iOS 17ではカメラ機能も進化 「電子水準器」が追加、48MPでHEIF/JPEG保存が可能に

iOS 17ではカメラ機能も進化 「電子水準器」が追加、48MPでHEIF/JPEG保存が可能に

 2023年9月19日。iOS 17へアップデートしたあとでいつものようにカメラアプリを立ち上げると「あれ? 今までなかった機能が付いている!」となったのである。

 地味な機能ではあるし、事前アナウンスもなかったけど、実に有用なので、ここでその進化した3機能を紹介したい。

 筆頭は、やっと搭載された「電子水準器」だ。

やっとカメラアプリに「電子水準器」がやってきた

 一番のトピックはこれ。

 カメラアプリに電子水準器がついたのである。電子水準器というのはiPhone内のジャイロセンサーを使い「カメラが水平になっているかどうかを教えてくれる」機能。

 ぶっちゃけ、Android機ではメジャーな機能だったし、iOS用でもサードパーティーのカメラアプリではたいてい付いていたけど、純正カメラアプリにはなかったのだ。ここ数年、意地でも付けないのかな、と思っていたくらい。

 ぱっと見は何もないのだけど、iPhoneを水平に近づけると、真ん中に横棒が現れる。

 そして中心のバーを見ながらiPhoneを水平にすると、ぴたっと直線になって色が黄色くなるのだ。

 今までこれがなかったので、「水平に撮ったつもりが斜めに」現象が頻出していた。 SNSに上がっている写真でも微妙に斜めの写真が多くて気になっていたのだけど(気にするのは一部の人か)、これからは減りそう。

 これ、出ないよという人は「設定」アプリの「カメラ」をチェック。「水平」をオンにするとでます。

 また、iPhoneが水平に近くなると水準器が現れ(斜め下45度とかだと出ない)、水平が確保されて数秒後に表示は消えるので、「出ないよ」という人はその辺も気にしたい。

 水準器は「常時表示」されるわけじゃないのだ。

 ちなみに、電子水準器ではAppleは後発なのだが、他社はあまりやってないけどAppleはいち早く搭載していた水準器機能もある。

 それは真上か真下に向けたときだけ現れる十字の水準器。

 これは以前からあり、真上(天井画とか)や真下(マンホールとか書類とか料理とか)を撮るとき重宝するので使ってなかった方はぜひ。

テキスト読み取り機能が日本語縦書き対応に!

 カメラを向けた先に文字があると、そこに黄色い枠が出て、テキストを検出したことを教えてくれる。以前からある機能だ。

 それが日本語の「縦書き」に対応したのである。

 この密蔵院観音寺の解説板をテキスト化した結果がこちらだ。

 さすがに2行に分けて書かれている「新義真言宗/豊山派」は解釈できなかったけど、それ以外は……若干漢字の解釈間違いはあるけれども、かなり優秀だ。

謝業味會粽 幽谿山密歳院親音寺

(小石川護国寺の末)

天正の頃、下野国都賀郡水代の城主本河内

重泰は、故あって城を退き、その子文右衛門氏

重と共に当地をおとづれ、当時世田谷城主吉良

氏の家人で地頭であった鈴木新平重貞と親しくなり、天正八年(一五八〇)ここに居を定めた。

その後、下野国都賀郡の僧順慶法師が腹本子のもとを尋ね、鈴木重貞とも親しくなった。

重貞は、法師の学徳共にすぐれた高僧であるのに深く帰依し、当所にあった観音堂に住まわせた。

慶長三年(一五九八)重貞の養子但馬定宗が観

音堂を再建し、一寺として頼慶和尚を住職としたという。

本尊は不動明王立像。宝暦十二年(一七元二)

九月に本郷六左衛門が彩色して安置したという。

観音堂には百体の観世音菩薩をまつる。

延享元年(一七四四)に建立されたという村内の安楽寺を明治八年(一八七五)に合併している。

昭和六十一年二月

世田谷区教育委員会

 また、検出したテキストに「住所」などの情報があると、それを表示し、タップするとマップアプリが開いて現在地からの経路を示してくれる。

 これは実用に耐えそうだ。

48MPモードでHEIFやJPEG保存が可能に(iPhone 14 Pro系)

 最後はiPhone 14 Pro/Pro Max専用の話。

 iPhone 14 Pro/Pro Maxは48MP(4800万画素)のセンサーを搭載していたけれど、48MPをフルに使うには「ProRAW」で保存する必要があった(あるいはサードパーティーのカメラアプリ)。

 でもProRAWで撮ると平気で50MBとか90MBという巨大なファイルサイズになるのであまり使いたくない。それが、iOS17では48MPのHEIF(あるいはJPEG)、さらには12MPでのRAW撮影もできるようになったのである。

 「設定」の「カメラ」から「フォーマット」を選ぶ。「プロデフォルト」という項目を開くと、ProRAWだけではなくHEIFも選べるのだ(「高効率」ではなく「互換性優先」にするとHEIFではなくJPEGになる)。

 「ProRAWと解像度コントロール」をオンにしておくと、カメラアプリ上に「ProRAWと解像度コントロール」のアイコンが表示されるので、そこをタップすることで、通常の12MP撮影と、RAWや48MP撮影を切り替えられる。

 さらに、このアイコンを長押しすると3種類(ProRAWの48MPか12MPか、HEIF、あるいはJPEGの48MPか)からその場で選べる。

 12MPと48MPで撮った神社の写真を100%表示で比べてみると、これだけ解像度が違うのだ。

 48MPで撮った方がディテールまでしっかり出ているわけで、風景とか撮るときに使いたい。

 ちなみにファイルサイズは、12MPだと3.5MB、48MPだと11.3MBだ。それでもProRAWで撮ったものと比べると、はるかに小さいサイズで済んでいる。

 以上、iOS17で強化された機能(1つはiPhone 14 Pro/Pro Max専用だけど)を紹介してみた。

 電子水準器は誰もが役立つ機能だし、iPhone 14 Proの人は「RAWに頼らず48MPモードで撮れる」ようになったのでぜひアップデートできるひとはぜひすべし。

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