制に適合しない状態で出荷されていた。

 ただ、B to B(企業間取引)を中心とした製品であることもあって、不正の中身が複雑で分かりにくいという特徴がある。同社は一体、何をしたのか。10の疑問とその回答の形で解説する。

Q1 不正の中身は?

 フォークリフトおよび建設機械向けの[1]産業車両用エンジンと、[2]自動車用エンジンで不正が見つかった。このうち、[1]の産業車両用エンジンでは、エンジンの「劣化耐久試験」における法規違反と、排出ガスの規制値の超過が発覚した。道路運送車両法に基づく一酸化炭素等発散防止装置の装置型式指定(国内認証)の申請において義務付けられた試験だ。劣化耐久試験とは、エンジンを一定時間運転させて劣化させた条件でエンジンの排出ガス性能を確認する試験である。

 不正が見つかった産業車両用エンジンは(1)フォークリフト向けが9機種で、(2)建設機械向けが2機種。(1)のフォークリフト向けにはディーゼルエンジンとガソリンエンジンがある。このうちディーゼルエンジンには「1KD」「1ZS」「旧(旧型の意味)1DZ」「3Z」「15Z」の5機種が、ガソリンエンジンには「4Y」「1FS」「旧4Y」「1FZ」がある(図2)。一方、(2)の建設機械向けはディーゼルエンジンだけで、「1KD」と「旧1KD」の2機種である。

 これらのエンジンについて5種類の不正行為が認められた(表1)。開発段階での認証取得時(劣化耐久試験時)と、量産段階での工場における抜き取り検査時(量産抜き取り検査時)である。認証取得時においては、①実測値と異なる数値の使用、②試験中における部品などの交換、③量産品と異なる制御ソフトウエアを組み込んだECU(試験用ECU、ECUはEngine Control Unit)の使用、④複数の測定値からの値の選択──の4種類の不正が見つかった。一方、量産抜き取り検査時には、⑤国土交通省に提出した社内規定とは異なる頻度での検査および試験用ECUの使用などの不正を行っていた。

[2]の自動車用エンジンでは、自動車型式指定(および一酸化炭素等発散防止装置の装置型式指定)の申請時に必要なエンジンの出力測定で不正が見つかった。「1GD」と「2GD」、「F33A」の3機種で、これらは全てトヨタ自動車が豊田自動織機に開発を委託しているディーゼルエンジンである(図3)。

 具体的には、試験用ECUを使用して制御パラメーター値を操作し、最高出力点を含む一部の回転数領域において、燃料噴射量を調整していた(表2)。これにより、測定値が安定するようにばらつきを抑え、出力・トルクカーブを「見栄えの良いデータ」(特別調査委員会)にしていた。

 ただし、出力試験以外の自動車の型式認証業務はトヨタ自動車が行っており、同社は工場で生産された量産エンジンの性能も確認。その結果、「出力の基準を満たしている」(トヨタ自動車)ことが分かっている。

トラブルの再発を防ぐには

「トヨタ流人づくり 実践編 あなたの悩みに答えます」では、日本メーカーの管理者が抱える悩みに関して、トヨタ自動車流の解決方法を回答します。回答者は、同社で長年生産技術部門の管理者として多数のメンバーを導き、その後、全社を対象とする人材育成業務にも携わった経歴を持つ肌附安明氏。自身の経験はもちろん、優れた管理手腕を発揮した他の管理者の事例を盛り込みながら、トヨタ流のマネジメント方法を紹介します。

日本企業で相次いでいる不正や事故。その再発を防ぐには、まず「なぜなぜ分析」を実施し、真因(問題を引き起こした本当の原因)にたどり着くまで繰り返す必要があるとうかがいました。続いて、管理者が自ら「現地・現物」を実践し、「問題の本質」に迫ることが重要だと学びました。この後、どのようにしたら不正や事故をなくせるのか、そのポイントを教えてください。

編集部:前回までになぜなぜ分析で押さえるべき点と、管理者が現地・現物を実践する重要性を学びました。ここまでできたとして、次はどうしたら不正や事故といったトラブルの再発を防止できるのでしょうか。

肌附氏—なぜなぜ分析で深掘りして真因にたどり着き、さらに管理者が自ら現地・現物を実践して「問題の本質」に迫ったら、ようやく問題解決に向けて進みます。トヨタ自動車の場合、問題が発生した場合の解決手順は決まっています。

 まず、問題の現状を把握します。背景に何があり、問題点は何かを探ります。こうして問題の分析を行い、その原因を追究します。原因が分かったら、対応策を立案します。こうして対応策に関する実施計画を立てた後、人員を整えて対応策を実行に移します。そして、結果の検証を行い、問題のないレベルまで達していることを確認したら、それを再発防止策として評価するのです。最後に、似たような問題が他のところでも起きないように「横展開」し、全社的な再発防止に努めます。

 不正や事故の再発防止に対しても、この問題解決の手順は変わりません。

編集部:その問題解決の手順だけを見ると、必ずしも特別なものというわけではなさそうです。何らかの問題を解決する際に、多くの企業が取り組んでいそうな手順にも思えます。徹底ぶりの差でしょうか。

肌附氏—それは言えると思います。これまでに私も何度か言及してきましたが、いわゆるトヨタ流の施策とはいっても、他のどの企業にも見られない画期的な考え方で生み出されたものは、実はほとんどありません。

 その典型例はトヨタ生産方式です。多くの人は「あれはトヨタにしかできない」「うちでは難しい」などと言いますが、元をたどると、かつてトヨタ自動車に財務的な余裕がなく、ムダをできる限り省いてクルマを造らないと生き残れなかった時代がありました。そこで、売れ行き(注文)に応じて造るためにどうしたらよいかと考えた結果、「ジャスト・イン・タイム(必要なものを、必要なときに、必要なだけ造ること)」と「自働化(不良品の発生を防ぐこと)」という発想に行き着いたのです。

 独特な言葉を使っているかもしれませんが、製造業の企業であれば、考え方自体は非常に納得がいくものだと思います。実際、ジャスト・イン・タイムや自働化という言葉は使っていなくても、似たような考え方で生産ラインを運営している企業は多いはずです。そうした企業とトヨタ自動車との違いはどこにあるかといえば、「いかに徹底するか」くらいでしょう。これと同じことが問題解決の手順にも言えると思います。

豊田自動織機、不正の真相

不正問題に揺れる豊田自動織機。トヨタグループの「源流」、すなわちトヨタ自動車を生んだ企業が起こしたことから世間を騒がせている。フォークリフトなどに搭載する産業車両用エンジン、および自動車メーカーに納入するエンジンにおいて認証不正が見つかった。影響は大きい。産業車両用エンジンでは、豊田自動織機が生産している現行の6機種のうち主力の5機種が型式指定を取り消された。一方、自動車用エンジンでは、トヨタ自動車と日野自動車、マツダに供給する計10車種が一時、出荷停止に陥った。産業車両用エンジンでは2007年から、自動車用エンジンでは2017年から不正が行われていることが判明している。まさに、量産メーカーとして失格の烙印(らくいん)を押された状況だ。なぜ豊田自動織機は不正に手を染めたのか。その真相に迫る。

法規制を順守する姿勢が欠けており、法規施行当初から不正に手を染めていた。

認証試験専用のECU(試験用ECU)で立ち会い試験に臨んだ点には、排出ガス性能を操作する意図が疑われる。

豊田自動織機にはエンジンの量産メーカーが備えるべきコンプライアンスだけではなく、技術力とノウハウも不足している。

 「量産メーカー失格」─。豊田自動織機の不正について、自動車技術に詳しい専門家は異口同音にこう評価する。その不正の中身を見ると、エンジンを生産するメーカーとしての体を成していないことが分かる。同社はフォークリフト用エンジンに対して排出ガスの法規制が施行された当初から不正に手を染めていた。これにより、少なくとも16年間、不正を継続・隠蔽していたことが特別調査委員会の調査で判明した。

 専門家が豊田自動織機に量産メーカー失格の烙印(らくいん)を押す理由は2つある。第1の理由は、法規制を順守する姿勢が欠落しているからである。

法規制の当初から不正

 産業車両用エンジンの排出ガス規制は2000年以降に本格化した。国交省は2001年8月に道路運送車両の保安基準の一部を改正。公道を走行するフォークリフト(などの特殊車両)に搭載するディーゼルエンジンに対して、2003年10月1日から排出ガス規制を開始した*1。これは「第一次規制」と呼ばれるものである。

*1 2005年12月にはガソリンエンジンにも同規制を拡大した。

 続いて、同省は2005年5月に特定特殊自動車排出ガスの規制等に関する法律(オフロード法)を制定。2006年10月1日以降、公道を走行しないフォークリフト(などの特殊車両)に搭載するディーゼルエンジンとガソリンエンジンにも排出ガス規制を課した。定格出力に応じて順次、排出ガス規制を広げるもので、これを「第二次規制」と呼ぶ。ここで義務付けられたのが、劣化耐久試験の実施である*2。

*2 道路運送車両法(車両法)に基づく一酸化炭素等発散防止装置の装置型式指定を申請する際に必要となった。一酸化炭素等発散防止装置は、排出ガス中の規制物質を規制値内に収めるための装置のこと。法規では、ディーゼルエンジンについては一酸化炭素(CO)と非メタン炭化水素(NMHC)、NOx、PMを、ガソリンエンジンについてはCOと炭化水素(HC)、NOxを規制値内に収める必要がある。

 すなわち、2006年10月1日から産業車両用エンジンを造るメーカーには、劣化耐久試験を実施することが法律で義務付けられたのである。

 ところが、豊田自動織機はこの法律の施行を軽視し、対応に向けた技術開発やノウハウの蓄積を怠った。役職者に向けてしかるべき教育や訓練を施すこともなかったと報告書は記載している。

 こうした状態だったため、豊田自動織機の産業車両用エンジンでは2007年に認証申請したディーゼルエンジンおよびガソリンエンジンから不正行為が見つかっている。すなわち、法規制がスタートした当初から同社は不正に手を染めていたのだ。だからこそ、16年間という長期にわたって不正が続いたのである。

 本来は、排出ガスの規制強化を予測して技術開発を行い、ノウハウを積み上げて施行日までに法規制を満たせる技術力を身に付けるべきだった。同社の行動は量産メーカーとして「あるべき姿」から乖離(かいり)していた。

 一方の自動車用エンジンについては、トヨタ自動車のディーゼルエンジンの開発機能を順次、豊田自動織機に集約するとの決定が2014年にあった。以降、本格的にトヨタ自動車からディーゼルエンジンの開発を委託されるようになった。トヨタ自動車の佐藤恒治社長によれば、開発を委託するに当たってトヨタ自動車は豊田自動織機に手順書を渡し、ディーゼルエンジンを開発する技術とノウハウを提供している。にもかかわらず、出力試験における不正は2017年に認証申請したディーゼルエンジンから行われていた。

 すなわち、自動車用エンジンについては、トヨタ自動車から委託された開発を本格的に展開するようになった当初から豊田自動織機は不正に手を染めていたというわけだ。こうして、同社における自動車用エンジンの不正は6年間に及んだ。

産業用エンジンはほぼ全滅、許可の再取得は「いばらの道」

国土交通省は「特に悪質な不正行為」(同省)があった3機種の産業車両用エンジンに対して型式指定を取り消した。

現行の産業車両用エンジン6機種のうち、2023年4月に取り消しとなっている2機種と合わせて計5機種が型式指定取り消し処分となった。このうち3機種は排出ガスの規制値の未達、残る2機種は「試験用ECU」の不正使用が処分理由。

型式指定の再取得は「いばらの道」。技術力の不足が懸念されるため、再取得に数年かかる可能性がある。実際、日野自動車は不正発覚から2年あまりが経過したが、いまだに再取得できていないエンジンがある。

 「量産メーカー失格」の烙印(らくいん)を国土交通省が押した─。同省は2024年2月22日、豊田自動織機に対して是正命令を発出した。道路運送車両法第76条の規定に基づく国土交通省令の規定違反が判明したためだ。

 具体的には、フォークリフトや建設機械に搭載する産業車両用エンジンの型式指定申請における不正および排出ガスの規制値の超過が理由だ。

国土交通省が行政処分

 是正命令は、法令違反に対する行政処分。道路運送車両法に基づく型式指定は、クルマやエンジンに対して安全および環境の基準を満たし、なおかつ均一性を持って生産できると認められるものを指定して、それを大量生産しても構わないと認める制度である。つまり、型式指定は安全と環境の基準を満たす製品を大量生産できる体制にある企業に認められる。

 国土交通省は豊田自動織機に対し、「その体制ができていないと判断した。従って、それを直せということ」(同省)だ。すなわち、同社が今回、是正命令を受けたというのは、エンジンを量産するメーカーの体を成していないと法律的に判定されたということを意味する。

 豊田自動織機には、国土交通省が定めた「講じるべき措置」を含む再発防止策を策定し、1カ月以内に報告する義務が課せられた。講じなければならない措置は以下の3つ。[1]会社全体の業務運営体制の再構築、[2]エンジン・車両開発全体の業務管理手法の改善、[3]不正行為を起こし得ない法規・認証関連業務の実施体制の構築─である(表)。同社は、1カ月後の3月22日に再発防止策を発表した。

 トヨタグループで是正命令を受けたのは、日野自動車とダイハツ工業に続いて3社目である。こうした事態に対し、「トヨタグループに対する信頼性を著しく損なう事件だ。同グループのものづくりの基盤に亀裂が入っていないかとても心配している」という声がトヨタ自動車OBからは上がっている。

 注目すべきは、今回の是正命令に併せて、国土交通省が新たに型式指定の取り消し処分を決めたことだ(図1)。これにより、豊田自動織機が生産している現行の産業車両用エンジンは、全6機種のうち主力の5機種が型式指定を取り消される事態となった*。

トヨタの佐藤CEO、波乱に満ちた就任1年目-EV失速や不正対応

トヨタ自動車の佐藤恒治社長(54)が就任から1年を迎えた。その間、多くの企業トップが生涯で経験するよりも多くの浮き沈みを乗り越えてきた。

  昨年4月1日の就任直後、佐藤社長は電気自動車(EV)の導入に消極的だと長年批判されてきたトヨタが今後数年内にEVを本格的に導入していくと公言して脚光を浴びた。それから数カ月後には需要の低迷でEVブームの失速が指摘されるようになり、トヨタは逆にハイブリッド車(HV)にこだわってきたことで称賛されるようになった。

  2023年にトヨタが販売・生産台数と株価で過去最高を更新する一方、ダイハツ工業や豊田自動織機などグループ会社の検査不正が発覚。その謝罪や対応にも追われた。

  ブルームバーグ・インテリジェンスの吉田達生シニアアナリストは、就任一年目としては「すごく難しい年」だったと思うと述べた。

  佐藤社長は就任直後の会見で、トヨタが26年までにEVを年間150万台販売すると述べた。これは、30年までに350万台のEVを販売し、35年までに排出量を半減させ、50年までにカーボンニュートラルを実現するという従来のトヨタの公約の延長線上にあるものだった。

  こうした考え方は創業家出身で佐藤社長の前任者を務めた豊田章男会長が広めたものだ。世界的なEVシフトは一朝一夕には実現せず、その間、顧客にHVや水素、内燃機関を含む幅広いパワートレインの選択肢を利用できるようにすべきだとしている。トヨタは高級車ブランドであるレクサスを、中国のBYDや米テスラといったEVの世界的なトップランナーに追いつくための広範な計画における先鋒(せんぽう)として位置付けている。

  また、次世代の有力な技術とみられている全固体電池を開発し、車体などの大型部品を鋳造プレスで一体成型する「ギガキャスト」を含めた画期的な製造方法の開発を追求する戦略についての佐藤社長による詳細な説明も示唆に富んでいた。

  BIの吉田氏は「これを言ったから競争優位が失われる、損なわれる、弱くなるとは思ってないのだろう」とし、トヨタの自信のあらわれではないかとの印象を持ったという。

  トヨタは昨年、グループ全体で世界で1100万台以上を販売し、独フォルクスワーゲンを抑えて4年連続でトップの座を守った。

  しかし、昨年末に発覚したダイハツの新たな不祥事で複数車種の生産ラインが一時、停止を余儀なくされたことでその勢いは揺らいだ。この問題を受け、佐藤社長は、グループ全体の再編を視野に入れながら、上層部の再教育などを行うと述べた。

 24年は多くの点で好調だった昨年から一転、トヨタにとってやや精彩を欠く年になると投資家は予想している。新型コロナウイルス禍以降の好況は一段落して新しい常態に落ち着き、サプライチェーンも安定すると見込まれている。

  需要が低迷する中、市場が注目しているのは世界最大のEV市場である中国での普及を促進するための中国政府の政策対応と、米国の政治サイクルだ。今年の米大統領選でトランプ氏が当選すれば、EVか否かにかかわらず、トヨタなど外国メーカーの自動車を買おうとする米国の消費者の意欲に深刻な打撃を与える可能性がある。米国はトヨタにとって大きな市場であり、売り上げの約35%を占めている。

  トヨタを巡る経営環境が変化する中、これまで以上に佐藤社長の真価が問われることになりそうだ。

トヨタ、世界生産1千万台届かず 過去最高も認証不正響く

 トヨタ自動車が25日発表した2023年度の世界生産台数は、前年度比9・2%増の997万1739台と過去最高を更新した。グループの豊田自動織機の認証不正を受けた完成車工場の停止などが響き、計画していた1010万台には届かなかった。

 世界販売台数は7・3%増の1030万9457台と、年度ベースで初めて1千万台の大台を超えた。一方で、完全子会社ダイハツ工業の認証不正でトヨタへの車両供給が滞り、1040万台の計画は未達となった。

 これまで世界生産、販売の最高は22年度の913万1596台、961万5台だった。

 年度を通じて北米や欧州、日本での需要が堅調だったことが、生産、販売の過去最高更新に寄与した。ただ中国での販売競争激化やアジアの経済低迷の影響も受けた。

 ハイブリッド車の世界販売は355万7609台で過去最高だった。新たに車を購入する客の需要がハイブリッド車に移行し、北米・欧州を中心に伸びているという。電気自動車(EV)は3・1倍の11万6654台だった。

グループで不正問題相次ぐトヨタ この春、労使で話し合われたこと

 トヨタ自動車の今春闘は3月13日、労働組合側の過去最高水準の賃上げ要求に対して満額を回答し、妥結した。しかしトヨタ労使が今春闘で時間を費やしたのは、賃金ではなく、働き方。ダイハツ工業や豊田自動織機などトヨタグループで認証不正問題が相次ぐ中、トヨタの現場でも「このままでは品質の維持が危うくなる」という状況が起きており、経営側も危機感を持っていたためだ。トヨタ労使は今春闘で何を話し合ったのか。

現場に負荷「もう放置できない」

 トヨタの2024年3月期連結決算の業績予想は、最終(当期)利益が4兆5000億円と日本の製造業として過去最高に達する見通し。その存在感から、トヨタは長年「春闘のリード役」とされてきた。

 過去2年の春闘では、豊田章男社長(現会長)が初回の労使協議会で「満額回答」の意向を表明。新型コロナウイルス禍と半導体不足で閉塞(へいそく)する自動車業界に、賃上げムードを広げる狙いがあった。

ダイハツの小型車、親会社のトヨタが開発・認証に責任…衝突試験の不正で体制変更

 ダイハツ工業は8日、衝突試験の不正問題に関連し、再発防止策として、親会社のトヨタ自動車が小型車の開発や認証について責任を持つ体制に変更すると発表した。

 トヨタからダイハツが委託を受ける形で、小型車の開発を担う形態にするという。

小型車の開発・認証責任はトヨタに ダイハツ、不正で体制にメス

ダイハツ工業は8日、認証不正問題を受けて、小型車の開発や認証の責任は親会社のトヨタ自動車が持つ体制に改めると発表した。ダイハツはできるだけ軽自動車の事業に集中する。同社の負担を減らし、不正の再発防止を図る。

「ダイハツ存続、社会から認められないのでは」トヨタが悩んだ再建策

 同日発表した新たな事業方針に盛り込んだ。

 国内外向けの小型車の生産では、これまではダイハツが開発、製造から認証までをトヨタから任され、OEM(相手先ブランドによる生産)供給してきた。

 5月1日以降は、開発は引き続きダイハツが担うが、その日程や人員の管理などは、認証試験の手続きとあわせてトヨタが担う。国内の軽自動車は開発から認証までをダイハツが行う。

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