「撮り鉄」警察官写真、SNSで反響 マナー順守呼び掛け、1万「いいね」 福岡
鉄道車両を写真に収める「撮り鉄」にマナー順守を呼び掛けようと、福岡県警広報課がX(旧ツイッター)に投稿した鉄道写真が「素晴らし過ぎる」と反響を呼んでいる。
撮影したのは自身も「撮り鉄」と認める鉄道警察隊係長の吉村利啓警部補(50)。40年以上の撮影歴があり「マナーを守ってもこれだけ撮れると伝えたい」と力を込める。
投稿した写真には、電車のヘッドマークに夕日がきらりと映る。この場面の撮影には、天候と電車の来るタイミングも重要で、吉村警部補は「鉄道ファンも憧れるワンシーンが撮れた」と顔をほころばせる。写真と共に、「三脚や脚立は、通行の妨げにならない場所で使って」などのコメントも付けて2日に投稿すると、1週間足らずで約1万の「いいね」が付けられた。
鉄道写真の撮影を巡る危険行為などでの通報件数は、1~10月に県内で10件以上あり、踏切内の撮影に関するものが多い。幼少期から鉄道沿線で育ったこともあり、生粋の鉄道ファンの吉村警部補は「より良い写真を撮りたい気持ちも分かるが、鉄道事業者や沿線に住む人に迷惑をかけるのは言語道断」と、今回の注意喚起策を自ら企画した。
撮影場所は通報のあった現場の一つを選び、あえて三脚は使わず、JRの敷地外からシャッターを切ってマナーを守った。投稿写真に多くの反響があったことに「鉄道ファンではない人も含め多くの人に見てもらえた」と手応えを感じている。撮り鉄に対しては「自分の行動が周りに迷惑をかけていないか考えるきっかけにしてほしい」と話す。
県警は8月、交通安全啓発のためホームページ上に「鉄警ギャラリー」を開設。ギャラリーでは鉄道写真の掲載と共に、今後は撮影で工夫した点や苦労を発信することも検討している。吉村警部補は「正しい撮影で、鉄道写真の記録をたくさんの人に残してほしい」と語った。