見た目は変わらないのに新機能が便利すぎる…最新Apple Watchを1か月使って感じた「ダブルタップ」のスマート力

見た目は変わらないのに新機能が便利すぎる…最新Apple Watchを1か月使って感じた「ダブルタップ」のスマート力

Appleが新しく発売した「Apple Watch Series 9」「Apple Watch Ultra 2」では、新機能「ダブルタップ」が利用できる。デザインが大きく変化しなかったことから、購入を視野に入れていない人も多いかもしれないが、筆者からすると、「今こそ新しいApple Watchを買うべき絶好のタイミングが来た」と指摘できる。そんな大注目の機能について、紹介しよう。

今年の新Apple Watchは進化に乏しい?

2015年に初代Apple Watchが発売されてから、早いもので8年が経ちました。

登場したばかりのころは、iPhoneに届いたメッセージをチェックしたり、アプリの通知や通話着信を受けるのに便利なツールとして脚光を浴びましたが、あくまで「iPhoneの機能を拡張するコンパニオンデバイス」でした。

その後、ヘルスケアやワークアウト系の機能が追加されたことで、デジタルデバイスとして確固たる地位を築いたApple Watch。2017年発売の「Series 3」ではセルラー通信機能を搭載するモデルも加わり、単体で通信やアプリのダウンロードにも対応しました。

そして今年は、その進化の歴史に「Apple Watch Series 9」と「Apple Watch Ultra 2」が名前を刻みました。

ナンバリングシリーズの「Series 9」は、画面領域が広くなった「Series 7」(2021年発売)から本体デザインをほぼ継承しています。アルミニウムケースのモデルには、新色として「ピンク」が加わりました。

外観からはわかりませんが、Series 9はApple初のカーボンニュートラルな製品です。本体のケースとバンドには再生素材を使い、製品を梱包する100%繊維ベースのパッケージはサイズもコンパクトになりました。より「地球に優しいApple Watch」に生まれ変わったのです。

再生素材を使用したアルミニウムケースの質感や強度は新旧モデルで変わらないので、これまで通り安心して長く使えそうです。

さて、デザイン面での変化は少ないものの、Series 9およびUltra 2には新しい機能もいくつか追加されています。その中でも特に注目なのが、指先での操作を可能にした「ダブルタップ」です。

最新のSeries 9およびUltra 2でしか利用できませんが、Apple Watchの使い勝手がガラリと変わる、まさにウェアラブルデバイスとして画期的な体験に仕上がっています。

運動中にApple Watchをハンズフリー操作

10月下旬にAppleが実施したwatchOS 10.1へのソフトウェアアップデートにより、最新のApple Watchでしか使えない新機能「ダブルタップ」がついに解禁されました。

ダブルタップは、Apple Watchのための新しいジェスチャー操作機能。Apple Watchを装着している手の親指とほかの指を2回、トントンと重ね合わせるようにタップすると、特定の基本機能が素早く行えます。

最新OSにアップデートして以降、筆者もこのダブルタップを便利に使っています。

特に便利だと感じているのは、ワークアウトをしているとき。Apple Watchにはジョギングにサイクリングなどを始めたときに、自動でワークアウトの開始と終了をリマインドしてくれる機能があります。

たとえばサイクリング中は指で画面タップができないので、従来はいったん停車して操作する必要がありました。しかしダブルタップがあれば、自転車に乗ったままでも簡単にワークアウトの計測を開始できます。

画面に触れずに、必要な情報をサッと取得

ダブルタップが便利なのは、もちろんワークアウト時だけではありません。

最新のwatchOS 10からは、Apple Watchの文字盤にさまざまなアプリの情報を表示する「ウィジェット」が配置できるようになりました。そしてwatchOS 10では、ユーザーの行動を学習して必要なウィジェットを優先的に表示する「スマートスタック」を基本としています。

スマートスタックの表示は、通常Apple WatchのDigital Crownを回すことで切り替えられます。これを「Apple Watchに触れることなく、ダブルタップでできる」ところが、Series 9とUltra 2の画期的なところです。

スマートスタックを呼び出してから、続けてダブルタップすると天気予報や心拍数のウィジェットが素早く切り替わります。先日海外出張に行っているとき、世界時計のウィジェットで東京の時刻をダブルタップでサッと確認できて、非常に便利でした。

なお、ダブルタップは以下のような基本機能に対応しています。

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・電話に応答する/通話を終了する。

・通知からメッセージを表示する。

・タイマーを一時停止する/再開する/終了する。

・ストップウォッチを停止する/再開する。

・アラームをスヌーズにする。

・ミュージック、ポッドキャスト、オーディオブックを再生する/一時停止する。

・「コンパス」アプリで新しい高度の表示に切り替える。

・「カメラ」アプリのカメラリモートを使ってiPhoneで写真を撮る。

・自動ワークアウトリマインダーから測定を開始する/終了する。

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ダブルタップに慣れてくると、ほかにもたとえばトリプルタップや、リズムに変化を加えたマルチタップジェスチャーでApple Watchのいろいろな機能をハンズフリーで操作したくなってきます。

Appleによると、まずはダブルタップでApple Watchを操作する体験をユーザーに普及させてから、徐々にジェスチャー操作の可能性を広げる道を検討しているようです。

こうしてダブルタップを使いこなせるようになると、直接画面に触れて操作する感覚が過去のもののように思えてきます。何年か後に振り返ったとき、2023年のApple Watchは「スマートウォッチを本格的にハンズフリーで操作するようになった転換点」として記録されていることでしょう。

外観上にあまり変化がなかったことから、Apple Watch Series 9/Ultra 2へのアップグレードを見送っているユーザーも多いかもしれません。しかし、「ダブルタップ」は従来の使い勝手を大きく変える、非常に画期的な機能。後戻りできなくなるほどスマートな体験に、きっと魅了されることでしょう。

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