なぜ「ビッグモーター」で不正が見つかったのか セブン、レオパレス、大東建託の共通点

なぜ「ビッグモーター」で不正が見つかったのか セブン、レオパレス、大東建託の共通点

「クルマを売るならビッグモーター」というテレビCMでお馴染みのビッグモーターのダイナミックな不正が明らかになった。

【ビッグモーター役員の報酬】

 ビッグモーターの第三者委員会が損害保険大手各社に提出した調査報告書によれば、ゴルフボールを靴下に入れて車体を叩く、ドライバーで傷つけるなどして、修理費用を水増しして保険金を請求していたというのだ。これらの不正は、5年以上前から行われていた可能性が高いという。

 ご存じの方も多いだろうが、ビッグモーターといえば、テレビCMや広告で盛んに「買取台数6年連続日本一」をうたっている。現場でせっせとクルマを傷つけながら「日本一」の座を守っていたということになる。

 なぜ現場の人々がこんな無茶苦茶なことをやっていたのかというと、「厳しいノルマ」があるからだ。

 報告書によれば、同社では事故車両の修理費用に1台当たり14万円前後のノルマを課していた。本来、修理費用は車両の損傷状況によって決まるが、同社の場合は板金や塗装部門が修理工賃や部品から得る粗利の合計額が14万前後になるように求められていたというのだ。

 この理不尽な目標を達成するため、現場ではさまざまな不正が行われていたらしい。特別調査委員会のサンプル調査では、検証した案件のうち、34カ所の工場で4割を超える不正が疑われる行為があった。また、このノルマについて「@(アット)」という隠語で呼ばれていたことから、かなり組織の中で浸透していたことがうかがえよう。

問題が起きた背景

 では、なぜこんな問題が起きたのか。特別調査委員会が同社に指摘した原因としては、「不合理な目標設定」「経営陣に盲従し、付度する歪な企業風土」「現場の声を拾い上げようとする意識の欠如」などが挙げられている。

 しかし、報道対策アドバイザーとして、この手の不正も山ほど見てきた立場で言わせていただくと、これはなにもビッグモーターに限った話ではない。「団塊ジュニア企業」が、この10年あまりこぞってハマっている「定番の失敗パターン」だ。

 「団塊ジュニア? なんだよそれ?」と思った方のために説明すると、団塊ジュニア企業とは第二次ベビーブームによる需要増が大きな要因で急成長して、全国展開を達成した大企業を指す筆者の造語だ。

 分かりやすいところでは、1973年創業のセブン-イレブン・ジャパン、同年に創業したレオパレス、翌74年創業の大東建託などがこれにあたる。76年創業のビッグモーターは人間で言えば、団塊ジュニア世代(71~74年)ではないが、団塊ジュニアを授かったファミリーが国内で爆発的に増えて、その恩恵を得た会社のことを「団塊ジュニア企業」と呼ばせていただく。

 そんな団塊ジュニア企業は、近年よく問題を起こしている。業種やビジネスモデルは違えど、共通の「負けパターン」があるからだ。

 人口急増の波にのって全国展開を達成し、巨大企業に成長する。しかし、人口減少時代に転じてもなかなか過去のビジネスモデルから脱却できず、「拡大路線」に固執してしまう。そのため、現場が帳尻合わせ的に不正に手を染めてしまったり、過重労働が強いられてしまったりという問題が発生するのだ。

 セブン-イレブンの場合、人口増時代の成長エンジンだった、同一地域内に店舗を集中出店させる「ドミナント戦略」に固執してしまった。結果、競合だけではなくセブン同士のカニバリを招き、バイト不足や現場の過重労働を引き起こし、時短営業をのぞむオーナーがFC相手に訴訟を起こすなど、いわゆる「24時間営業問題」が起きた。

構造的問題も関係

 レオパレス21の場合、人口減少で空き家問題も深刻な中で、新築アパートを大量に建て続けて売り上げをつくる、という人口増時代の戦略を継続してしまった。結果として、サブリース(家賃保証)というシステムが破たん。一方的に家賃を減額したレオパレスに対して、オーナーが集団訴訟を起こすなど対立が激化しているほか、コスト削減のためアパートの違法建築問題を引き起こした。大東建託も厳しいノルマがあると指摘され、たびたび以下のような不正疑惑が報じられている。

「大東建託」が高齢者相手に“詐欺まがい”の不当営業 空き巣で逮捕された社員も(デイリー新潮 2021年04月15日)

内部資料入手!「大東建託」が抱える1300億円の「工程保留物件」 決算のゴマカシか?(デイリー新潮 2021年04月30日)

 これらはもちろん各社の企業文化うんぬんということもある。が、この時代に生まれた組織特有の「人口増時代の拡大路線がやめられない」という問題もかなり関係していると考えている。

 一体どういうことか。ビッグモーターを例に説明していこう。同社が創業したのは第二次ベビーブームが終わった76年、現在の兼重宏行社長が、出身地の岩国市南岩国町で「兼重オートセンター」を個人創業したことが始まりだ。

 この会社は団塊ジュニア世代が成長していくのと、歩みを合わせるように山口県内で店舗を拡大していく。高度経済成長は終わっていたが、74年に自動車輸出台数世界一となってから自動車は日本を代表する産業として、確固たる地位となっていた。団塊世代ファミリーがレジャーで使うということもあって、マイカーもよく売れていく。

 その後、同社は団塊ジュニア自身が自動車を乗り回す時代(89~92年)から鈑金塗装専門工場や、外国車専門販売店舗など事業を拡大。そして、団塊ジュニア世代が社会人として活躍をして、ファミリーをつくる人が増えていく時代(2001~05年)になると他県にも積極的に出店して、全国展開を加速。現在のように北海道から沖縄まで263店舗、従業員6000人(2021年2月時点)の巨大企業に成長したというわけだ。

 ただ、快進撃はここまでだ。全国制覇を達成したのはいいが、日本は毎年、鳥取県の人口と同じ数の人が消えていく。消費者が減ることに加えて、カーシェアリングや高齢化でクルマを手放す人も増えていく。つまり、これまでのような拡大路線は通用しなくなる。

昭和の成功体験を捨てられない

 このあたりは「全国制覇」を掲げて拡大路線を突き進んだ「いきなり!ステーキ」や高級食パンなどの失速を見れば明らかだろう。

 しかし、このようなシビアな現実を受けいれることができないのが、団塊ジュニア企業の特徴だ。拡大路線で店舗を増やして、広告をバンバン打てば、客もどんどん増えていく、という昭和の成功体験が強烈に刷り込まれているので、それを捨て去ることができない。

 すると、どうなるのかというと、現場に過大なノルマを強いる。そして、その無茶振りを誤魔化すように、景気のいい話を触れ回るようになる。

 「マネジメント」で知られるピーター・F・ドラッカーによれば、マーケティングというのは何もしなくても自然にモノが売れていく状態だが、それが機能していないときは「プロパガンダ」の力に頼るようになるという。つまり、自画自賛的な「広告」を大量に投入する物量作戦になるのだ。

 有名俳優を起用したテレビCMが山ほど流れていることが象徴的だが、Webサイトを見ても以下のように、同社がプロパガンダに力を入れていたことはよく分かる。 

 『ついに沖縄にも初出店! 日本全国に出店拡大中! 6年連続買取台数日本一!』

 『中古車買取価格満足度No.1 中古車販売顧客満足度No.1』

 太平洋戦争で戦局が悪くなればなるほど、日本軍は戦果を偽り、「世界一勇ましい日本軍の攻勢で、米国はもう降参寸前だ」と大騒ぎしていたことからも分かるように、日本型組織は苦境に立たされるほど、プロパガンダに力を入れる傾向がある。

 そして、現場には理不尽な目標を押し付ける。「お国のために玉砕して、敵を1人でも多く道連れにせよ」という命令は見方を変えれば、「現場に過大なノルマを強いている」ことと同じことだ。

 団塊ジュニア企業が拡大路線を突き進んで現場に不正を強いているのは、かつて日本軍が負け戦でも撤退できず、現場に「玉砕」を強いた問題の延長線上にある。つまり、日本型組織の典型的な「病」のひとつなのだ。

 例えるのなら、団塊ジュニア企業が「人口急増」という「上りエスカレーター」に乗って、ここまで順調に成長してきたのだ。

「計画経済」を参考にした結果

 実は今日の成功は、エスカレーターのおかげだが、経営陣は何やら自分たちの「営業努力」によってなし得たと過信してしまう。だから、苦しいときこそ原点に立ち戻ろうと、強気の拡大戦略にこだわる。広告をバンバンうって、現場の戦意を高揚させて、高い目標を設定してお尻を叩くなどの「努力」をすれば報われると勘違いしてしまう。

 しかし、残念ながらこの努力は報われない。2000年代に入ると、少子化が深刻化してあらゆる市場がシュリンクしているからだ。つまり、団塊ジュニア企業の多くは自分たちが気づかぬうちに、いつの間にやら人口減少・低成長という「下りエスカレーター」に乗ってしまっているのだ。

 だから、上りエスカレーターに乗っていたときと同じ事業戦略を続けてもうまくいかない。むしろ、残念な結末になる。ドミナント戦略や全国制覇はその典型だ。

 このような過去の栄光に引きずられていることに加えて、団塊ジュニア企業が拡大路線に固執してしまうのは、もう一つ理由がある。それは「成長とは計画を立てたその通りに進めていく」という旧ソ連の「計画経済」という思想だ。

 僭越(せんえつ)ながら筆者は17年ごろから本連載で繰り返し、人口減少の日本では今後、「ノルマ」由来の企業の不正が増えていくことを予想させていただいている。

『大企業のノルマが、「不正の温床」になる本質的な理由』(2017年11月07日)

 「ノルマ」と聞くと、戦後日本を占領した米国の「成果主義」が持ち込まれたことで広まったと勘違いしている人も多いが、実はノルマという概念は戦前に持ち込まれている。現在の日本企業のカルチャーのほとんどは、戦前・戦中につくられたものだ。

 そして、そのときに手本にしたのが、旧ソ連だ。終身雇用、滅私奉公、そして最も国が参考にしたのが計画経済だ。エリートが計画を立てて、その通りに労働者をそれぞれの持ち場に縛り付けて働かせることで、着々と成長していけば理想の社会がつくられる――。こうした思想は「伝染病」のように日本に広まった。

 そこでモロに影響を受けたのが、経営者だ。日本企業は、その成り立ちから骨の髄まで計画経済が叩き込まれているのだ。これが不正の温床になっている。

昔のやり方を続けてしまう

 ご存じのように、旧ソ連は崩壊していく前に、不正のデパートになった。国は経済統計を誤魔化して、国営企業は生産の数字を粉飾した。計画経済がすべてなので「ノルマ未達」を避けるために、あらゆる不正がまん延したのだ。

 ルーツが同じということは、同じ問題が起きる。つまり、日本でも人口が減少して、これまでのビジネスモデルが崩壊していくと、組織が計画経済の齟齬(そご)を誤魔化すために不正に走るのだ。そこに転びやすいのが、団塊ジュニア企業だ。

 「人口が増えていく」という右肩上がりの幸せな成功体験を引きずっているので、厳しい現実を受け入れることなく、いつまでも昔のやり方を続けてしまうからだ。

 人口減少が急速に進む「縮む社会」で経済を維持するには、「数」が減っていく代わりに、一つ当たりが生み出す「価値」を上げていくしかない。つまり、生産性向上と賃上げだ。

 しかし、残念ながら日本社会はいまだに「安いものを大量に売る」という昭和の拡大路線から脱却できていない。ということは、現場に過大なノルマが強いられ続ける。どんなに血反吐を吐いても結果が出ないので、現場は不正をするしかない。民間だけではなく、役所や国家まで不正が「平常運転」となるだろう。

 つまり、これからの日本は旧ソ連と全く同じことが起きていくのだ。この流れはもはや止められない。そして、もっと大きな企業でも同様の問題が起きるだろう。事実、既にダイハツや日野自動車という、日本の基幹産業である自動車メーカーでも不正が相次いでいる。

 そう遠くない未来、誰もが知るような名門企業で、日本人のプライドがズタズタにされるような、とんでもない不正が明らかになるかもしれない。

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ビッグモーターCM中止 不正横行、メディアに通知

自動車保険の保険金不正請求が横行した中古車販売大手ビッグモーター(東京)がCMの放送中止の通知をメディア側に出したことが20日、複数のラジオ局への取材で分かった。CMキャラクターを務める俳優の佐藤隆太さんの所属事務所が契約解除に向けた協議中であることを明らかにしており、放送継続は困難と判断したとみられる。

CMは「車を売るならビッグモーター」のキャッチフレーズでお茶の間や運転中のドライバーらに浸透していた。通知は広告代理店を通じて出され、首都圏のあるラジオ局は「19日からは放送していない」と説明した。

ビッグモーターは故意に車両を傷つけて修理代を水増しするといった悪質な行為が全国で明らかになった。積極的な宣伝も取りやめざるを得なくなり、中古車の販売や買い取りが厳しくなる可能性がある。

ビッグモーター不正請求「常識超える」 東京海上会長が批判

東京海上ホールディングス(HD)の永野毅会長は20日、中古車販売大手ビッグモーター(東京)が損害保険各社に自動車保険の保険金を不正請求していたことについて「報道されていることしか分からないが、われわれのビジネスの常識を超えている」と批判した。長野県軽井沢町で開かれた経団連の夏季フォーラムで取材に応じた。

ビッグモーターを巡っては、車両を故意に傷つけて修理代を保険会社に水増し請求する不正行為が全国の工場であったとされる。永野氏によると、東京海上HDはビッグモーターと取引があったという。

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ビッグモーター不正問題 渦中の社長「お客さん目線で」 利用者は「行くたびにトラブル」

中古車販売大手ビッグモーターが、故意に客の車を傷つけるなどして保険金を不正請求していた問題。

会社トップの兼重宏行社長は、経営について「お客さんの目線で行う」と語っていた。

ビッグモーター・兼重宏行社長「仕事をやっていく中で、お客さんにとって何が一番最高最善かなと。お客さん目線でいろいろと考えていくと、結果的に今のような形になったわけですね。われわれ目線ではなくて、結果的にはお客さんに喜んでいただこうと」

ビッグモーターは、顧客の車を修理する際、ゴルフボールを靴下に入れて車体をたたくなどして故意に傷つけ、保険金の水増し請求を行っていたことが明らかになっている。

これは、兼重社長が言う「お客さんが喜ぶこと」とは程遠い行為。

利用客は、どのように感じているのか。

4年前に、ビッグモーターで中古車を購入したAさんに話を聞いた。

4年前に中古車を購入したAさん(静岡県)「結局、行く度に何かトラブルがある。(店に)もう行くのは怖い」

Aさんは、ビッグモーターの「乗るだけ安心パック」に加入。

およそ4万円で、オイル交換や点検などが3年間無料になるサービス。

その中に、「こすれば保証」という車に傷がついた場合、修理代を1万円まで値引きするサービスがあったが、店で使うことはできなかったという。

4年前に中古車を購入したAさん(静岡県)「傷があったので店に行ったら『なんか使えないみたいです』と言われて、『えっ? なんで?』という話をして、『3万円以上の修理費じゃなければ使えません』という話になった」

Aさんの話では、「修理費用が3万円以上でなければ使えない」ということはどこにも書かれておらず、店にそのことを訴えても「使えない」の一点張りだったという。

4年前に中古車を購入したAさん(静岡県)「もっと上の方にクレームをあげたくてもメール問い合わせみたいのしかなくて、結局それがまた代理店に差し戻されて、そこから電話がかかってくるみたいな負のループになるような感じ」

FNNが取材した元従業員は、長年に及ぶ会社のゆがみを指摘する。

元従業員「入社するときの面談では、風通しがいい会社だからというのを売りにしている会社ですけど、全然風通しよくないし。採用されて何カ月か働いたら、採用担当の人が各店舗に回るんですよ。半年働いてどうでしたかって。そこで『ちょっとしんどいですよね』という話を教育担当にしたらしいんですけど、その教育担当が全部店長に言っちゃう。店長がそのスタッフをもちろん怒るわけで、チクったなって。本当にそういう感じの会社なので」

そうした体質の温床となったのか。

斉藤国交相は、ビッグモーターから近日中にヒアリングを行い、法律に違反する疑いがあれば立ち入り調査も検討するとしている。

「なめとんのか!ボケー!」証言者の目の前で暴力も…「ビッグモーター」保険金水増し請求問題 福岡でも“不適切疑い”253件

「ビッグモーター」が全国の工場で損害保険各社に対して保険金を水増し請求していた問題。売り上げを伸ばすために不正が常態化していた経緯が浮き彫りになってきている。テレビ西日本の単独取材で語られた不正横行の背景とは―。

故意に車体傷つけ…保険金を水増し請求

「なぜ不正が起きたのか?」記者の質問に対し、「まあ、やっぱり、一番上からの圧力ですよね。現場強要されるから、もう『やるか、やめるか、降格させられるか』の選択しかないので」と話すのは、中古車販売大手「ビッグモーター」の福岡県内などの店舗で、数年前まで工場長を務めていた男性だ。

「ビッグモーター」は顧客の車の修理を行う際、故意に傷つけ、保険金を水増して請求していたことを認めている。

外部の弁護士がまとめた調査報告書によると、全国34カ所の工場の板金や塗装の案件から無作為に抽出した2,717件を検証したところ、1,198件の事案が不適切と疑われた。その中には福岡県内の事案も存在している。

「調査報告書」によると、福岡県内にある6店舗の事案も含まれていて、検証された548件のうち、半数に近い253件が不適切な事案の疑いがあるという。

福岡の「ビッグモーター」で何が起きていたのか?

無理無茶な目標 数字が悪いと殴ることも

元工場長によれば、発端は今から10年ほど前に「ビッグモーター」のトップ、兼重宏行社長が打ち出した売上目標にあるという。

九州内店舗の元工場長:

一番トップの方が「やっぱ数字は、これぐらい出して」と。売上至上主義と言いますか、無理な目標。無理無茶な目標ですよね。悪い工場があったとしたら「もうこの数字、どうなっとるんか。なめとんのか。ボケー!」と。目の前で殴られているのとか、見たことありますけどね。それも(殴ったのは)本部の方ですね

無理な売上目標を掲げられ、追いつめられていったという現場。利益を生む不正は公然と始まったという。

ーー不正に関わった?

九州内店舗の元工場長:

僕自身はないですね。私が直接見たことで話しますと、私がいたころの上司の本部の方が、ちょうど視察で回ってる時で、車両を預かって分解して見積もりしている最中で、「まあ、(エンジン等)中は大丈夫だね」っていう感じで、私は見てたんですけど、その横でちょうどその方がいらっしゃって、「気のせいじゃないか?中もいってるじゃないか?」って。「えっ、いってないですけど」っていう話になって、その直後に(車を)蹴飛ばした

九州内店舗の元工場長:

本当に「えっ」ていう言葉がないっていう状況ですよね。損傷させてしまっているので、もう修理せざるを得ない。保険会社さんには、「ここも損傷していました」と言って送るしかない状況。そこまでして数字を求めなきゃいけないのかなっていうのは思いましたね。(蹴飛ばした人は、まだ)現役ですね

不正は全国の店舗に広がった。

ネジを突き立て…わざとパンク

2021年6月に福岡県外の「ビッグモーター」で撮影された映像に映るのは、顧客から預かった車のタイヤにドライバーでネジを突き立てる「ビッグモーター」の当時の工場長だ。わざと顧客のタイヤをパンクさせることで、保険会社にタイヤ代を不正に請求したという。

九州内店舗の元工場長:

(売り上げを上げるように)どうしても上から詰められるので。今だったらパワハラですよね、それぐらいの勢いで言われるので、まあ耐えられない人は、もう(不正を)やっちゃう。基本的にやりたくないっていう人もやっぱりいるので、従わないことによって更迭されたり。で、まあ「危ないな」と思って辞めていく人っていうのがどんどん増えていって、今の体制になったっていうような感じですね。傷を増やして、見せかけの数字を作って、社長とかは、そういった内部まではわからないので、「頑張ってるんじゃないか」っていう評価になるんですよね

今回の保険金不正請求問題で「ビッグモーター」トップの兼重社長は、報酬全額を1年間返上とする方針を固めたという。国土交通省も行政処分を視野に調べを進めていて、「ビッグモーター」はこれに応じる意向だという。

信頼して車を預け、被害を受けている方もいると思われる中、早急な全容解明が求められる。

「すぐ辞めてください」ビッグモーター社長のワンマン体制反映?経営計画書を入手…元従業員「社長は神様、NOとは言えない」

自動車保険の保険金を不正に請求していた問題が発覚した、中古車販売大手の「ビッグモーター」。

社長のワンマン体制が一連の不正請求に影響を及ぼしていたのだろうか?

FNNは、“社長の意図は絶対”ともとれるような方針が掲げられた、ビッグモーターの「経営計画書」を入手した。

「誠実」掲げる裏で…故意にパンク・車内の損傷など

以前、仕事での信念について問われた際、社長の兼重宏行氏は次のように答えていた。

ビッグモーター・兼重宏行社長:

誠実ということですね。仕事をやっていく中で、お客さんにとって何が一番最高、最善かなと。

我々目線でなくて、結果的にはお客さんに喜んでいただこうと。

しかし、一連の問題をめぐっては、「誠実」という言葉とはほど遠い会社の姿勢が垣間見えている。

ゴルフボールを入れた靴下で車体を傷つけるほか、ドライバーを使ってタイヤを故意にパンクさせたり、車体を蹴って車の内部を損傷させたりするなどの行為があったというビッグモーター。

21日、ビッグモーターを監督する立場の斉藤国交相は、早期にヒアリングを実施すると表明。さらに怒りをあらわにしたのは、保険料を監督する鈴木金融相だ。

鈴木金融相:

本当にこんなことがあるのかと我が目を疑うような状況で、事実であればこれは許されないことである。

怒りと不信の声が高まる中、ビッグモーター側は、問題発覚から現在に至るまで、兼重社長ら経営陣による公の場での説明を行っていない。

自らの言葉で、いつ説明するのか。

「イット!」は21日、都心の一等地に居を構える兼重社長の自宅に向かったが、インターホンの呼びかけに応答はなかった。

近所の人は最近、兼重社長の姿が見えなくなったと話している。

近隣住民:

ここ1週間近くは出入りされていないと思います。お掃除もされていないので。

業者の方が週に2~3回は(掃除を)されていたと思います。1週間も掃除されないということはなかったと思います。

求める人材は…「元気があれば何でもできる」

1代でビッグモーターを従業員6000人の企業に育て上げた兼重社長。過去に、自身が目指す会社の形を次のように語っていた。

ビッグモーター・兼重宏行社長:

1兆円の売り上げを上げようじゃないかと。ビッグモーターがあれば、お客さまの車のニーズに関する全てを賄えるよと。

我々は車に関する全てのビジネスをやっているものですから、仕事が作れるんですね。

さらに、求める従業員像については…

ビッグモーター・兼重宏行社長:

真面目な人ですね、単純に。真面目な人だと色々工夫しますよね。

真面目で主体性があれば何でもできると。元気があれば何でもできるというような感じで考えています。

FNNは21日、ビッグモーターの元社員に話を聞くことができた。

――社長は会社にとってどんな存在?

ビッグモーターの元従業員:

神様のような存在だったのかなと思います。本当に、社長が言ったことには誰もNOとは言えないような。社長がこれをやろうと言ったら、会社全体が方向転換するところがあった。

“社長の意図は絶対”思わせる計画書を入手

さらに明らかになったのは、「社外秘」と記されたビッグモーターの経営計画書だ。

社長の意図が素早く実行されるフラットな組織にする。

会社と社長の思想は受け入れないが仕事の能力はある。

今、すぐ辞めてください。

また、この計画書には、社内恋愛に関する細かい規定まで記されていた。

社内不倫を見つけたら、公表、異動、減給、降格する。二度目は転職を勧告する。

社内恋愛は、二度目まで!三度目は転職を勧告する。

この経営計画書について、別の元社員は…

ビッグモーターの元従業員:

これ毎朝読んでいたので。逆に僕らが日常で指示されていることからしてみれば、まだ優しく言ってもらっている印象です。(文面が)外に出たらまずくなるので。

急成長を遂げてきた裏で、様々な問題を抱えていたとみられるビッグモーター。

兼重社長は21日午後、FNNに文面でコメントを寄せた。

ビッグモーター・兼重宏行社長:

経営責任は組織風土改革をはじめとする再発防止策を通じた社会からの信頼回復を果たすことと考えております。

社長自身による会見はまだ予定されていない。

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ビッグモーター、全件調査へ 社内調査諦め、第三者洗い直し

 中古車販売大手ビッグモーター(東京)が自動車保険の保険金不正請求問題で、期間を区切って過去にさかのぼり、車両修理の全件を調査することが22日、分かった。社内調査を諦め、第三者機関が洗い直す方向で検討している。社内調査では踏み込み不足になると懸念した損害保険会社が要求した。対象は数十万台規模に膨らむ可能性がある。

 ビッグモーターが共同通信の取材に認めた。ビッグモーターによると、修理件数は、同社に出向者を出していた損害保険ジャパンなど損保大手からあっせんされた車両の分だけで年間3万件に上る。ほかの損保なども含め、複数年が調査対象となる見通しだ。ビッグモーターの外部弁護士の調査報告書は、不正行為が少なくとも2018年ごろから続いていたとの見方を示している。

 調査は「アジャスター」と呼ばれる事故調査の専門家が独立した立場で行う案が出ている。損保側は、不正が疑われる案件を迅速に見つけるため、新興企業が持つ先端の選別技術を使うことを求めている。

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「ビッグモーター」保険金不正請求は我々の自動車保険にも影響する!? 車所有者全てに波及する「深刻な事態」はあるのか

今回の影響で「保険が高くなる」「保険のクラスが下がる」ことはあるのか

 中古車販売大手の「ビッグモーター」が、車両修理にかかる自動車保険の保険金を損害保険会社へ不正に請求したとして、世間を騒がしています。

 

 国土交通省が聞き取り調査に動くなど、大きな問題に発展していますが、この件でビッグモーターとは関係ない第三者となる自動車ユーザーから「加入する自動車保険の保険額が上昇してしまうのでは」と心配する声が聞かれます。果たして影響はあるのでしょうか。

 ビッグモーターの保険不正請求についての報道など見ると、皆さん2つの点を指摘して憤っています。

 ビッグモーターで購入したユーザーが「翌年からの保険料クラスが下がり支払う金額が高くなるのでは」という点と、「自動車ユーザー全体の保険料が高くなるのでは」という点です。

 しかし任意保険の制度を知っている人なら、どちらも「なんで?」と思うことでしょう。

 どうやらメディア関係の皆さんはクルマに乗らないのか、任意保険ってひとつしか無いと考えているのでしょうか。

 例えば、自分のクルマでイメージしてください。自動車保険を使うケースは2つあります。

 1つめは、自損事故までカバー出来る「車両保険」に入っており、自分で運転して壊したり、雹(ひょう)害にあったクルマの修理をしてもらうケース。

 2つめは、追突などされて被害者になり、相手の保険会社にお金を出してもらうケースです。

 1と2では大きな違いがあります。

 1だと自分の加入した自動車保険を使うのに対し、2で使われるのは加害者側の自動車保険から支払われます。

 1のケースだと、当然ながら車両保険を使えば翌年からの等級は下がるため、保険金の支払いが増えます。

 これはビッグモーター以外であっても、等しく同じ仕組みで運用されています。

 ただ、修理金額による等級の差は基本的にはありません。

 仮に20万円かかる修理に対し、今回のビッグモーターの件で報じられているように修理工場側が14万円のノルマ分の修理代を上乗せしたことで、トータルの修理代が34万円になったとしても、等級は同じだけ下がることになります。

 また自分の保険を使う訳ですから、請求明細も出てきます。ブツけていなかった場所まで修理されていれば、誰だっておかしいと思うことでしょう。

 ただし、もしユーザー自身が修理工場と共謀した(あるいは事前に知っていて黙認した)と認められる場合は、また話が変わってくる可能性があるかもしれません。

 一方で、2の事故被害者のケースで使われる保険は、基本的に加害者側にあります。

 もちろん事故の状況によっても異なりますが、100%先方の責任である場合には、自分の保険等級が下がるようなことなどないのです。

 強いて言えば、相手側の保険等級に影響があるものの、これまた金額に関わらず、もちろん利用した修理工場や販売店がどこであろうと、保険を利用すれば等級はダウンします。

 ということを知っていれば「翌年からの等級が悪くなる」という報道内容は「論点がズレている」とわかることでしょう。

 自動車業界からすれば、最初から「メディアはナニを言ってるんだ?」という状態です。

保険の不正請求は氷山の一角!? ビッグモーターの問題点は別にある

 もうひとつの争点である「全体の保険料が高くなる」について考えてみます。

 気持ちとしては解りますが、任意保険のシステムはもう50年以上に渡って運用されていますし、データだって揃っています。

 ビッグモーターで修理した事故だけ金額が高ければ、いずれすぐに解ります。だからこそ、1年くらい前から怪しいと感じた3社で調査を始めています。

 今回のような騒ぎにならなかったとしても、ビッグモーターに対する査定は厳しくなったと思うし、そうやって不正請求にブレーキを掛けてきました。

 やがて、ビッグモーターに対する保険金の支払い査定が厳格化されると考えられるため、皆さんが支払う保険料まで高くなることは考えにくいでしょう。

 むしろ全体で見ると、近年の「衝突被害軽減ブレーキ」(いわゆる自動ブレーキ)の普及などで、絶対的な事故件数や1件あたりの修理支出が減っているため、直近だと自動車保険料は安くしていく方向にあるようです。

 そうそう。メディアの報道では、故意にパンクさせたうえで、保険を使い新品のタイヤ交換をする映像というも出回っています。

 あれは一般的な保険でなく、最近流行りの「パンク補償」というもので、他の販売店などでも行われているものです。

 ビッグモーターの場合、中古車購入時に補償加入額を1万円払うと「2年以内のパンクなら10万円を上限でタイヤ4本新品に交換します」という内容になっていました。

 整備に出したお客のタイヤをパンクさせ「パンクしてましたから、タイヤ補償を使って4本新品にしました」という訳です。

 これまた「そんなことしたら保険料が高くなる!」とトンチンカンなことを言って怒る人も居るようです。

 タイヤ補償の制度についてビッグモーターは、保証会社と単独で独自契約をしていて、社会的な影響はほとんどないと言ってよいでしょう。

 どうやらビッグモーターでは、残り山の少ないタイヤが付いていた中古車に対する顧客サービスのひとつとしてやっていたつもりのようです。

 ただしビッグモーターのタイヤ補償制度で交換されるのは国産銘柄ではなく、新興国ブランドの安いタイヤ指定、さらに工賃も別途請求されるとのことで、さほどお得な制度ではないことがわかります。

 それでいて保証会社には満額請求していた(異なる銘柄で請求する虚偽の報告か)とも報じられており、果たしてユーザーにはどう説明していたのでしょうか。

※ ※ ※

 会社としての倫理観はひとまず置いておいたとして、ここまで読んで頂ければ解る通り、少なくとも保険金の不正請求に関しては、顧客に対するデメリットがほとんどないのも事実です。

 このほかにもメディアでは、ドライバーで車体を故意に傷付けたりする手口も報じられています。

 追突事故などでバンパーの損傷が小さい時に、バンパー全体を交換するため、被害を大きくして加害者側の保険会社に請求するような時に使っているようです。

 したがって被害者側からすれば、バンパーの部分修理&塗装でなく、新品に交換となるため、語弊を恐れずにいえば「ありがたい」結果になります。

 むしろ、今回騒動となったビッグモーター不正の本丸は「悪事のデパート」にあると筆者(国沢光宏)は考えます。

 具体的に挙げると「諸費用の水増し」「コーティングしてないのに料金を取る」「使えるバッテリーにダメを出して交換するなど過剰整備」「中古部品を使ったのに新品部品の料金を取る」「買い取る際、事故車だと判明した時の減額をカバーする補償」など……もう怪しいケースがテンコ盛り!

 前出の「安タイヤで補償」も含め、ビッグモーターの倫理観を疑うものばかりです。

 つまり今回の保険金の問題は、あくまで氷山の一角だと考えます。

 そして繰り返しになりますが、我々自動車ユーザーが加入する自動車保険の仕組み自体に対しては、影響が及ぶことはないといえます。

🍎たったひとつの真実見抜く、見た目は大人、頭脳は子供、その名は名馬鹿ヒカル!🍏