山岳遭難が過去最多 遭難したとき「山を下ってはいけない」理由とは

山岳遭難が過去最多 遭難したとき「山を下ってはいけない」理由とは

全国で相次いでいる山岳遭難についてです。

全国で発生した山岳遭難の件数の推移です。コロナ禍に入ってからは減少した時期もありましたが、件数は年々増加傾向です。

そして、去年は3015件と、統計の残る1961年以降、過去最多となりました。

夏休みに登山を楽しむ方も多いかと思いますが、遭難した際、よくやっていはいけないと言われるのが「山を下る」ことです。遭難時に山を下る危険性や迷った時はどういう行動をとればいいのか取材しました。

■宮崎県でも去年1年間で23件の山岳遭難 6人が死亡

去年、全国で発生した山岳遭難は、過去最多の3015件。

宮崎県内でも去年10月、尾鈴山に登山した70代男性の行方が分からなくなり、その後、山中で発見されて死亡が確認されるなど、去年1年間で23件の山岳遭難が発生し、6人が死亡しました。

県山岳・スポーツクライミング連盟の理事長を務める新原祐治さんです。

今回、新原さんと宮崎市の双石山(ぼろいし)に入り、遭難した時に「山を下る」ことの危険性について教えてもらいました。

■遭難者は判断力が鈍る とにかく歩けばいいと・・・

双石山の登山道を登っていくと、周りに急な斜面が増えてきました。

遭難し、登山道から外れて山を下ると、こうした急斜面で滑落してしまうおそれがあります。

(宮崎県山岳・スポーツクライミング連盟 新原祐治理事長)

「体力的に弱い方(遭難者)は判断力が鈍りますから、もうとにかく歩けばいいというような感じになってしまうんですね、精神的に。ですから、ちょっとしたところで足を踏み外して落ちるというのがあります」

■沢には入らない

さらに進んでいくと・・・苔が生えた大きな岩場にたどり着きました。

記者が石の上で足を動かしてみると・・・

(下川祥子記者)

「これ体重かけられないですね、すごく滑る」

この場所は沢で、特に危険が潜んでいると新原さんは話します。

(宮崎県山岳・スポーツクライミング連盟 新原祐治理事長)

「ここあたりを下るとなりますとつるつるする。滑りやすくなっているので、登山道以外の沢だったらもう入らない。沢は非常に危険性が高い」

また、沢を進んでいくと、地図には載っていない滝や崖に出合うこともあります。

(宮崎県山岳・スポーツクライミング連盟 新原祐治理事長)

「過去も、大半の遭難される方は沢のほうに下って、途中で滑落や転倒して亡くなる方もいらっしゃる」

■山を下ると、助けを呼びたくても・・・

このほかにも山を下ると、助けを呼びたくても

(1)携帯電話の電波が入らない。

(2)助けを呼ぶ声が、滝などの音にかき消されて、ほかの人に届かない。

(3)捜索のヘリが遭難者を見つけにくくなる

といった悪条件があるということです。

■遭難した場合 とるべき行動は

では、遭難してしまった場合は、どんな行動をとればよいのでしょうか。

(宮崎県山岳・スポーツクライミング連盟 新原祐治理事長)

「動けるようであれば、来た道あたりをまた帰って(戻って)、正規の登山道に出るとか、もしそれでもだめなときは、その場にじっとして救助を待つ」

もし、行き先を誰にも伝えていなかった場合は、尾根を目指して登り、電波の通じるところで救助を呼ぶことが大切です。

(宮崎県山岳・スポーツクライミング連盟 新原祐治理事長)

「警察あたりに連絡して、その場から離れると、また、分からなくなるので、その場所からは離れないというのが原則です」

■万が一への備えが何よりも重要

また、助けを求めるための携帯電話とモバイルバッテリー、それに自分がいる場所を伝える笛や鏡も用意しておく必要があります。

(宮崎県山岳・スポーツクライミング連盟 新原祐治理事長)

「山は甘くみては、大きな遭難につながるので、準備万端で行く。自分の体力にあった山を選ぶ、あるいは、経験者と一緒に行くことが大事」

行動を間違うと命に危険が及ぶ山岳遭難。万が一への備えが何よりも重要です。

(スタジオ)

新原さんにさまざまな注意点を教えてもらいましたが、登山の前にまずは、家族などに行き先や戻る時間を伝えておくこと、そして地図やコンパス、非常食などを持っていくことも大切です。

登山を予定している方は十分に備えをして楽しんでください。

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