6年ぶり全面刷新! スバルが新型SUV「フォレスター」世界初公開! 6代目は「迫力顔」採用で2024年春に米国発売へ
新型フォレスター世界初公開!
2023年11月17日、米国スバルは6代目となる新型「フォレスター」を世界初公開しました。
ロサンゼルスオートショー2023でお披露目されたモデルには、どのような特徴があるのでしょうか。
「森に住む人」を由来とするフォレスターは、1997年に初代、2代(2002年)、3代目(2007年)、4代目(2012年)、5代目(2018年)とモデルチェンジを繰り返してきました。
フォレスターは、30年近くにわたりスバルのベストセラーの1つであり、米国市場だけで260万台以上が販売されています。
新型フォレスターの米国におけるグレードは、ベース、プレミアム、スポーツ、リミテッド、ツーリングを設定。
ボディサイズは全長183.3インチ(約4656mm)×全幅72.0インチ(約1829mm)×全高68.1インチ(約1730mm)、ホイールベース105.1インチ(約2700mm)、最低地上高8.7インチ(約220mm)です。
デザインはフロントに、コンパクトなLEDヘッドライトと一体化し、一体化されたシールド効果を生み出す大胆なグリルを採用したことが特徴です。
またいくつかの空力性能の改善により、パフォーマンスと安定性が向上。
具体的には前輪開口部の後縁にエアアウトレットを設けることで、ホイールハウスからの空気排出を向上させることで、前輪タイヤの浮き上がりを低減し、走行安定性の向上に貢献します。
インテリアには、11.6インチセンターインフォメーションディスプレイを統合したマルチメディアシステムを採用。
シートではサポート性の高いフロントシートのデザインにより、全体的な快適性が向上。さらにフロントシートの肩部分もスリム化されており、視界と後部座席にアクセスしやすくなりました。
さらにリアバンパーカバーに足を入れるだけで自動でリアゲートを開閉できる「キックセンサー式ハンズフリーパワーリアゲート」をスバルで初採用となっています。
パワートレインは、最高出力180馬力となる 2.5 リッター水平方向エンジンを搭載します。
安全面では、最新のアイサイトを搭載する他、スバル車として初めて「アドバンスト アダプティブ クルーズ コントロール」の使用中にドライバーが警告に反応しなくなった場合に「緊急停止アシスト」が作動し、「SUBARU STARLINK Connected Services」が緊急サービスに通報する機能を採用しました。
なお米国での新型フォレスターの価格は、発売予定となる2024年春に発表されます。
新型スバル・フォレスター デザイナーに聞く「こだわり」 ボンネットに秘密
新型フォレスター LAでデビュー!
10月16日、ロサンゼルスで開催されているオートモビリティ・ロサンゼルスにて新型フォレスターの実車がお披露目された。
実はオートモビリティ・ロサンゼルスとは、「LAオートショー」のメディア&関係者デーのことでこの日1日だけがLAオートショーではなくオートモビリティ・ロサンゼルスと名付けられている。
スバルが発表したのは新型フォレスターのプロトタイプで2025年モデルとなる。プロトタイプとされているが、実際には2024年春夏以降におそらくはほぼこの形のままで米国で販売される見込みだ。
ちなみにスバルは近年、LAオートショーに並々ならぬ気合いを入れて新型車を発表している。
というのも、スバルはアメリカ市場での販売が非常に好調だからである。スバルは1968年、わずか332台の輸入販売からはじまり、2006年以降は急激な販売台数の伸びを記録している。
米国では多くの日本車が走っているが、スバルは日本の自動車メーカーの中でも最も成功しているブランドと言える。
2022年サプライチェーンの混乱や半導体不足を理由にほとんどのメーカーが米国での販売台数を大幅に落としているが、その中でもスバルは減り具合が最も少ないことで知られている。
筆者は2021年からLAオートショーの取材に訪れているが、2021年はスバル・ソルテラのデビュー、2022年はインプレッサがフルモデルチェンジが発表されている。
LAオートショーは比較的こじんまりとしたショーであるが、例年、スバルブースでのプレス発表には非常に多くの報道陣が集まり、異次元の盛り上がりを見せる。
今年もプラスティックではない、本物の樹木や植栽類をふんだんに使用したブースには多くの報道陣が新型フォレスターの登場を固唾をのんで見守っていた。
さらに久しぶりに日本から社長の登壇もあった。華やかなステージに姿を現したのは今年3月に代表取締役社長CEOに就任した大崎篤氏だ。
米国におけるスバル車の好調ぶりやフォレスターのこれまでの歩み、新型フォレスターの特徴と、およそ1年後に初めてのハイブリッドモデルが導入されることを発表した。
様々な新しい試みが盛り込まれた新しいフォレスターだが、特にこれまでのキャラクターラインを廃止し、力強いSUVのイメージが強く打ち出されたデザインについて、チーフデザイナーである高松雄輝氏(商品企画本部デザイン部)に現地でそのこだわりを聞いてみた。
SUVらしい強さと機能性をデザインでアピール
「エクステリアデザインの最も大きなポイントは両サイドにあるAピラーからDピラーまで1本太い筋が入っているデザインです」(高松雄輝氏)
「これでかたまり感を感じる力強さを表しています。またロアボディの厚みを可視化したいという狙いもあります」
「ちなみにフェンダーの上に凹みをつけていますが、これは空の色を反射させて明るい部分を打ち出しより張り出し感のあるデザインがアピールできるようにと言うのが目的です」
「さらにこれまでのフォレスターにはなかった、樹脂製のガーニッシュ種類も随所に配しています」
「ちなみに、Dピラー付近のガーニッシュは実は装飾としての役目だけではないんです。
小さなパーツですが、こちらは高速走行時の走行安定性に寄与してるんですよ」
ところで、チーフデザイナーとして様々な意見をまとめる立場にもある高松さん。
特に時間をかけて議論し、検討した場所はどこだろうか?
エンジンフードの高さにもこだわりが
「まぁこれもこだわりの1つなんですが、エンジンフードの高さを低く抑えることに様々な議論を重ねました」
「スバル車の大きな特徴として視界の良さというのがあります。より高い次元で考えようと」
「これまでのモデルの場合、運転席から見た直前の部分だけを凹みをつけるなどして視界を確保していましたが、今回の新しいフォレスターでは、エンジンフード全体の高さを下げることによってより良好な視界を得られるように配慮しました」
「どれぐらい全体を低くしたらどれぐらいしかいが良くなるのか? そこの検討に時間をかけましたね」
「視界の良さ、見通しの良さ、視点移動の滑らかさは、長時間移動の際の疲れにくさにも大きく関わってきます」
「つまり、ストレスのより少ない状態で長時間運転することができるのです」
インテリアはより上質に 最低地上高は220mmしっかり
「インテリアのこだわりはやはり上質であること。質感を高めてしっかりとした軸に守られるようなシートであることを目指しました」
「単に外観がいかついとか力強いとかと言うだけではなくて、運転しながら長時間移動しながら上質で確実に守られている安心感が得られることを目指しています」
「上質ではありますが、形だけのSUVではないところに、最低地上高220mmと言うスバルならではのこだわりがあります」
「昨今のSUVの中には形だけのものもありますけれども、スバルのSUVはどのようなモデルでも最低地上高を20mm以上確保する設計となっています」
オフロードを走る機会が少ない日本では、あまりそこまで重要視されないが、アメリカでは本気でオフロードを走る機会も普通にある。
最低地上高がしっかり確保されている事は、SUVを選ぶ上での重要な条件となる。
なお、新型フォレスターは2024年春以降に2025モデルとして米国で発売を予定しているが、やがて日本での発売も期待できるだろう。
スバルはアメリカ市場での売り上げが非常に好調だ。
スバルはとにかく、米国でのイメージがすこぶる良い。
クルマ自体の安全性や環境への配慮、動物保護や森林保護の活動の充実度はすべての自動車メーカーの中で群を抜いている。
それが販売台数につながっている事は大いにあり得るだろう。
まさに、森を守る人、と言う意味のフォレスター。米国での大人気ぶりが今から見えるようだ。