ミツバチが捨て身の一刺し…内臓ごと針残し 毒を自動注入

ミツバチが捨て身の一刺し…内臓ごと針残し 毒を自動注入

Dr.夏秋の毒虫クリニック

 ハチや蚊、ダニ、毛虫……。兵庫医科大の夏秋優教授が、身の回りにいる虫から被害を受けないようにする方法を教えてくれます。

皮膚からぬけない逆トゲ

 今回は、ミツバチとその他のハチのお話です。

 国内では、ミツバチはニホンミツバチとセイヨウミツバチの2種類が生息しています。体長は、働きバチで10~13mm。セイヨウミツバチの方がやや大きく、腹部の色調が明るい傾向がありますが、個体差があります。

 ミツバチも他のハチ類と同様、メスは毒針を持っているので、刺すことがあります。しかしミツバチは通常、攻撃性が低いため、実際の被害は少ないのです。

 ミツバチの毒針にはノコギリの歯のような逆方向の小さなトゲがあり、人の皮膚に刺さると抜けなくなります。そして、皮膚を刺したミツバチが飛び去る際に毒針とともに毒液の入った袋(毒嚢)や内臓の一部が腹部から抜けて皮膚に残ります。そのため、ミツバチは毒針で攻撃すると間もなく死んでしまう運命なのです。まさに巣を守るための決死の攻撃ですね。

すぐにピンセットで針をとる

 皮膚に残った毒嚢には毒液が残っており、そのままにしておくと少しずつ注入が続くので、早めに針を抜く方がよいです。指でつまむと、毒嚢を圧迫してさらに毒液を注入してしまうため、先のとがったピンセットなどで針をつまんで抜きましょう。

 ミツバチの毒は、スズメバチやアシナガバチほど強くありませんが、複数回刺されることで、アレルギー反応を引き起こす場合があります。時には、短時間で全身に激しいアレルギー反応が現れるアナフィラキシー症状を起こすこともあるので、油断は禁物です。

つかむと刺すハチいろいろ

 人に対する攻撃性がなく、自ら刺しに来ることはないが、毒針を持っているハチとしては、マルハナバチ、ジガバチのほか、クモバチ、ドロバチ、ツチバチなどいろいろな種類があります。日常生活で出会う機会は少ないものの、種類によっては室内に侵入することがあります。これらのハチ類は不用意につかむと刺しますが、毒性が低いので、刺されても少し痛いだけで、重症化することはほとんどありません。

 室内に生息する体長1~3mmのアリガタバチという小さなハチは、一見するとアリのようですが、尾端部に毒針を持っています。アリガタバチは家屋内のシバンムシやカツオブシムシなどの甲虫類の幼虫に毒を注入してマヒさせ、卵を産み付けて寄生するのですが、人が畳の上などで横になっていると、刺されることがあります。刺されてもチクチクとした軽い痛みだけですむことが多いものの、何度も刺されると、まれにアナフィラキシー症状を生じることがあります。

クマバチのホバリングはオスだけ

 クマバチは、キムネクマバチとも呼ばれる体長21~23mmの大型のハチで、クマのように黒い体と黄色の胸部が特徴です。公園の藤棚の周辺などに多く、ブンブンと飛び回りながら空中で停止(ホバリング)する場面をよく見かけます。大きな体で重低音の羽音を響かせるため、怖がられることが多いのですが、ホバリングするのはオスなので、刺すことはありません。メスは毒針を持っており、攻撃性はないものの、つかむと刺されることがあります。

 なお、地方によってはスズメバチのことを、「クマバチ」あるいは「クマンバチ」と呼ぶことがあります。スズメバチとキムネクマバチでは、攻撃性や毒の強さが大違いです。混同しないようにしましょう。

竹製品に注意

 近年ではタイワンタケクマバチという外来種が国内に侵入し、東海~近畿地方やその周辺の地域に分布を広げています。体長約20mm、全身が真っ黒なハチで、オスは胸部に褐色の毛が密生しています。人家周辺や都市公園の竹林などに生息し、メスは枯れた竹に穴を開けて営巣します。

 時には民家の竹柵や古い竹製品にも営巣するので、竹製のほうきや熊手などをつかんだ時に刺される被害が出ています。庭などに放置された古い竹製品を扱う際には、注意してください。

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