学習用端末で授業中に無関係な動画、指摘すると生徒は「うるせえ」と逆切れ…半ば黙認する教員

学習用端末で授業中に無関係な動画、指摘すると生徒は「うるせえ」と逆切れ…半ば黙認する教員

 小中学校に1人1台の学習用端末が配備されて1年。文部科学省は2024年度からのデジタル教科書の本格導入を目指すが、読売新聞の調査では大半の学校から懸念の声があがる。学校でどう使われ、効果や課題はどこにあるのか。デジタル教科書を取り巻く現状を報告する。

 「授業中でしょう。もうやめなさい」

 3月上旬、東京23区内の区立小学校の5年生のクラスで、40歳代男性教諭の声が響いた。総合学習の時間で、個々に調べ学習をしていたが、1人の男子児童は、インターネット上の無料ゲームに興じていた。以前から何度も注意をしてきただけに、この日は端末を取り上げたが、男児は職員室まできて「返して」と繰り返し訴えた。

 高学年の間では、端末でプレーできるゲームの情報が出回り、授業中にもかかわらずネットのゲームやマンガにはまる児童がクラスに4、5人はいる。男性教諭は「注意するたびに授業が中断し、遅れる。他の子供たちが落ち着かなくなる影響もでている」と危機感を募らせる。

 中学校でも異変が起きている。北陸地方のある中学校のデジタル教科書を使った授業。クラス全員が前を向き静かにしているが、一部は端末で授業に関係のないネット動画を見ている。

 校長は「教壇からは端末で何をしているか分からず、簡単にネットが見られてしまう」と嘆く。教員が気付いてやめるよう声をかけても「うるせえ」と逆切れする生徒もいるため、半ば黙認しているという。

スマホより利用

 端末が配備されたことで、小学生もネットを気軽に使えるようになった。内閣府の21年度調査では、小学生がネットを利用する媒体は、スマホの39%に対し、「学校に配布・指定された端末」が50%で上回る。厚生労働省の調査では、中高生の7人に1人がネットに依存している疑いがあり、より自制心の弱い小学生に広がる恐れもある。

 ゲームやネット依存の専門外来がある国立病院機構・久里浜医療センターの樋口進名誉院長は「ネットやゲームは低年齢で触れるほど、依存しやすくなる。端末を与えたくないのに、授業用だと取り上げられず困っている保護者もいる」と話す。

 文部科学省は、子供一人ひとりの学力や学習の進み具合、特性などに応じた「個別最適な学び」を充実させるには端末の活用が重要とする。しかし、読売新聞の小中学校500校調査(回収率65・8%)で、目的と異なる「学習と関係ないサイト」の閲覧が確認されたのは、回答した学校の52%に上った。「ゲーム」は48%、「ユーチューブなどの動画」も47%だった。目的外使用の場所は、「家庭」が54%で最も多く、授業中も41%あった。

 東京都内のある公立小学校では、児童が自宅に持ち帰った端末でわいせつ画像を見ていたことが判明し、原則学校に置くことにした。不適切サイトの閲覧は「フィルタリング」で制限されているが、ネット上には解除方法が出回る。

 必要な教科書を自宅に持ち帰るのは家庭学習を行う上での基本だ。端末も家庭学習への活用が期待され、文科省も「持ち帰りは有効」とするが、読売新聞の調査では、少なくとも2割の学校では、自宅へ端末を持ち帰らせていない。

 フランスの国立衛生医学研究所研究員のミシェル・デミュルジェ氏によると、スペインでは、端末を支給された子供は、そうでない子供に比べ、全分野で成績が低下したという報告もあるという。デミュルジェ氏は、日本でのデジタル教科書の本格導入について「海外の事例や科学的データを収集し、リスクを十分に把握して判断するべきだ」と警鐘を鳴らす。

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