吉田屋「温度測定を怠っていた」「30℃以下の納品指示が50℃程度までにしか冷却されていなかった」岩手の外部業者に委託のご飯が指示温度より高い温度で納品か “吉田屋”弁当で集団食中毒問題
青森県八戸市の「吉田屋」が製造した弁当による食中毒について、吉田屋が外部の業者に委託して炊かれた米が指示していた温度よりも高い温度で納品され、吉田屋側が「温度測定を怠っていた」と説明していることが新たにわかりました。
吉田屋の弁当をめぐってはこれまでに21都県の270人が食中毒を発症し、23日に八戸市保健所が吉田屋を営業禁止処分にしています。弁当の米が原因の可能性があるとみられていますが、その後の関係者への取材で米の一部を岩手県内の業者が炊いた状態で納品していて、吉田屋側は「委託業者には30℃以下に冷まして納品するよう指示していたが、50℃程度までにしか冷却されていなかった」と説明していることもJNNの取材でわかりました。
委託業者は
Q.吉田屋にお米を納品されてたのは事実?
A.そうです。
Q.米の温度管理などはどうなっていた?
A.そこも言わなければいけないんですか?完結してからだと思いますけど。
委託業者は地元の保健所の調査で「施設の中から菌やウイルスが検出されなかった」とされていることから、温度が高い状態の米が岩手県から運搬され弁当に箱詰めされる過程で菌が増殖した可能性もあるとみて保健所が調査を進めています。
八戸市保健所は体調不良となった患者の便と吉田屋が製造した未開封の弁当から“黄色ブドウ球菌”や“セレウス菌”が検出されたことなどから、店の弁当が原因の食中毒と断定しています。これからの菌について以下、八戸市保健所の詳しい説明資料の全文です。
■黄色ブドウ球菌による食中毒とは
【菌の特徴】
・人や動物の皮膚、鼻やのどの粘膜、毛髪や食肉、生乳など自然界に広く分布
・特に、傷口やおできに化膿菌として存在
・菌自体は熱に弱いが汚染された食品中で熱に強いエンテロトキシンという毒素を作る
【原因食品】
・おにぎり、弁当などの調理品
・二次汚染を受けた食品
(多岐にわたる)
【症状】
・嘔吐・吐き気・腹痛など
(潜伏期間は30分~6時間)
【黄色ブドウ球菌による食中毒予防のポイント】
・手指の洗浄を十分に行う
・手に傷などの可能性がある場合は、食品にふれない、調理しない
・調理器具の洗浄・殺菌の徹底
・食品は低温管理(10℃以下)し、長時間放置しない
・調理にあたっては、帽子、マスクを着用
■セレウス菌による食中毒とは
【菌の特徴】
・土壌、河川水などの自然界を始め、農産物、水産物、畜産物などの食料に広く分布
・熱に強い芽胞を作り、増殖時産生される毒素により食中毒が発生
・嘔吐型、下痢型がある
【原因食品】
嘔吐型:チャーハン、ピラフ、焼きそば、スパゲティー
下痢型:弁当、食肉、野菜、スープなど
【症状】
嘔吐型:吐き気、嘔吐
(潜伏期間:30分~6時間)
下痢型:腹痛、水溶性下痢
(潜伏期間:8~16時間)
【セレウス菌による食中毒予防のポイント】
・一度に大量の米飯や麺類を調理し、作り置きしない
・穀類等が原料の食品は、調理後保温するか、小分けして速やかに低温保管(8℃以下)する