マスク氏、下品な言葉でXの広告主罵倒-会社の息の根止める恐れ
ソーシャルメディア「X(旧ツイッター)」のオーナーで資産家のイーロン・マスク氏は29日、反ユダヤ主義的投稿を同氏が是認したとして掲載を中止した広告主を下品な言葉で罵倒した。
マスク氏はニューヨーク・タイムズの「ディールブック」カンファレンスで、「会社の息の根を止めようとしている。広告主が会社を殺したと全世界が知ることになるだろう。くたばれこの野郎だ(Go f―- yourself)」と発言した。
テスラの最高経営責任者(CEO)も務めるマスク氏は自らの投稿について、「これまでで最悪かつ最も間抜けな行動だった」と認める一方、広告主が「私を金で脅そうとしている」と述べ、広告主が去れば、破綻は自分でなくこれら企業の責任だと主張。信頼に足ると証明するために「タップダンスは踊らない」と語った。
マスク氏は今月、ユダヤ人が白人に対して「弁証法的憎悪」を抱いているという投稿に賛同する姿勢を示したことで、ホワイトハウスやテスラ株を保有する投資家の一部から非難された。ウォルト・ディズニーやアップルを含む主要企業の広告主はXから距離を置くようになった。
マスク氏はこの日、問題の投稿が世界的な反発を招いて以来初めて、自身の言葉の選択について謝罪した。今週にはイスラエルを訪れ、10月7日のイスラム組織ハマスによる攻撃で影響を受けた地域をネタニヤフ首相と共に視察したが、マスク氏はこの訪問について、広告主の批判を受ける前から計画されていたもので「謝罪ツアー」ではないとした。
マスク氏は、対話型人工知能(AI)「ChatGPT(チャットGPT)」を開発したオープンAIを巡る騒動にも言及。突然解任されてから数日後に復帰したサム・アルトマンCEOに対しては「複雑な思いがある」と述べ、「権力のリングは腐敗し得る」と指摘した。
マスク氏はアルトマン氏解任の理由がAIの危険性に関係しているのであれば、世間はその理由を知るべきだと述べ、「これがささいなことだとは思わない」と述べた。
マスク氏はオープンAIの共同創業者だが、その後同社を離れた。現在、Xのデータを活用し、オープンAIと競合する「xAI(エックスAI)」を展開しようと取り組んでいる。