浜辺のキレイな青い生物に注意 2つの「カツオノ」クラゲ、危険度などの違いは【夏の危険生物】

浜辺のキレイな青い生物に注意 2つの「カツオノ」クラゲ、危険度などの違いは【夏の危険生物】

見た目が映えても触らないで! カツオノエボシとカツオノカンムリ、見分けるポイントも

 夏の海やビーチに青みがかったビニールのような生きものがいたら、それはカツオノエボシかカツオノカンムリだ。どちらも刺されると危険な海の生きもので、今年は5月に沖縄県や神奈川県に漂着して話題になったので、聞き覚えがある人もいるだろう。

 カツオノエボシとカツオノカンムリは世界中の暖かい海に生息し、海水温が上昇する夏を中心に、黒潮に乗って日本の近海にもたくさんやってくる。泳ぐ力はなく、強い海風が吹くと海辺に漂着することがある。「カツオノ」という名前は、よくカツオの群れと一緒に見られることから付けられた。つまり、似たような時期に同じような場所に現れ、見た目も近くて紛らわしい。そこで、危険度の違いをはじめ、両者の正体に迫ってみよう。

クラゲのようで「クラゲではない」!?

 カツオノエボシもカツオノカンムリも、広い意味ではクラゲではあるものの、よく見かける丸い傘のミズクラゲやアカクラゲなどとは人と鳥、人と両生類ぐらい違う。

 カツオノエボシとカツオノカンムリが、ミズクラゲなどと大きく異なるのは、全体が1つの個体ではなく「ポリプ」が集まった「群体」である点だ。

 ポリプとは「協力して1つのまとまった体を形成する」小さな生きもので、車で例えると、それぞれが部品のような役割を果たしている。それぞれ、食事をしたり、身を守ったり、生殖したりと、さまざまな役割をもっている。

 また、クラゲの仲間は成長段階や環境に応じて、主に海底での生活に適応したポリプ型と、浮遊生活に適したクラゲ型のどちらかに姿をがらりと変える。カツオノエボシやカツオノカンムリは、ポリプ型に分類される。たまに「カツオノエボシやカツオノカンムリはクラゲではない」と説明されるのはそのためだ。

危険な「電気クラゲ」、カツオノエボシはギョーザ似

 カツオノエボシとカツオノカンムリは、ぱっと見はよく似ていても、違いを知れば意外と簡単に見分けられる。 

 カツオノエボシは「クダクラゲ」の仲間で、見た目のいちばんの特徴は海の上に出る浮き袋だ。これが烏帽子のようというのが名前の由来だが、最近ではギョーザのように見えると言われることもある。英語名の「Portuguese man-of-war(ポルトガルの軍艦)」も、海上に出ている一番上の最大15cmほどの浮き袋が昔の軍艦に似ていることにちなむ。また、紫がかった青色であることから「bluebottle(青いボトル)」とも呼ばれる。

 浮き袋には、一酸化炭素や酸素、アルゴンなどのガスが詰まっていて、これで体を水に浮かせて波に乗って漂うか、風を受けて進む。だが鳥に襲われた際には、浮き袋についた水管から中のガスを吹き出し、水中に沈んで逃げるという特技もある。

 触手には猛毒を含んだ刺胞があり、魚やそのほかの小型生物を麻痺させて殺す。長くて細い巻きひげ状で、長いものは50メートルにも達するが、平均は10メートル程度だ。

 陸に打ち上げられ、完全に死んでからでも細胞が自動的に動いて触れたものを刺す。人が刺されると、みみず腫れになって激痛に襲われる。電気が走ったような強い刺激から、「電気クラゲ」の異名もある。アレルギー反応のアナフィラキシーで呼吸困難に陥ることもあり、泳いでいる間なら溺れる危険があるので、見かけたら絶対に近づいてはいけない。

硬い「帆」をもつカツオノカンムリはポテトチップス似

 一方、カツオノカンムリは「ハナクラゲ」の仲間で、三角形の硬めの“帆(sail)”がある点が、カツオノエボシとの目立つ違いだ。英語名も「by-the-wind sailors(風まかせの船乗り)」「purple sailors(紫の水夫)」と、帆にちなむ。帆の部分は、乾燥すると透明なポテトチップのように見える。帆が立つ楕円形の平たい気泡体は5~10cmほどで、カツオノエボシのような長い触手はない。

 カツオノカンムリも捕食動物であり、海面に浮遊する極微小なプランクトンを餌とし、触手には刺胞がある。とはいえ、毒はカツオノエボシほど強くない。指なら刺されても痛みは感じないかもしれないが、その指で目をこすったり、肌の敏感な部分に触れたりすれば痛みを感じる。つまり、カツオノエボシと同じく、いくら見た目がきれいでも、触ったらやはりダメということだ。

 陸へ打ち上げられて大量死するカツオノカンムリの姿は珍しいものではないと、米国モントレー・ペニンシュラ大学の海洋生物学者ケビン・ラスコフ氏は説明する。2015年には米国の西海岸沿いにおそらく10億匹という大量のカツオノカンムリが打ち寄せられ、話題になった。また、日本でも4月以降、沖縄県や神奈川県でも大量漂着しているのが見つかり、県などが注意を呼びかけている。

 カツオノエボシとカツオノカンムリに刺されないようにするには、近づかないように心がけるのはもちろん、ラッシュガードを着たり、マリンシューズを履いたりして、なるべく肌を露出しないようにするのも手だ。

 それでもカツオノエボシとカツオノカンムリに刺されてしまったら、海水をかけて洗い流すとよい。真水は毒針がさらに出やすくなるので避けること。皮膚に触手が残っている場合は、素手で触らずにハンカチなどを使ってやさしくはがし、すみやかに医療機関を受診しよう。

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