キヤノン、“まるでスマホ”なカメラ「PowerShot V10」発売 自撮りや動画配信にも対応

キヤノン、“まるでスマホ”なカメラ「PowerShot V10」発売 自撮りや動画配信にも対応

 キヤノンは6月下旬、Vlogカメラ「PowerShot V10」を発売する。スマホのように持ち運びやすいコンパクトな縦型デザインで、高画質・高音質を実現した。昨今の動画撮影のニーズにも対応した商品で、需要の取り込みを図る。

 キヤノンは、近年の映像から情報に触れるライフスタイルへの変化や、映像を活用したコミュニケーションの活発化に着目し、「PowerShot Vシリーズ」を新たに立ち上げた。今回発売するモデルが第1弾となる。

 大きさは幅63.4ミリ×奥行き34.3ミリ×長さ90ミリ。スマホユーザーに馴染みやすい縦型デザインにし、表示情報を最小限に抑えた。分かりやすくシンプルなUI(ユーザーインターフェース)を採用し、初めて使用するユーザーでも本格的な動画撮影が可能だという。また、カメラアングルの調整ができる内蔵スタンドを搭載し、さまざまな角度からの置き撮りも可能だ。

 1.0型・有効画素数約1310万画素のCMOSセンサーと、映像エンジンDIGIC Xで、高画質な4K/30P、フルHD/60P動画撮影に対応。また、手持ちでの自撮りに適した焦点距離約19ミリ相当のワイドな画角と、歪みを抑えた自然な描写を両立した。その他、人物の顔を自動検出して追尾する顔追尾AFや、「オート動画」「美肌動画」「手ブレ補正動画」といった動画モード向けの機能も搭載した。

 大口径マイクも搭載し、スマホと連携することでYouTubeなどでの無線ライブ配信や、スマホからのリモート撮影なども可能。PCとUSBで接続すれば、Webカメラとしても使用できる。

VLOGカメラに進化したキヤノン「Powershot V10」 ソニーと何が違う?

 久しぶりにPowershot(パワーショット)シリーズの発表会があった。

 そのPowershotはコンパクトデジカメではなく、VLOGカメラだったのである。「Powershot V10」だ。

 最近のキヤノンはゴルフ用単眼鏡っぽいスタイルの「Powershot Zoom」やセキュリティカメラを発展させたような自動撮影カメラ「Powershot PICK」といったニッチなジャンルに向けてアイデア一発ものの製品を投入してはいたが、メインストリームからは大きく外れた製品だった。

 今回のはちょっと違う。コンパクトデジカメ全盛期のメインストリームからは大きく離れ、新しいストリームに乗っかろうというカメラなのだ。

 それが静止画より動画をメインに据えたVLOGカメラ。ソニーがいち早く手がけてヒットとなった「VLOGCAM」とジャンルとしては近いけど、Powershot V10が違うのはよりカジュアルでシンプルで、誰でもさっと扱えるお気軽VLOGを見据えた点にある。

 ちょいと実物を触る機会があったので、写真とともにファーストインプレッションだ。

内蔵スタンドがかわいかった件

 一応中身はコンパクトデジカメで製品名もPowershotだけど、カメラは縦型の手のひらサイズ。

 何しろ見た目がこれだ。

 両側面が丸みを帯びた長方形で、シルバーモデルはツートーンになってる。大人の手なら片手で軽く持てるサイズ。

 横幅は約63.4mm。ちなみにiPhone SEが幅67.3mmなのでそれより少し細い。重さは約211g。小さいけど分厚くてちょっと重いスマートフォンって感じか。まあスマートフォンではないので比べるのはアレなんだけど。

 そしてこのボディに180度回転するチルト式モニターと、どこにでも好きな角度で立てられる可動式スタンドが付いてるのがミソだ。

 本体の一部として可動式のスタンドを入れたことで、「本体だけで適当な場所に置いて撮影できる」メリットを得たのだ。

 ではこのスタンドをいろんな角度で見てみよう。

 なんか横から見たらかわいかったので。

 いろんな角度で立たせてたら意味も無く欲しくなってきたりするのである。

 なお、底面には三脚穴もあるので自撮り棒なり何なりに装着してさらに撮影アングルを拡げることもできる。

1型センサーを使った超広角系単焦点カメラ

 次はカメラの話をちょっと。

 ボディは縦型だが、この状態で横位置で撮影されるようにイメージセンサーは配置されている。スマートフォンを意識した縦型とは言え、そのまま縦位置撮影になるわけじゃない。

 レンズは単焦点の19mm相当と超広角で開放F値はF2.8。

 センサーサイズは1型。センサーの画素数は(たぶん)2000万画素だが、レンズのイメージサークルなどの関係で有効画素数は約1520万画素。動画撮影時は約1310万画素(動画時は静止画時より少し横幅が広くなる)。細かいところは実機を使ったレビュー時にチェックしてみたいと思う。

 なお、動画のスペックは4K/30P。フルHDなら60Pで録れる。

 レンズの下にあるのは録画開始/シャッターボタン。ちょっと面白いところにあるわけだが、画面にもシャッターボタンが現れるのでそれをタップしてもいい。

 背面の操作系はシンプル。電源、再生、転送(スマートフォンとつないで転送したり配信したりするのでこのボタンは必須)、そしてその他の機能となるわけだが、撮影時のほとんどの操作は画面上で行える。

 四角い枠にはいったアイコンがボタンで、右上の動画ボタンをタップすると動画と静止画を切り替えられるし、Qボタンを押すとメニューが表示される。

 メニュー項目は親指で操作しやすい画面の下の方に表示されるなど工夫されている。

 そしてモニターを180度反転させると画面デザインが変わる。

 自撮り時は画面の下の方は押しづらいのでボタンの位置が変わるのだ。自撮り時の録画開始やシャッターはレンズ下の赤いボタンを押せばいいのでよし。

 では両方を同時に見てみよう。

 自撮りの方は静止画モード、もう一方は動画モードの画面。

 そしてVLOGで重要なマイクであるが上面にしっかりステレオマイクが付いてる。

 発売時はトライポッドグリップキットも用意されるが、このトライポッドグリップはPowershot V10専用じゃないのでちょっと大きさのバランスが大げさかなとは思う。

 スマートフォンのストレージもバッテリーも消費せず、スマートフォンより高画質なVLOG動画を撮れるってのはいいけれども、大事なのは持ち歩いてもらえるか、持ち歩いても「撮ろう」と思ったとき、いつも手にしてるスマートフォンではなく、こちらのV10を出して使ってもらえるかが重要だ。その点、片手でさっと撮れるデザインや置き場所に困らないスタンド、そしてシンプルな操作系はいい。

 専用アプリを使えばライブ配信もできる。肩に力を入れてVLOGやるぞ、って感じじゃなくて、もっとカジュアルにぱっと動画を撮って楽しむカメラとして魅力的だ。

 ボディのデザインもなぜか懐かしい感じで(なぜ懐かしいのかはよく分からないけど、複数の人が同意してくれた)、常時持ち歩いてちょこまかと動画を撮り、スマートフォンでちょちょっと編集してアップするなんてことをしてみたくなるわけで、本当にそうなるかは実機をしっかり借りてレビューしてみたい。

 なお発売は6月下旬の予定だ。

キヤノン、Vlogカメラ「PowerShot V10」 無線ライブ配信に対応

 キヤノンは6月下旬に、Vlogカメラ「PowerShot V10」を発売する。カラーは、シルバー、ブラックの2色。価格はオープンで、キヤノンオンラインショップでの価格は5万9950円。

●2023年6月下旬発売

 「PowerShot V10」は、コンパクトな本体に1.0型AMOSセンサーや大口径マイクを搭載し、高画質・高音質を実現したVlogカメラ。スマートフォンと連携することで、さまざまな撮影シーンに対応している。

 本体は、小さめのカバンなどにも収納しやすいコンパクトさで、スマートフォンユーザーに馴染みのある縦型デザインと、表示情報を最小限に抑えることでわかりやすくしたシンプルなユーザーインターフェースを採用することで、はじめてカメラを使う人でも簡単に本格的な動画撮影を楽しめる。

 本体には、カメラアングルを調整可能な内蔵スタンドを備えているので、手持ちでの撮影に加えて、さまざまな角度からの置き撮りができる。

 有効画素数約1310万画素のAMOSセンサーと映像エンジン「DIGIC X」によって、4K/30p、フルHD/60pでの動画撮影に対応している。さらに、レンズ設計の最適化によって、手持ちでの自分撮りに適した焦点距離約19mm相当のワイドな画角と、歪みを抑えた自然な描写を両立した。さらに、人物の顔を自動検出して追尾する顔追尾AFや、「オート動画」「美肌動画」「手ブレ補正動画」といった動画モードを搭載しているので、カメラ初心者でもクオリティの高い、自分好みの映像の撮影が可能になる。

 そのほか、スマートフォンなどに対応したアプリ「Camera Connect」と連携することで、シンプルなフローでYouTubeなどでの無線ライブ配信や、スマートフォンからのリモート撮影などができる。また、PCとUSB接続すればウェブカメラとしても使える。

 対応メディアはmicroSDXC/microSDHC/microSDカード。サイズは幅63.4×高さ90.0×奥行き34.3mmで、重さは約211g。

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