月収78万円・59歳の勝ち組サラリーマンの悲鳴「たった、これっぽっち……」定年後、65歳で手にする「唖然の年金額」

月収78万円・59歳の勝ち組サラリーマンの悲鳴「たった、これっぽっち……」定年後、65歳で手にする「唖然の年金額」

出世街道を順調に歩んでいる「勝ち組サラリーマン」の給与額は、平社員とは雲泥の差。周囲から羨望の眼差しが注がれることでしょう。しかし、そんな人が将来手にする年金額にも羨望の眼差しが注がれるかといえば、そうではないようです。みていきましょう。

出世街道をゆく勝ち組が将来受け取る「年金額」

サラリーマンの多くが、「収入減の壁」を2度は経験します。1度目は定年を迎えた時。現在、多くの企業は60歳を定年年齢と定め、そこで雇用形態を改めて働き続けられる環境を整えています。その際、60歳を機に正社員から契約社員や嘱託社員となるため収入減となるのです。

たとえば大企業で部長を務めていた人であれば、60歳直前で月収(所定内給与額)は78.4万円、年収1,326.7万円*。60歳を機に「役職なし」となれば、月収は33.8万円、年収で551.1万円。「非正規社員」では月収32.5万円、年収で517.7万円。60歳を機に収入は半減以上にもなるのです。

*厚生労働省『令和4年賃金構造基本統計調査』大卒・男性、従業員1,000人以上事業所の平均値より。以降の金額はすべて同調査によるもの

そして65歳。原則、公的年金を手にできる年齢となり、これを機に現役を引退するという選択肢をする人も多いでしょう。そこで2度目の大きな収入減が訪れます。

たとえば大企業に勤務する大卒サラリーマンが、順調に各役職の平均年齢で係長(平均43.7歳)、課長(平均48.1歳)、部長(52.7歳)と出世し、60歳を機に非正規社員になり65歳まで働いたとしましょう。

・平社員から係長に昇進した際には、40代前半で年収703万7,700万円から781万5,700円と80万円近くアップ。

・係長から課長に昇進した際には、40代後半で年収779万1,100円から1,023万4,500円と、250万円弱もアップ。

・課長から部長に昇進した際には、50代前半で年収1,086万7,900円から1,267万4,000円と180万円ほどアップ。

まさしくサクセスストーリーを辿っていきます。そして将来手にする年金額を考えていくと、国民年金であれば「年金額×(保険料の納付月数÷480ヵ月)」で、厚生年金であれば加入期間が2003年3月までは(1)「平均標準報酬月額(≒平均月収)×7.125/1000×2003年3月までの加入月数」、加入期間2003年4月以降は(2)「平均標準報酬額(≒平均月収+賞与)×5.481/1000×2003年4月以降の加入月数」で計算できます。

厚生年金は便宜上(2)のみで計算すると、勝ち組サラリーマンともいえるこの男性の平均標準報酬額は、32等級あるうちのトップで65万円。厚生年金部分は月15万円ほどとなり、国民年金と合わせると、月21.3万円ほど支給される計算となります。現役引退する前の月収は32.5万円ほどですから、3割以上も収入はダウンすることになるのです。

定年~年金受給開始で月収は3分の1まで激減…老後のダウンサイジングは必須

60歳の定年から5年で、78.4万円から21.3万円と月収では3分の1程度に、年収では5分の1程度に……この現実を知ると、「たった、これっぽっち……」とため息をついてしまうのも無理はありません。

しかし、なんとも残念な現実に嘆いていても仕方がなく、月収78万円の感覚で65歳を迎えると、あっという間に破産してしまうことは明らか。そのためにもライフスタイルのダウンサイジングは、定年前から検討し、できることから始めておきたいもの。そのためのポイントは、大きく3つ。

(1)家計収支を明らかに

現役時代、収入に余裕がある人は、どんぶり勘定でもよかったでしょう。しかし、収入手段が限られる年金生活ではそうはいきません。まずは「入ってくるお金」と「出ていくお金」を把握し、削れる部分を明らかにします。そして徐々に“身の丈にあった”生活へと変えていきましょう。

(2)住み替えの検討

年金の支給が始まった頃には、子どもも独立して、配偶者と2人暮らし、というケースも多いでしょう。使っていない部屋があったり、広すぎたり。さらに段差があるなど、高齢者が住むには適していないことも。大きな家は維持費もかかるので、思い切って住み替えを検討し、住まい自体をコンパクトにする、というのもひとつの手です。もちろん老後生活が困窮しないよう、余裕のあるマネープランが求められます。

(3)捨て活

もう使わない家具・家電、衣服……家の中には使わなくなった不用品が色々とあるでしょう。もったいないからといって使わないものを残しておく習慣は、無駄な出費にも繋がりやすいもの。余裕のあるうちに、必要なものと不用品を選別し、不用品と判断したものは処分。住まいにも余裕が生まれて精神的にも晴れやかと、二重のメリットが得られます。

現役時代、どんなに勝ち組と讃えられる人でも、手にする年金はかなり現実的な金額だといわざるを得ません。現役時代の生活水準を引退後も保ちたいのであれば、それ相当の貯蓄がなければ難しいでしょう。また長生きすればするほど、貯蓄の減少は免れませんから、老後のダウンサイジングは必須。いきなり収入にあった生活水準にするのは難しいので、無理せず、時間をかけて行うことが重要です。

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