米大学銃撃犠牲は岡山市出身女性 「努力し、夢かなえたのに…」遺族、無念の思い
米西部ネバダ州のネバダ大ラスベガス校で6日に起きた銃撃事件で、大学などは8日、死亡した3人のうち1人が同校で日本語などを教えていた日本人准教授タケマル・ナオコさん(69)だったと明らかにした。タケマルさんは山陽新聞の遺族への取材で岡山市出身の武丸直子さんであることが分かった。
死亡した武丸さんについて、岡山県内に住む親族の男性(65)が9日、山陽新聞社の取材に応じた。在サンフランシスコ日本総領事館から8日朝に訃報の連絡を受けたといい「あまりに突然過ぎて実感がない。誰よりも努力し、米国の大学で働くという夢をかなえたのに…」と無念の思いをにじませた。
男性によると、直子さんは礼儀正しく優しい性格。学生時代から英語が得意で、青山学院大卒業後に岡山市の姉妹都市・米サンノゼ市へ交換留学で渡った。その後も「英語を生かしたい」と岡山でアルバイトをしてためた資金で米国で働いたが、安定した職がなかなか得られず、岡山と米国を往復する生活がしばらく続いた。
転機は50歳ごろ。博士の学位を取得してネバダ大に就職でき、永住権も取得した。「努力が実り喜びも大きかったと思う」。今も互いの誕生日には連絡を取り、近況を報告し合っていた。
容疑者は直子さん同様に大学での職探しに苦労していたとの報道もあり「現地の厳しい就職事情もあるのだろうが、本当につらい」とし、米国で相次ぐ銃の乱射事件に「悲劇を二度と繰り返してはならない。銃規制強化に本気で取り組んでほしい」と語気を強めた。
米大学銃撃、容疑者が「標的リスト」所持 犠牲の日本人含まれず
米西部ネバダ州のネバダ大ラスベガス校で6日、銃撃事件があり、3人が死亡し、うち1人が60代の日本人女性であることが分かった。在サンフランシスコ日本総領事館が8日、明らかにした。同校などによると、死亡したのは日本語や日本の文化などを教えていた准教授のタケマル・ナオコさん(69)。米メディアによると、数発の銃撃を受け、死亡したとみられる。
同校は8日、声明を発表し、タケマルさんへの哀悼の意を表明。「著名な学者であり、作家であり、受賞歴のある教育者だった。今年で大学の仲間に加わって20年を迎え、学生に献身的だった」と功績をたたえた。
事件を巡っては、警察に6日午前11時45分ごろ「構内で銃撃が起きている」と通報があった。容疑者は別の大学の元教授の男性(67)で、拳銃を所持していた。ほかに同校教授の男性(64)、准教授の女性(39)の2人が死亡、1人が負傷した。容疑者の男性は現場に駆けつけた警官に銃で撃たれ、その場で死亡が確認された。
地元警察によると、男性の遺体からは「標的リスト」のようなものが見つかったが、被害者の名前はいずれも含まれていなかった。CNNテレビは当局者の話として、男性はネバダ州で教員関係の求人に複数応募したものの採用されず、金銭的に苦しい立場にあったようだと伝えた。陰謀論に傾倒していた可能性もあり、事件の背景などを調べている。
米国では銃の乱射や銃撃事件が相次ぎ、CNNによると、今年は学校で80件発生しており、2008年以降で最多となった。
バイデン米大統領は8日、ネバダ大ラスベガス校の学生や地域住民らと面会した。同日にラスベガスで行われたインフラ投資イベントの演説でも多発する銃による事件について触れ、「これは正常ではなく、決して正常にしてはいけない」と強調。「人々には安全を感じる権利がある」と述べ、銃規制の強化の必要性を訴えた。
米・ラスベガスの大学で3人死亡の銃撃事件 死亡した日本人女性の近隣住民「心が引き裂かれたよう…」と涙
アメリカ西部ラスベガスの銃撃事件で死亡した日本人女性。親交が深かったという近隣住民が涙ながらに心境を語りました。
記者(米・ラスベガス 8日)
「銃撃事件はこちらの建物で発生しました。今も周辺には規制線が張られています」
ラスベガスの大学で3人が死亡した銃撃事件。そのうちの一人はこの大学の准教授で日本人のタケマル・ナオコさん(69)だったことが分かっています。
近隣住民
「信じられないし、受け入れられない。心が引き裂かれたようです」
大学の近くで一人で暮らしていたというタケマルさん。隣に住む夫婦には車庫の修理を頼むなど親交があったといいます。
近隣住民
「こんなことは間違っている。とても大事な人を失った」
現場で射殺された容疑者の男(67)は、大学の採用試験を複数回受けたものの採用されなかったことが分かっていて、警察が詳しい動機を調べています。
