信号機が50分も異常点滅 “犯人”は1匹のナメクジだった

信号機が50分も異常点滅 “犯人”は1匹のナメクジだった

世界遺産・二条城(京都市中京区)近くの交差点で6月上旬、信号機が約50分間、赤と黄の点滅を繰り返し、警察官が手信号で交通誘導にあたる騒動があった。信号の配線部分に入り込んでトラブルを誘発していたのは、1匹のナメクジだった。専門家によると、ナメクジには重力に逆らって高い場所に上ったり、驚くほど狭い所に侵入したりする性質がある。梅雨の時期に目にする機会は多く、家庭でも対策が必要だ。

◆事故発生のリスク

近畿地方に台風2号が近づいていた2日午後4時40分ごろ、京都府警交通管制センターに信号機の異常を知らせる信号が届いた。現場は幹線道路の堀川通と御池通が交わる交差点。ちょうど帰宅ラッシュが始まる時間帯だった。

赤、黄、赤、黄-。警察官が急行すると、交差点にあるすべての信号機が不可解な点滅を繰り返していた。降りしきる雨の影響でただでさえ視界が悪い。さらに信号トラブルの影響で、複数の車が現場で立ち往生していた。

事故発生も危ぶまれたため、かっぱ姿の警察官約30人が拡声器を使い、手信号で誘導を開始。車は少しずつ流れ出したが、周辺では約500メートルも渋滞が続いた。交差点近くにある中京消防署の署員、岩本達也さん(42)は一部始終を目撃したといい、「警察官が拡声器で交通整理を行う声が響いていた。誘導がなければ緊急車両の出動に支障をきたす可能性があった」と振り返る。

◆個体を除去すると…

信号の復旧に向けた動きも同時並行で始まった。警察官は業者とともに、信号機の配線が集まる「集合箱」と呼ばれる箱(縦約35センチ、横約40センチ、高さ約110センチ)を開け、不具合の原因を調べた。

集合箱内にある復旧ボタンを押すと、一時的に正常にはなったが、すぐに点滅状態に。「何が原因なのか」。作業にあたった担当者が箱の中にある配線部分をよく見ると、1匹のナメクジがいた。

信号を制御する配線部分にのっぺりと居座っていたナメクジ。配線から個体を取り除き、再び復旧ボタンを押すと、信号機は何事もなかったかのように復活した。異常を告げる一報から約50分が過ぎていた。

◆2ミリ四方でも入り込む

「ナメクジは暗い場所を好むほか、『重力走性』という(重力に逆らって)上に登ろうとする性質がある」。ナメクジの生態に詳しい福岡女子大の松尾亮太教授(分子神経生物学)が解説する。集合箱は周囲に生け垣がある土の上にあった。こうした状況から、ナメクジは地中にある電気配線などが入ったパイプをつたって、集合箱の隙間に侵入したとみられている。

なぜ配線に影響が出たのか。松尾氏は「粘液に覆われたナメクジの体は電気をよく通す。集合箱の中でショートを引き起こしていた可能性も否定できない」と示唆する。

過去にも同様のトラブルがあった。北九州市のJR路線では令和元年5月、線路の近くにある電力設備にナメクジが入り込み、機器がショート。この影響で停電が発生し、電車が運休している。

府警は今回の不具合を受け、パイプと集合箱が接合する部分にあった隙間を補修材でふさぐ再発防止策を取った。松尾氏は「ナメクジは小さい個体であれば2ミリ四方の隙間に入り込むこともある。(対策には)隙間を完全になくすしかない」と述べた。

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