マリオ・ポケモン・星矢、海外映画でも活躍…制作陣が「作品育ち」続々公開

マリオ・ポケモン・星矢、海外映画でも活躍…制作陣が「作品育ち」続々公開

 日本で作られたゲームや漫画、小説などが、海外で相次いで映画化されている。海外でも世代を超えて親しまれているキャラクターや、これらの作品で育った世代が映画の制作陣に増えてきたことが背景にあるとみられる。(佐川友章)

名作で4位に

 任天堂の家庭用ゲームソフト「スーパーマリオ」シリーズを題材に、米アニメ制作会社などが手がけたアニメ映画「ザ・スーパーマリオブラザーズ・ムービー」が4月下旬、国内で公開された。ゲームと同じ主人公のマリオとルイージという双子の兄弟が、魔法に満ちた世界で危機に立ち向かう冒険映画だ。配給元の東宝東和によると、米国や欧州などでも公開されており、全世界での興行収入は既に約1700億円と、アニメ映画史上の歴代4位を記録しているという。

 ゲームは1985年発売の「スーパーマリオブラザーズ」以降、全世界の累計販売本数が2022年3月末時点で約4・1億本に上る。任天堂の古川俊太郎社長は「映画をきっかけに、任天堂ファンになっていただく強力な接点になる」と述べた。マリオの生みの親として知られる宮本茂・代表取締役フェローも「家族みんなに面白かったと言ってもらうのが目標」と意気込む。

日米合作も

 近年、日本発のコンテンツ(情報の内容)が海外の制作会社との共同で映画化される例が相次いでいる。

 人気漫画「聖闘士星矢(セイントセイヤ)」の日米合作による実写映画も、今月12日までに日本や南米などで公開された。これまでも、ゲーム「ポケットモンスター(ポケモン)」の人気キャラクター「ピカチュウ」を題材にした実写映画(19年)などが制作されている。

 日本のコンテンツ産業に詳しい東洋証券の安田秀樹シニアアナリストは「制作陣の世代交代が進むなかで、幼少期に日本のアニメやゲームで育った人材が増え、映画化が増えている」と指摘する。

小説にも注目

 ゲームや漫画だけでなく、昨年は作家・伊坂幸太郎さんの小説「マリアビートル」が、米俳優ブラッド・ピットさん主演で映画化された。

 経団連は、エンターテインメント産業を成長分野と位置づけ、日本発コンテンツの海外での市場規模を10年間で現在の約4倍にあたる15兆~20兆円に増やす目標を掲げる。

 経済産業省でアニメなどの海外展開を支援するコンテンツ産業課の担当者は「日本の人気コンテンツは海外でも世代を超えて楽しめる作品が多い。今後もビジネス展開の拡大が期待できる」と話す。

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