大阪万博の「〝中国製〟バス100台」に疑問 国内EVバス市場にも変化か 「重要な技術も使われている」

大阪万博の「〝中国製〟バス100台」に疑問 国内EVバス市場にも変化か 「重要な技術も使われている」

2025年4月に開幕する大阪・関西万博で、来場者輸送などのため電気自動車(EV)バス計100台が納車されることになり、話題を呼んでいる。「大阪での万博なのに、なぜ事実上中国製のEVバスが使われるのか」といった疑問・異論の声もあるが、実態はどうなっているのか。

6月、大阪市高速電気軌道(大阪メトロ)へのEVバス納車を発表したのは国内メーカー、EVモーターズ・ジャパン(本社・北九州市)。日本で走行するEVバスは100台程度。そこへ一挙に100台という国内最大の大口契約が結ばれたのだ。

同社は2019年設立のベンチャーで、EVバスでは唯一の「国内メーカー」。ただ、製造の大半は中国メーカーに委託しており、今回の契約でも先月、福建省にある中国メーカーの工場で大々的に「納車式」が行われた。同社は「生産されるバスには一部自社で開発された重要な技術も使われている」と説明する。

大阪メトロでは現在、万博へ向けさらに約50台のEVバスを導入する計画で、同社広報もメーカーについては「一切未定。あらゆる選択肢の中から決めたい」と話す。

国内自動車大手はこれまでEVバスを限定的にしか生産しておらず、国内で走っているのもほぼ中国製だ。

EVバス普及の研究を進める熊本大学大学院先端科学研究部の松田俊郎准教授は「日本では従来のバス自体も生産需要は限定的で、EVバスとなると、大手による生産、販売実績はほとんどなかった」と説明する。

一方で松田氏は「路線バスは定期的な点検などが非常に重要で、日本のバス事業者は品質やアフターサービスの体制を重要視している。その面で中国のEVバス企業よりも日本メーカーへの信頼度は高い」と指摘する。

今年2月には、日本でのEVバスでトップシェアの中国大手BYDが、日本国内で販売するEVバスの部品の防さび剤に有害化学物質の六価クロムが使用されていたと公表した。六価クロムは日本自動車工業会が自主規制として使用を禁止している。BYDは日本での販売を始めた15年以降に納車した全車両を対象に、当該部品の切り替えなどの対応を行っている。

そうしたなかで、国内の大手バスメーカーのいすゞ自動車と日野自動車が合弁で来年度から、国内初の本格的なEV路線バスの生産を開始すると発表している。松田氏も「両社はバス事業者との信頼関係も強く、これが今後の本命になると思う」と予測する。

国内のEVバス市場にも変化が起きていくか。

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