中国で和服が禁止に?“服装規制”法案で波紋 おし進める習近平氏の狙いとは
こちらの映像は、中国で和服を着ていたという理由で女性が連行されていく様子です。実は今、中国では中華民族の精神を損なう「服装」や「言論」などを規制する法改正が検討され、波紋が広がっています。
「もしお前が中国の服を着ていたら絶対にこんなことは言わないぞ。でもお前が来ているのは和服だ。中国人として言う。お前は中国人だ。お前は中国人か?」(警察官)
中国で警察官に詰め寄られる女性。記念撮影のため、浴衣を着ていたことについてとがめられるとーー。
「理由はあるの?」(浴衣を着ていた女性)
「公共の秩序を乱したからだ」(警察官)
「和服を着ているだけで?」(浴衣を着ていた女性)
「よし行くぞ」(警察官)
このあと警察署に連行された女性は6時間ほど拘束され、浴衣を没収されたということです。
実は今、中国ではこうした愛国的な動きが強まっています。背景にあるのは習近平国家主席が進める治安管理処罰法の改正案です。日本を強く意識した内容で、公共の場で中華民族の精神を損なう服装をした場合、最大で15日拘束され、罰金も科せられます。
この法案について、街の人たちは「“愛国的”なことであればよい。伝統文化を広めることが大切だ」「和服を着ただけでは国益を傷つけるとは思わない。(法律で)どんな服装を規制するか、具体的に指定すべきだ」と賛否両論です。
一方で、伝統的な中国の服を着ていたにもかかわらず、和服と勘違いした警備員が公園からの退去を求める事態も起きています。
神田外語大学の興梠一郎教授は「服装の問題とかに焦点が当たっているが、現場の警察官の裁量次第で拘束したり、罰金が取れるという点は一言でいうと現場警察官の権限を強化したということになる」と話します。
中国政府が狙っているのは、日本を始めとした外国の影響力の排除。若者の失業率の上昇や不動産市場の冷え込みなどで経済が低迷する中、日本の方が良い、アメリカの方が良いといった不満を抑え込もうとしているといいます。
早ければ年内にも可決される可能性がある法案。なぜここまで強行するのでしょうか。
「表面だけを見ると国民への締め付け。服装や言論規制したり、まさに治安維持なんですが、その不安はどこから来ているのか。共産党の中の戦いです。(習主席の)一番の脅威は自分の同僚たち」(興梠教授)
中国政府をめぐっては、7月には秦剛外相が更迭されたほか、李尚福国防相も、8月末から1カ月以上にわたり消息不明となっています。また習主席は今月、中国共産党の会議で、国営メディアに対し「中華文化の影響力を拡大すべきだ」などと指示を出しました。
「(この改正案で)党内も締め付ける。社会も管理していく。治安維持。今後このトレンドから脱却できるか分からない」
